2012年12月

6日(木)
 中村勘三郎が57歳の若さで亡くなりました。中村勘九郎っていった方が馴染みがあるように、まだ中村勘三郎の名を襲名してから7年でして、あまりにもの早い死が惜しまれます。江戸っ子らしい粋な空気をまとった役者さんでして、華があるってという語を体現しているような感じでしたね。50代、60代と、歌舞伎界だけではなく日本の演劇界全体に華を添えるはずの人材だっただけに、その喪失感というのは大きなものがあります。

 やはり30代後半にもなってくると、人生の長さというのを考え始めてくるわけでして、どうしたら長生きできるんだろうかという話はとりあえず横に置いておくとしても、生きている間に何が出来るのかなっという点に考えが及びます。今いる場所で漫然と生きていても年齢を重ねることだけは出来ますが、生きている間にこそ出来る事というのもあるわけでして、そんな事をつらつら考えたりするわけです。また、生きている人間というのは、亡くなってしまう人達が出来なかったことをも背負うでしょうし、なかなか重いもんですよね。

10日(月)
 大学の構内にDyDoの自動販売機があるのですが、こいつが喋ります。〈今日も一日お疲れさまでした〉とか、〈まいどー、昼からも頑張ってや〉とか、色々と会話をしてくれるのですが、少々気になるのがこの自動販売機って中洲とかにあったらどうなんだろうかと言うことです。多分、生活リズムが少々違っているでしょうから、夕方時に〈一日お疲れ様〉とか、明け方に〈おはようさん〉とか言われた日にはウザい事この上ないと思うのです。そういう繁華街の音声設定がどうなっているのか、無性に気になる午後なのでした。

 それはさて置き、週末は年末年始の自宅用に焼酎を買い込んでいました。色々と選んでいるうちに2斗ほどになってしまいまして、カミさんと二人なかなかなもんだと顔を見合わせたのですが、これでしばらくは酒を買わなくて済みそうです。最近、とってもお気に入りの芋焼酎がありまして、小さな酒蔵さんなので他に知られないように秘密のお酒なんですが、これを買い込んでご満悦といったところです。しかも焼酎のいいところは、美味しい酒が安いっていうことなんですよね。逆に言うと高いからといって口に合うわけではないのが、日本酒と違うところでしょうか。

 そんな年末モードに突入といったところですが、年度末に刊行される『エネルギー史研究』用に論文1本と資料紹介1本を書いたので、取り敢えずは年内のひと仕事を終えたといった感じでしょうか。年が明けたら校正に追われることになりそうです。2012年は電力の論文ばかり3本書いていたのですが、年が明けて2013年の論文も電力からとなります。陶磁器関係の資料やらも色々と集めているのでそちらの執筆をしたいなぁとか、石炭関係の題材も色々抱えていたり、農商務省関係のネタもあったりするのですが、なんだかんだで電力業ばかりを執筆している昨今なのです。。。

27日(木)
 クリスマスプレゼントにカミさんがiPadを買ってくれまして、すっかりそれに嵌ってしまっています。ゲーム機の延長くらいにしか考えていなかったのですが、ネットサーフィンに加え、コンテンツなんかもそれなりには揃っています。ネットサーフィンではまずはyoutubeでして、手軽に昔の音楽を楽しめるのは秀逸です。ノートパソコンよりも手軽なハードで音楽映像が手に入るのは感動もの。しかもちょっと前までは事務所非公式の映像ばかりだったのが、最近では公式映像もまたラインナップに並んでいまして、プロモーションビデオの映像などまで堪能できたりします。確かにこういう映像を見ていると、昔は高くて学生では買えなかったようなライブ映像とか購入したくなってしまいますよね。

 さらにカミさんがダウンロードをしてくれてお気に入りなのが料理のレシピ集です。何が食べたいか選んでくれって言われて眺めているのですが、このレシピ集の画像を眺めているだけで楽しい。画質の良さは、ちょっと前のパソコン画面なんかよりもぜんぜん上でして、パスタの一本一本の光沢までが、アスパラガスの細かい繊維までが、サーモンにはいったサシの白い脂までもが、どれもこれも鮮明に見えるのです。料理の鉄人の新バージョンは映像がクリアすぎると評判が悪いですが、料理だけを見ているならば映像の美しさはとても重要です。結局、何をリクエストしたらよいかは決まらまいままに、美しい料理画像に見とれる師走なのでした。