2011年3月

14日(月)
 東日本大震災の被害状況がゆっくりとですが明らかになってきていまして、また、福島の原子力発電所での原子炉近辺の爆発による放射能漏れという事態を耳にして、被災をした方々への心配が募るとともに、これから起こる新たな被害が少しでも減ることを祈るばかりです。亡くなられた方々の冥福を祈るとともに、阪神淡路、伊勢湾台風、戦争、関東大震災と数々の事態から立ち直った日本ですから、今回の甚大な被害からも復興できるはずだと信じているところです。

 11日のことですが、研究の都合で10年ぶりくらいに国会図書館の憲政資料室で史料調査をしようということを思いたったため、久しぶりの場所は一人だと心細いなぁっと何となく思い、嫌がるカミさんに頼み込んで憲政資料室に付いて来て貰ったのでした。研究調査としてはなかなか会心の史料が見つかってニンマリとし、そろそろ帰宅しようかなぁっと思っていたところ、そこには見知った顔が…なんと奈倉文二先生がいらしたところでして、奇遇なところでと挨拶をしたのでした。

 奈倉先生はちょっと上の売店で買い物をするから後でと出かけられてしまい、帰ろうと思っていた宮地たちは、エレベーターの前で待って帰って来た奈倉先生を捕まえ、少々お話しをと思って話し始めたところでした。そこへ、今回の大震災が襲って来まして、長い揺れを憲政資料室の前で体験したのでした。火災が発生しましたという後になって誤報だとわかる館内放送を聞き、急いで階段で1階に下りたのですが、奈倉先生は史料を請求中だというはなしでゆっくりと腰かけ、つい先日の史料調査で見つけた資料の話を始めてくれたのでした。

 宮地は気が動転してしまって、地震が気になって仕方がなかったのですが、奈倉先生の説明にカミさんが耳を傾け、二人でゆっくりと談笑しているために国会図書館からの退避がしばらく中断してしまったのでした。国会図書館から出た後は、地下鉄を始めとしてすべて止まっている状況でして、まぁ見知った地域ということもあって、4時間弱をかけてホテルまで徒歩で帰って行きました。震災時の帰宅難民という状況に、偶然遭遇してしまったのですが、周囲にも早めに仕事が終わった人たちが大量に歩いていました。色々とありましたが、今は福岡に無事に戻って来ております。

18日(金)
 福島第一原子力発電所の悲惨な状況を見ていると、初動に大失敗をしでかした東京電力と菅内閣に対して怒りがわいてきます。原子力発電所をパフォーマンスの場としようとした危機意識の無さには愕然としますが、事態が生じたことは兎も角、それが深刻化しているのは明らかに人災に属するといってよいでしょう。初動での現地視察なんていう無意味な時間が無く、適切に原子炉の破棄に向けた対応を取っていたらと思うと悔やまれるばかりです。

 国交省にいる友人や電力中央研究所にいる友人のことを、今はどんなに大変な事態に巻き込まれているんだろうかと心配するばかりですが、自分の体をいたわりつつ仕事にあたって貰いたいものです。また、東京ディズニーランドの液状化が激しいらしく、こちらもオリエンタルランドの友人が多忙を極めるであろうことが推察されて心配しています。自分の身の回りだけでもそんな感じですし、日常に戻った活動となるのにどのくらいの時間がかかるのかと思うと、色々と考えさせられます。

 ところで、福岡の糸島に〈糸島あげ〉っていうのがありまして、福岡のスーパーなどではごくごく普通に売られている厚揚げです。お豆腐の部分がかなり肉厚でして、厚揚げなんだけどお豆腐感で満ち溢れています。ここ数日寒い日が続いていた関係もありまして、カミさんに頼んでキムチ鍋を作って貰ったのですが、そこにこの重量感に満ちた糸島あげをドドドドドっと入れて貰いまして、至福の時間を過ごしたのでした。九州のお豆腐は、沖縄の島豆腐ほどではありませんが、全体的に重量感のある密度の濃いお豆腐が多いので、鍋物や豆腐ステーキなどにするには最高なんですが、厚揚げも絶品なんですよ。

28日(月)
 福島第一原子力発電所が気になりまして、被曝量とか放射能の数値とかも色々とみているのですが、その数値と政府発表やマスコミ報道をみていると違和感を感じざるを得ません。外部被曝にしろ内部被曝にしろ、大人と子どもではそれぞれの基準など全く違っているはずですが、水道水を除いてその詳細についても説明が行われていないようです。こういう中途半端な情報公開状況が、大本営発表よりはるかに酷いと言われる現在の情報公開への評価につながっているのではないでしょうか。

 詳細を丁寧に国民に対して説明し、基本的には妊婦さんや乳幼児、さらには幼年層や青少年層、それから20代・30代というように、若い世代から順番に水や食物の融通が付くようにする必要があるのではないでしょうか。石原都知事が水道水を飲んだり、麻生元首相がホウレン草を食べたりしていますが、60代や70代はそれで当面問題が無いレベルだからこそやっているのでしょう。専門家のところには詳細な年齢と許容量のデータとかあるはずですし、そういうのを正直に公開する必要があると思うのですけどね。

 福岡でも、レトルト食品だけでなくヨーグルトやソーセージをはじめとした保存がそれなりにきく食品類や、ミネラルウォーターを始めとしまして、色々と東日本に優先的に送られて品不足にはなってきています。ただ、生鮮食料品などの保存がきかない食品類は大量に供給されている状況でして、日常生活に不便を感じることは全くありません。西日本各地でも東日本に対して大量に物資を供給しているところですが、やはり限界というものがありますから、何とかして妊婦や乳幼児らから優先して放射能を浴びていない飲料品・食料品が行き渡る状況にできないものですかね。

 そんな感じで生鮮食料品しか使えないので、昨日は沖縄風すき焼きでした。ちなみにその前はナスとセロリとひき肉のカレーでしたし、更にその前はミートグラタンというようでして、食生活には全く困っておりません。この昨日の沖縄風すき焼きというのが風変わりだったのですが、沖縄ではさすがに冬といってもそれなりに暖かいので、鍋をつついて食べるという状況にはならないようです。そのため、フライパンで肉野菜炒め風に、ただし味付けをすき焼き風にしてつくるのが沖縄風すき焼きというものらしいです。上白糖ではなくキビ糖で作るのがポイントなのでしょうか、風味豊かで独特のすき焼きが出来上がりますよ。