2019年11月

8日(金)
 首里城の火災は、僕が見学をした頃よりも収蔵品を増やしていたようで、琉球国王尚育の書だとか、当時の工芸品だとか、装束の類など、思っていたよりも被害は大きそうです。建物の復元というのも琉球文化の象徴として重要でしょうが、それと同じかそれ以上に、失われてしまった重要な文物が悔やまれます。

 同時代の工芸品とかは、まぁ類似の物は世界中探せば残っていないことも無いでしょうが、気になるのは尚家資料でして、これがモノ資料だけだったのか、文書資料も含まれていたのか、後者だと写真データは撮ってあるのかなど、色々と気が気ではありません。まだまだ被害の全容は見えてこなさそうです。

 ところで最近気付いたことなのですが、言葉で上手く伝えることが出来ない時に、人は何とかして自分の気持を伝えたいと考えます。咳払いとか、あーと声をあげるだけとか、年をとった横暴な老人の姿としてイメージされている行動がありますが、あれって言葉のない乳幼児から、上手く成長できなかった結果なのでしょう。乳幼児ならば、周りの大人がそれらパフォーマンスから色々と察して対応します。

 しかし同じ事を大人や老人がやると大問題です。幼少期に家族の中で適切な成長を遂げられなかった結果や、成長の過程で十分に自分の気持ちや考えを表現する能力を身につけなかったのでしょう。すると、何歳になっても幼児性が抜けずに、咳払いしたり、あーと声をあげたり、不満の意を表すだけで、他人に動いて貰いたいという、コミュニケーションできない困った大人が出来上がるのかと、納得いったのです。

 昔は、長男教の人たちなどが沢山いましたから、存在しているだけで素晴らしいと特別あつかいされ、乳幼児の精神性のまま大人になってしまうことが、間々あったのでしょうね。現代社会においては不審者、異常者の誕生です。そう考えると、悲しき哀れな大人って、けっこういるんだなぁっと思うのです。

11日(月)
 首里城の火災によってすっかり忘れていましたが、宮古島でのお話です。僕はもともと赤身のお魚があまり好きではないのですが、宮古島というか僕が宿泊した伊良部島は、カツオ漁で有名な場所です。そのため、スーパーで買出ししてきてホテルに戻って食事をする時に、カツオの刺身を買い込んでしまいました。イラブチャーやアカジュー(ユメウメイロ)の刺身も買ったのですが、注目はカツオです。

 なぜならば、このカツオに銀色に輝く皮が付いていたのです。カツオは足が早いので有名でして、特に皮の周りから味が急速に劣化していくため、普通はタタキのように周囲を炙って食べているんだと言う事くらいは知っています。その皮が、銀色に光り輝いているということは、かなり期待が出来るのではと思ったのでした。

 そして、カツオと刺身醤油を買い込んでホテルに戻って食べると、これが本当に美味しい。僕が知っているカツオの中で、この伊良部島のカツオは別格でした。タタキにしても、あまりカツオっていうのは食べたい魚ではなかったのですが、それは単純に足が早いだけの理由でして、本当に鮮度の良いカツオっていうのは美味しい。赤身魚があまり好きではない僕でも、この伊良部島のカツオだけはまた食べたいと思わせる一品でした。

15日(金)
 昨今話題になっている首相主催の〈桜を見る会〉っていうのは、モラルに係る問題でして、これで責任追及っていうのはなかなか難しいのではないかと思っています。一方で、〈桜を見る会〉の前日に行なわれたという〈夕食会〉ですが、こちらは会費5,000円ということと、ホテルニューオータニの代金が最低でも1人11,000円ということでして、公職選挙法をめぐる重大な問題をはらんでいます。

 菅官房長官の説明どおりに、ホテルニューオータニが5,000円でやってくれと頼めば、5,000円の宴会コースを作ってくれるのか否かというのがポイントでして、もしそれが可能ならば、今後はホテルニューオータニの宴会は5,000円が相場となる事でしょう。ホテルニューオータニが、ちょっとしたビジネスホテルの料金ということになるのか否か、興味深いところです。

 もし、交渉次第でホテルニューオータニが5,000円で宴会をやってくれるのなら、それをお願いしたいという消費者はわんさかと沸くんじゃないでしょうかね。銀座の名店の寿司も食べ放題、さらには飲み放題で1人頭5,000円だとしたら、希望者は多そうです。忘年会シーズン、ホテルニューオータニも大変なこっちゃ。

18日(月)
 桜を見る会の前夜の夕食会で、銀座の久兵衛の寿司が振舞われていたという話はフェイクニュースだったようでして、永田メール事件からの教訓もなく、民主党の後継の1つの立憲民主党は何をやっているんだろう、という感じです。ただ、久兵衛の寿司じゃなかったとしても5,000円の夕食会代っていうのは、かなり眉唾です。シャンソン歌手の生歌の費用も含め、ホテルニューオータニがこの価格でやってくれるなら、国民は皆万々歳でしょうけどね。

 ところでそんな騒ぎの一方で、沢尻エリカの合成麻薬での逮捕っていうニュースも駆けめぐっています。ピエール瀧にしろ、今年は芸能界の麻薬取締が強化されている感じですが、そんな事よりも濃姫。来年は本能寺の変に向けて駆け上っていく明智光秀が大河ドラマの主人公でして、美濃国、しかも東美濃の出身者としては濃姫役の逮捕はビッグニュースです。

 濃姫は明智氏出身の母親と斎藤道三の娘ですから、史実的には没年を含め良く分かっていない濃姫を描くのに、明智光秀との関係性っていうのはフィクションとして楽しい限りでしょう。斎藤道三を主役にするより、織田信長を主役とするより、濃姫をさらにストーリーの中心に配役出来るのが明智光秀が主役のケースでして、今回はまさにそういう状況でした。越前朝倉のもとにいた足利義昭が、織田家へと至るにも濃姫と明智光秀が絡んできそうな気がします。

 そして多分ですが、明智光秀が攻め入る本能寺に、幼馴染でもあり近縁でもある濃姫が織田信長とともに滞在しており、明智光秀はそんな濃姫をも織田信長と共に攻めることとなり、濃姫は織田信長と共に炎の中に消えていく。そんなシーンが期待されるじゃないですか。実際の歴史的な事実とは全く違ったでしょうが、大河ドラマとしてはそういう本能寺が見たい。そんな濃姫がみたい。

 そんな戦国大河ドラマの華みたいなポジションに、何故に薬物で逮捕されるような人物がキャスティングされたのやら。東濃の出身者として、そんな人物がキャスティングされたこと自体が不愉快なのです

26日(火)
 沖縄で買い溜めをしてきているヨモギ茶ですが、昨日ふと思いついたように、このヨモギ茶でアイリッシュウイスキーを割ってみたんですね。少々アルコール薄めで、軽くアイリッシュウイスキーを感じるくらいの分量でした。すると、配分の絶妙さですが、なんと梅酒のような味となったのです。これがけっこう美味しい。

 どうして、ヨモギとウイスキーで梅酒のような味になるのかは不明ですが、時々こういう絶妙な発見があって面白いものです。あまりにも感動したので、米焼酎を飲んでいたカミさんに無理やり飲ませたところ、確かに梅酒の味がするという同意も得られたので、僕の味覚が間違っている訳ではありません。ただ、人工的な梅酒の味がするといっていたので、味が気に入ったわけではなさそうでしたが。。。

29日(金)
 僕の最も古い首相就任の記憶っていうのが中曽根康弘首相です。鈴木善幸首相の就任が1980年7月で5歳のとき、中曽根首相が1982年11月で8歳のときですから、5歳の時は覚えていないのかニュースを見ていないのか、それすらも分かりませんが、とにかく首相就任で最も古い記憶の中曽根元首相がなくなりました。

 101歳。政治家というのは元気だといいますが、101歳というのはやはり凄い。すでに、竹下登、宇野宗佑、宮澤喜一、羽田孜、橋本龍太郎、小渕恵三と、中曽根後の首相経験者が6人も亡くなっていますから、やはりかなりの体力です。晩年も水泳をして健康維持をしているというニュースを目にした事がありますが、90歳を超えての水泳というのは、本当に元気でした。

 ちなみに最高齢まで生きた首相経験者は、皇籍離脱前に就任していた東久邇宮稔彦王(離脱後は東久邇稔彦となっていますが)でして、102歳。中曽根元首相はこの東久邇元首相の長寿記録を超えられるかと楽しみにしていたところでしたが、惜しまれます。御冥福を。