2007年1月

1日(月)
 あけましておめでとうございます。2007年もよろしくお願いいたします。思い返せば2006年はいろいろあった年でした。たぶん、2006年以上に慌しくはならないとは思いますが、2007年はいったいどんな年になっていくのでしょうか。今年も旧年中以上の御愛顧のほど、また御指導御鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。

 と、挨拶はそのくらいにして、毎年恒例の今年の予想でも。景気はこのまま上昇を続けるのかっていう話が先ずありますが、まぁこれは安定的に推移するんではないですかねぇ。名古屋・東京・福岡と、見知った場所の景気がどこも良いのは嬉しい限りですが、それ以外のところはまぁ今年も難しいのでしょうか。土建中心の経済システムから、地方が如何に脱却できるかが重要なんですが、ここまでドーピング漬にされてしまっていると、頭では分かっていてもなかなか方向転換っていうのも困難なのでしょう。夕張のようになっていく自治体も、また幾つか登場するかも知れません。

 あと今年は参議院選挙ですか。安倍自民党がどんな負け方をするかが焦点ですが、政権交代まで行くのかなぁ、持ち堪えるのかなぁ。小泉5年間よりも、安倍3ヶ月の方が、飽きて来たっていう感想を持つのですが、そろそろ代わっても良い頃かもしれませんね。選挙の洗礼を受けていない内閣は、まだ始まってもいないと同じだと僕は思っていますが、始まる前から税調会長の愛人問題、行革大臣の裏金問題と、任命する前に調査も出来ないのかよというスキャンダラスぶりには、チョッと呆れ果てるばかりです。要職に就く人物の身辺調査も出来ない内閣が、真っ当な政策を出来るわけが無いでしょう。

 日中関係は、双方からの関係修復の要望で落ち着いていますから、どんな政権になろうとも、北京オリンピックが終わるまではこのまま推移していくでしょう。ロシアとの北方領土問題が前進するとも思えず、韓国の盧武鉉政権のスタンスが変わるとも思えず、ましてや金王朝が拉致被害者を帰してくるとも思えないので、東アジア情勢は何も変わらないままでしょうねぇ。今年も北朝鮮のクーデターを望むばかりです。

 さて、今年はイノシシ年ということで、イノシシ鍋で新年が明けました。豚よりもチョッと身が固めですが、その分だけ味が濃い。野性味が口の中にじわ〜っと広がり、美味でございますぅ(大奥風に)。でも、身の中に散弾銃の銃弾が少し残っていて、食べそうになってしまったのはやばかったです。あと、鹿肉も食べたのですが、鹿肉はちょっと獣臭が強くて、あんまり美味しいものではないですねぇ。確かに鹿肉が美味しかったら、春日大社も厳島も鹿肉採り放題で食べ尽くされているでしょうからね。あまり美味しくないから神の使いも、伸び伸びと鹿煎餅を食べて過ごしているんでしょう。

 まぁ、何はともあれ、今年も一年よろしくお願いいたしますm(__)m

5日(金)
 新興銘柄中心の僕の持株は、去年後半の伸びでもサッパリだった訳ですが、ここに来て任天堂willの部品やら、ノロウィルスの検出試薬やらで、急に値上がりしてきたのは幸いです。久しぶりにストップ高の快感を味わってしまいました。引越しもあったり、何やりと、意外と去年の金運は良くなかったので、今年の金運はこれに乗じて順調に推移して貰いたいもんだと思っています。新興銘柄中心の去年は、結局年頭のライブドアショックに引きづられたままでしたが、今年は1部銘柄の値上がりの余波が、2部や新興市場にも着てくれるもんだと信じ、このまま新興市場中心でやっていきたいと思っています。

 ところで今日話をしていたのですが、ホワイトカラーエグゼンプション(white collar exemption)っていう、いつものお役所的横文字制度が導入されつつありまして、その基準となるのが年収800〜900万円だとか。国立大学法人の教員って言うのは裁量労働制が導入されている関係上、年収800万円どころかもっと安い賃金で、とんでもなく長時間で休日も無く働かされていたりします。好きな事やっているのでいいんですが、世間一般にこれを広めるとなると問題があるだろうなぁと思う反面、俺もやっているんだからお前らもやれ、って言う悪い気持ちが湧かなくもありません。チョッと様子見ですねぇ。

10日(水)
 なんだか、とんでもなく〆切が重なっていて死にそうです。来年のこの時期は、もうちょっと暇になっているでしょうか。。。博士号の審査とか今年だけだし、2月にアクロス福岡で開催される催し物の準備も今年だけだし、1月の部会報告っていうのも来年は無いでしょうから、茲まで悲惨な事態にはならないものだと希望を持ちつつ生きてます(TT)

 ところで、お土産に頂いた「ウソの餅」っていうのをお茶請けに食べてみました。太宰府天満宮の梅園っていうお菓子やさんの和菓子です。鶯色の食べ物なので、箱を開けた時にはクエスションマークが頭の中を乱舞してしまいました。説明されないと、食べ方が全く不明です。まぁ、要するに赤福みたいな感じに、自分で等分して頂くものなんですね。で、落雁の粉を使っているのですが、落雁よりも若干しっとり感があり、しかも落雁ほど固まっていないので、口当たりは新鮮です。味わいの方は、鶯色の見た目とは違って梅の爽やかな味わいでして、けっこう美味しいもんです。確かにお茶請けにはお勧めですねぇ。

 お土産っていえば、福岡土産のお菓子でお勧めなのは、石村萬盛堂の「シャンデレザン」です。六花亭の「マルセイバターサンド」と似ているのでバッタもんか?とも思ったのですが、見た目は似ていますが味わいはけっこう違います。シャンデレザンのほうがラムレーズンのラム酒の味わいが濃くて大人向きです。これはブランデーに良く合う。それに対して、クリームがバターサンドほど濃くないので、より一層ラム酒の風味が薫り高くなるんですねぇ。ほんと飲んべいの地、福岡ならではのお菓子です。って、ブランデーちびりとしつつ食べるお菓子では、本来は無いとは思うが(苦笑)

13日(土)
 さぁひと先ず博士論文審査&経済史研究会での報告の準備は終わった、というよりも終わらせたので、もうあとは煮るなり焼くなり茹でるなり蒸すなり炒めるなり、好きなようにしてくれという心境です。でも揚げられるのはちょいと嫌だな。提出したのが5月なので、彼此もう半年以上が経っているのですが、これだけ月日が経ってしまいますと、粗が目立つは、考えが変わっている所もあるは、ひっちゃかめっちゃかです。博士論文を提出するために先ず必要なことは、ここまでで終わらせると諦める事だとはよく言いますが、その反動っていうのは当然後々訪れるもんですよね。

 ところで最近、妙にバラバラ殺人のニュースが多いのですが、遺体を切り刻むっていうのは凄惨なように見えて、遺体の処分のためにはある意味で合理的な行動のようです。特に腕力がない女性や、男性でもひ弱なケースに、バラバラ殺人の犯人っていうのは見られるようですねぇ。勿論これらは、どれも怨恨による殺人の上での死体損壊だからでして、快楽的な死体損壊は違うのでしょうが、まだ日本はそこまではいっていないようです。と書いてから思ったんだが、日本でも神戸の酒鬼薔薇事件がありましたね。

 しかし、特にモルガンスタンレーの方は、頭部を電車に乗せて運んだとか供述しているようでして、なんだかなぁ。同じ電車に乗ってたかもしれない人っていうのは当然いるわけでして、当分の間は気持ちよく寝られないよなぁ。胴体の運搬に付き合わされたタクシーの運転手さんはお気の毒ですが、不特定多数が利用する電車は尚更あれですねぇ。でも、怨恨の殺人はすぐバレますよ。日本の検挙率が下がっているのは、行きずりの犯罪が増えているからであって、怨恨で発生した事件での検挙率は、まだまだ日本の警察は優秀ですから。というわけで、あんまり夫や妹のバラバラ殺人はお勧めしませんよ。

17日(水)
 博士号の学位審査に関しては、凹み方が激しくてチョッとまだ書く気分ではないので、別の話でも。ある人が猿たちが何匹も飼っていたところ、貧しくなってエサ代をカットしなければならなくなった。そこで、朝ドングリ3個にして、夜にドングリ4個にすると持ちかけたら、猿たちがとっても怒ったと。それじゃぁって云うことで、朝は4個に据え置いて、夜から3個にするからと提案したら、猿たちは納得してくれたという話があります。言わずと知れた朝三暮四の語源なわけです。

 ところで、2007年1月から所得税が減税されていることを御存知でしょうか。なんだか得した気分ですねぇ。ところがこれ、6月からの住民税がアップすることに伴う措置なんですね。しかも、所得税の減税分よりも住民税の増税分が多いと云う、要するに増税です。具体的に計算したわけではないので、結局どのくらい増税になるのかは、6月の給与明細が来るまでよく分からないのですが、この話を聞いた時に朝三暮四の話が頭の中をグルングルンと駆け巡っていったものです。1月から減税になったとぬか喜びしている人いませんよね(苦笑)

19日(金)
 お正月映画なのでチョッと古いですが〈大奥〉の話でも。監督はテレビ監督を長らく務めてきた林徹、脚本は木村拓也と松たか子の〈ラブジェネ〉などを手がけた浅野妙子がテレビ版に引き続いて。主演はまるっと仲間由紀恵が絵島で、大奥第一章で家光を演じた西島秀俊が生島新五郎です。過去のヴァージョンと違って、基本的に絵島と生島のラブストーリーをメインに話が進行していきます。お正月映画なので単純明快なラブストーリーです。頭を使う必要は全くありません。

 それに加えて、大奥シリーズの見ものといえば、やはり女同士のドロドロした関係でして、浅野ゆう子が時代は違うものの再び瀧山で、お江与役の高島礼子が天英院で、春日局役の松下由樹が蓮浄院で、桂昌院役の江波杏子が最後のちょい役で顔見世等々、テレビヴァージョンを楽しんだ人達へのサービス満点の作品です。と云うよりも、テレビヴァージョンを楽しんだ人しか楽しめないつくりになっています。挿入されている音楽とかも、基本的にはテレビと同じですし、美味でございますぅもあるし、姫路城の天守閣を相変わらず使い続けているのも同じです。だから明暦の大火で燃えたっちゅーねん。。。

 まぁお正月映画だし僕はテレビ版もだいたい見ているから良しとするか(苦笑)あと、映画版で始めて登場でしたが、杉田かおるがいいですねぇ。汚い崩れた演技させたら天下一品です。怪女優の道を順調に歩んでいて何よりです。その他にも顔見世興行的に柳葉敏郎、竹中直人、木村多江、藤田まこと、火野正平、鈴木砂羽、谷原章介などなどなど、芸達者な面々がズラリと並んでいてそれだけでワクワクします。やっぱりお正月は豪華じゃないとね。

 しかし月光院役の井川遥、これが酷い。大奥の中にあって絵島の味方をする数少ない人物であり、しかも間部詮房役の及川光博と密通するという、とっても重要な役所で出番も多いのにこれがトンでもなく大根というか、棒読みというか、学芸会というか、とにかく酷い。二重顎が強調されていて興醒めなのはさて置いても、もうちょっと演技を何とかならんのかい、っと至るところで突っ込みたくなる状況でして、彼女一人にかなりイライラさせられます。完全にキャスティングミスですね。及川光博がなかなか良かっただけに、月光院に別のキャスティングをしていたら、もっと見所が増えたはずなんですけどねぇ。残念。

24日(水)
 先日は、荻野さんの学部最終講義のあとに、料亭の〈てら岡〉へ行ってきました。色んな方面から噂には聞いていたのですが、行くのは初めてでして、へぇっていう感想です。水炊きっぽい鍋だったのですが、あれが博多風の水炊きなのか、てら岡オリジナルなのかはよく分かりませんが、何も知らずに汁を飲んで、周りに呆れられてしまいました^^;;;矢田さんとか、東定さんとかも来ていて、記録資料館というか石炭研究資料センター時代のお話もなかなか新鮮でした。

 あと経済の若手の先生方と新年会で、大名にある〈魚正〉っていうお店へ、アンコウ鍋などを食べに行ってきました。アンコウ鍋はよく食べたことがあるから、食べ方も大丈夫(苦笑)ただ、最初鍋を食べているときに、ここは肝が無いのか?っと、訝しいんでいたのですが、雑炊を作る時に鍋を引き上げ、どっとアン肝が入って出されてきました。〈魚正〉オリジナルなのか、それとももしかしてこれが博多風なのか???アンコウ鍋@博多風の食べ方も怪しかったのかも・・・所変われば、色々と変わるもんですねぇ。

 話は変わりますが、来年度は全学教育(駒場の総合科目みたいなもん)に何やら狩り出される様子です。経済の教授会で最初話を聞いた時は聞き流していたのですが、比文の方でやることに。〈人格と制度〉というテーマで何かやれって云うことですが、「セイド」で変換すると、〈制度〉ではなく〈製土〉が変換されてしまうくらいなのに、いったい何をやるんだろうか。まぁ、4回(を3セット)だけで、しかも学部1年生向けっていう話なので、そんなに込み入った話をする訳にもいかず、さりとて文理ともに興味を持ちそうな話となると、いったい何があるんでしょうねぇ。そもそも〈人格と制度〉っていう大テーマのコンセプトもまだ十分には理解していないけど・・・

 1つは岡田与好の〈経済的自由主義〉や武田さんの〈談合の経済学〉あたりから、1つは労働者の人格証人要求とかのオーソドックスな話、1つは野島さんの〈徴兵制と近代日本〉、もう1つは中村さんや鈴木淳さんたちの〈遅刻の誕生〉などの時間の話等々をベースにして、何か捏ね繰り回してみようかなと思案中。。。もしかしたらどれかを岡崎さんたちの〈取引制度〉か、高村さんの〈会社の誕生〉とかに入れ替えるかもしれないけど、どうしようかなぁ。。。

29日(月)
 納豆でダイエットだとか、味噌汁でダイエットだとか、レタスで快眠だとか、馬鹿馬鹿しいあるある捏造大事典がニュースになっていますけど、捏造だったと大騒ぎをするほどに、あんなバラエティ番組の情報を信じていた人間がいたのかと、そちらの方が大きな驚きです。川口浩探検隊がアマゾンの奥地で謎の人面ンマラモに遭遇したって言うくらい、どう見ても全部捏造だろうという想像が普通は働くわけですけど、なんで皆が騒いでいるのかって言うのが全く理解出来ない。

 もしかしたら、世の中には川口浩探検隊が本当にインドネシア奥地のパンホラトット遺跡で、怪鳥ボンゲラの巣を見付けたと信じている人たちは多いんだろうか?あるある大事典で騒ぐって言う事は、世の中多くの人たちは信じているんだろうなぁ。もしかしたらその方が、長い人生を生きていくうえでは幸せなのかもしれない。納豆ダイエットとか、ザイールのリンガラ密林の巨猿とかをそもそも信じれないって言う事は、自分の心が汚くなってしまっているのかもと反省しなくてはいけないかも知れませんねぇ。

 それにしても、ニュース番組ですらある程度は疑って見た方が良いこのご時勢に、バラエティ番組が真実を伝えているなんていう錯覚は、かなり危険だと思うんですけどね。オーソン・ウェルズがラジオ番組で、火星人が襲来したと言うジョークをニュース風に流したところ、かなり多くの人たちがそれを信じてパニックになってしまったというエピソードがありますが、まさにそんな状態です。お人よしに、何でもかんでも信頼する癖って言うのは、やめた方が良いと思うんでけど・・・世の中悪意に満ち溢れていますし。

31日(水)
 シドニー・シェルダンが肺炎の合併症で亡くなりました。〈ゲームの達人〉が日本で出版されたのは、1巻本が1986年、上下巻本が1988年らしいです。有名な上下巻本で読んだ記憶が残っているのですが、中学時代なのかな高校時代なのかは忘れてしまいましたが、意外とそれ以降のシリーズには嵌っていないんですよね。結構面白かったのに、続く〈真夜中は別の顔〉を読んでいないということは、こちらが1990年出版らしいから、88年に刊行された直後に読んだのかな???2年空いているうちに興味が冷めてしまったのかも。

 しかし、訃報ニュースを見ていたら、その後も続々と翻訳が刊行されていたようで、〈ゲームの達人〉で止まっている僕としては、10代に戻ったような不思議な感覚です。まぁ、老後に暇だったら残りを読むかも。それにしても全世界で3億冊も売れたって言うのは凄いですねぇ。しかも50代から執筆活動を開始したらしいので、短期間でどれだけ読まれたか分かりますねぇ。何はともあれ、ご冥福をお祈りします。アーメン。