2008年8月8日

 4月8日に突然日本脳炎ワクチンが入荷した事は前に書いた通りです。旧型ワクチンである事は明白ですが、ひとまず生産が再開された事に安堵しました。しかし、これは本当に最後の最後!旧型ワクチン生産に必要なハツカネズミの脳細胞を用いた原料を生産する業者が廃業したため、現在の製品で永久に旧型ワクチンは姿を消すのです。現在、毎日多くの人が日本脳炎ワクチン接種を受けに来ます。この辺で、私なりの見解(とはいっても研究している訳ではないので、読んで得た知識を元にした解釈)を記しておこうと思います。なんせ毎月150人以上に接種しているのですから・・・・。
 私は規則に従い、1人1人に説明します。その内容は
1.日本脳炎ワクチン接種70万〜200万人に1人程度の割合でADEMと呼ばれる特殊な脳炎に罹る事がある、と言われている。ただしワクチンが原因だという証拠はない。一般的には予後は良い。接種後3週程度様子を見て痙攣、意識障害などの異常が無ければまず大丈夫。(本来ワクチン接種前に必要な説明はここまでで終わり。でもこれだけでは身もふたも無い。よって以下を補足説明する。)

2.こういった副反応は麻しんワクチンや三種混合ワクチンでも「脳炎」として極く稀に存在するもので、日本脳炎が特別な訳ではない。にもかかわらず、日本脳炎ワクチンだけがバッシングされるのはマウス脳を使用する事に強く反対する人達に対し厚生労働省が及び腰になっていたためであろう。本来100%安全なワクチンなど存在しないのである。ワクチン接種によって多くの人が救われるが、残念ながら極めて少数に健康被害が生じる。その時の為に救済制度が存在する。僅かなリスクすらワクチンに許さぬという方は、飛行機には乗れないし、当然、自動車等危険過ぎて乗る事は出来ない。町歩きも危険であろう。

3.そもそも「積極的勧奨の差し控え」とは著者流に訳せば、「薦めはしないが受けたい人はどうぞ御自由に!ただし説明受けて同意書書いて下さい。」という事、早い話単なる丸投げである。この勧告が平成17年5月26日にADEMの認定があった(日本脳炎ワクチン後の)僅か4日後の5月30日にあった点は問題である。つまり僅か1例の疑い症例の為に極一部の厚生労働技官が(一人という話もあるが真偽は藪の中)2日程度の期間で決めてしまった。50年の歴史を持ち、輝かしい実績を誇る「現日本脳炎ワクチン」を密室で勝手に葬ってしまったのである。勧告では、よりリスクが低いと期待されるワクチンが開発中であると記し、1年程度で実用化されるとも聞いた。しかし3年以上経った今も未発売で厚生労働省からの説明は一切無し。

4.各市町村は軒並み「中止」とか「見合わせ」などの誤った表現を用い、現場を混乱させた。しかし彼らは前述の「積極的勧奨の差し控え」という言葉の無責任さを嫌ったと筆者は予想する。つまり厚生労働省より市町村役所の方がずっと考え方が健全である。いずれにせよ、接種者が一時、平常時の30分の一にまで低下した為、マウス脳の製造業者(どういった作業をするのか知りませんが)は廃業に追い込まれたと聞く。よって今存在するワクチンはごく僅か残った原料から製造する最終ロット、つまりこれが終われば現ワクチンは永久に消滅する。

5.日本脳炎は現在国内では年数名しか発症していない。しかも殆どがワクチンを受けていないお年よりで西日本が大半。しかし16年ぶりで平成18年9月に3歳児の症例が見られた。幸い一命を取りとめたものの、右腕の麻痺が残った。これを知ってからは筆者は現ワクチンを薦める事にした。同様の判断をした医師は多い。ワクチン希望者は日増しに増えたが、平成19年7月15日の朝日新聞がワクチン中断と記し、朝刊1面トップで大きく報じた(しかも、専門家は現行ワクチンを薦めている、と締めくくっている)のをきっかけに殺到するようになった。以後当院では平成20年4月まで殆どワクチンを入手出来ない状態が続いた。

6.そして平成20年4月、ワクチンが再入荷し、ワクチンを待ちわびた人々が数多く訪れた。しかしこの空白期間に接種年齢を過ぎてしまった人への接種可否が分からない。市役所経由で県上層部に問い合わせたところ「難しい」との返事。そこで直接厚生労働省に接種の御願いをすると、けんもほろろの返答。つまり接種年齢を過ぎた人は対象外だと言われた。厚生労働省勧告のせいでワクチンが無くなり、接種時期を逃した人に何故無料接種が出来ないかと問い詰めると、「そんな事こちらの知った事か!」といった返答しか得られなかった。応答した相手の名前も記録してあるが、一々記さない。余程桝添さんと話したい!と言いたかったが、無駄だから止めた(第一話せる訳も無い)。ただし件の話はホームページに公開すると言ったら「どうぞ」との返事。これが厚生労働省の真実である。国民の健康には関心がない(麻しん風しんワクチンにも同じ事がいえる。大学生を全く無視している)。

7.日本脳炎は今でこそ年に数名しか発症していないが戦後まもなくは日本国内だけで年数千人発症していた(現在とは診断技術に差があるが)。それが昭和30年頃ワクチン接種が始まり昭和40年頃から接種者が増えると患者数は激減し、昭和50年代には年数名にまで発症者数は減少した。これはあまりにも素晴らしい成績と言うべきだ。結果的に日本脳炎患者は殆どいなくなり、殆どの人が(医者も含め)そんな病気の事を意識しなくなった。この辺の事をワクチン反対派は「下水が整備され蚊が減ったからだ。」というが如何なものであろうか?しかし世界に目を向けると今もアジア地域だけで日本脳炎は発生しており、その数は年1万人単位、その20%は死亡している。また、周知のように日本でも北海道以外の殆どの地域では豚の60〜80%にウィルスが確認されており、感染の危険はある。

8.最後に、現在厚生労働省がしたのは「蚊が狙っている!!」というポスターを作成しただけ。その中で喚起する注意事項は長袖、長ズボンを着用する、防虫薬をこまめに使用する、という事だけです。ちなみに6月以来この服装で医院に来た子供はただの1人もいません。
参照、日本脳炎啓発用ポスター(別版あり)

以上のような(多少差はありますが)内容を保護者に話しています。大体1人15分かかります。実は1.の部分だけ話せば良いのですが、それでは日本脳炎ワクチン怖いけれど仕方ない、受けるか!という気にさせてしまいます。こんな長ったらしい説明聞きたくない、という方は他所の医院をあたって下さい。

現行ワクチンは年内に無くなるでしょう。その後、(多分)春には新ワクチンが発売されると期待しますが、その時には、声を大にしてきちんとワクチンの経過措置(接種しそびれた人にも責任を持って無料接種する)を要求しましょう。

最後に、長い間日本脳炎の予防に絶大な貢献をし、それにもかかわらず疑惑をかけられたまま消えて行く現行日本脳炎ワクチンと、その製造の為犠牲になった莫大な数のハツカネズミ君達に深く感謝致します。

オリンピックの開会式をチラチラ見ながら書いたので、誤字、脱字、不適切表現があるかも知れません。後で気づいたら修正します。

2009年4月1日
 いよいよ明日で当院に在庫の日本脳炎ワクチンが期限切れになります。残ったワクチンは廃棄処分します。勿体無いですが、人に注射するものである以上仕方ないです。他の欄に記した通り、現行(旧型)ワクチンは、原料製造業者の廃業(売上極度減少のため)により製造を終了しています。という筈だったのですが、新たな製品を少数入手しました。もう何がなんだかわかりません。おまけに厚生労働省で去る2月26日に行なわれた会合では、引き続き9〜13歳にはもう殆ど無いはずの現行(旧型)ワクチンを存続させるそうです。理由は「新型ワクチンの有効性や安全性が確立していないから」だそうですが、そんな事は当然で、3〜7歳半でも同じ筈ですが、こちらは有効性も安全性も問題無いという事、一体どんな議論がなされたのでしょうか?不思議です。ついでに、供給や体制に時間がかかるから、当面、積極的勧奨の差し控えも続くそうです。役人の担当者入れ替えは短期間で行なわれると聞いていますが、本当なら、もっとじっくり担当させて、良い仕事をして欲しいと思います。今年も膨大な人数が日本脳炎ワクチンを受けずに入学していきます。打ちこぼしに対して一体彼ら(厚生労働省)はどうするつもりなのでしょうか???

2009年8月27日
 実に久しぶりに記入します。

 始めに日本脳炎ワクチンから。6月2日に新型の「乾燥細胞型日本脳炎ワクチン」が発売されました。当初は極端な品不足でしたが、現在はごく普通に入手できます。また、初めは皆さん、新型に不安を抱き、従来型を希望する方が多かったのですが、今は普通に新型を受けています。勿論短期間の事では結論できませんが、何も問題は起きていません。
 一方、蓋を開けてビックリ!なのが(例によって)厚生労働省の方針です。第1期(3歳〜7歳6ヶ月)は新型、従来型いずれも可、9歳〜13歳未満の第2期は従来型のみ可、と第2期での新型使用を認可しなかったのです。理由は「この年齢での安全性、有効性が明らかでない」という事です。第1期も同様なのに・・・・。素直に「新型は第1期優先」と言えばまだ可愛げがあるのですが(しつこいですね、僕も)。従来型は現在既に問屋在庫がないので、第2期は風前の灯火ですが、完全に無くなった時点で新型接種を可とするのは火を見るより明らかです。本当に厚生労働省の気まぐれにはあきれるばかりです。
 次に新型インフルエンザ、既に伊勢原でも流行しています。毎週のように増加していて、8月第3週の報告は144人です。変わっているのは10歳台、20歳台にかなり集中している事で、普段の季節性インフルエンザと趣を異にします。ただし重症例は聞かないし、自分も殆ど軽症例(それなりには辛そうですが)のみ診ています。行動半径の広さを根拠にする人もいますが、それだけではないような気がします(根拠はありませんが)。新学期とともに感染拡大を起こすと考えられていますが、これも始まってみなければ分かりません。それにしても新型インフルエンザのフェイントは天才的で、多くの人が鳥インフルエンザを心配する中、豚インフルエンザと報じられあっという間に広がったし、皆が少し忘れかけ、テレビが覚醒剤女優にうつつをぬかしている間に、あっという間に侵入してしまいました。
 蛇足ですが、私は民放のワイドショーを奨めません。やたらとあおるし、死者でも出ると大騒ぎします。しかし不謹慎と思われるかも知れませんが、1週間に10万人も発病すれば少しは死者がでて当たり前です(麻しんでは約1000例に1人、死者がでます)。甘く見るのは論外ですが、いたずらに不安を煽る報道(報道というほどのものか疑問)は頂けません。外来で焦る患者さんには「あなたは交番前を通って、昨日の交通事故死者1名」と書いてあったら青くなるのか?」と聞いています。
 そんなことより、6月はまだ患者数も少なかったのに様々なイベントが中止されました。今回8月はは大規模な流行が始まっているのに何も中止になりません。私はそれで構わないとは思っていますが、政府はこの対応の違いについて一言説明しておくべきではないでしょうか。イベントは自分らとは関係ないと考えているのでしょうが。発熱外来(小児科は毎日そうです)という妙なものも消え、防護服など着ていない一般病院の医者(私も含め)は毎日咳を浴びながらインフルエンザを診断していますが、特に誉められることもありません。それで一向に構わないのですが、当初の国(厚生労働省)の掛け声は一体何だったのでしょうか?疑問を通り越して絶望的な気分になります。
 新学期になったら普段通り、規則的な生活と、手洗い、咳エチケットで行きましょう(うがいはきちんとしましょう。しかしインフルエンザ予防には無効という考えが一般的)。まあそれでも他国の死者の多さは異常ですね。謙虚に成り行きを見つめるのみです。

10月11日
 新型インフルエンザは増加の一途で、外来で毎日10人近く診断します。殆どが軽症(それなりに辛いようですが)です。10歳台を中心に流行しているのが奇妙です。当初は、サークルなどで流行するのではないか、などと書かれていましたが、保育園での流行が少ない(夏休みがないにもかかわらず)事から考えても、そんな理由ではないと思います。新型インフルエンザは青少年を好むようです。この1週間で診断したインフルエンザ患者数は48人、全員A型(ということはまず新型と思われる)です。毎週倍増です。優先順位云々しているうちに蔓延し、ワクチン接種が軌道にのる頃にはピークを過ぎるのかも知れません。全く無責任な予想ですが・・・・・。ワクチン接種の目標が「死亡率の低下」というのも何ともわびしい事です。あまりにも控えめ過ぎて。マスコミは相変わらず死者が出ると見出しをつけて報じていますが、無事治癒した患者数も同時に報じて欲しいものです。尤も、誰も知らないのでしょうけれど。インフルエンザの死亡率は、日本では麻疹より遥かに低率です。ということは、タミフル、リレンザは死亡率の低下にかなり寄与しているのではないでしょうか。日本ほど抗インフルエンザ薬を多用する国はないのですから。ワクチン(季節型)を接種しながら、同時に毎日新型インフルエンザの診断を何人もするという、極めて稀有な体験をしている現状です。多分、自分の医師生活においても最初で最後の出来事だと思います。皆さんも貴重な歴史の証人です。それにつけても、ワクチンに殺到する人を見て思い出すのは、オイルショック当時のトイレットペーパー買占め騒動です。日本人の体質は変わりません。そう簡単に変わる筈もありませんが。少なくとも私には理解不能です(私は楽観主義者だからかも知れません。不快に思われたら御容赦)。

12月14日
 10月から伊勢原中の学校、幼稚園を総なめにした感のある新型インフルエンザですが、この2週間を見る限り、また各種の報告からも、やや減ってきているようです(今まさに流行している学校もありますが・・・・)。第2波が終息しつつあるのでしょうか?近いうちに流行するはずの季節型Aインフルエンザがありますから予断を許しません。それでも、既に罹った人はせいせいしているのではないでしょうか?それで良いと思いますが、手洗い、咳エチケットは続けるべきです。それと、私は専門家発言の「新型インフルエンザは全国民が感染する病気」という言葉を信じているので、逃げ回っても「なるようにしかならない」と考えますが、季節型は逃げた方が良いと思います。つまり不必要な人込みへの外出を控える(学校は仕方ないですが)事です。
 この2ヶ月、外来と日曜日のワクチン接種で、殆ど新聞テレビを見ていない自分ですが、先日(正確な日付は不明ですが)日本での死者が100人を超えた、との報道を読みました。また、別の記事で総罹患者数が1000万人を超えたとも。合わせて計算するとインフルエンザに罹った人は国民の1割近くに達し、罹った人の10万人に約1人が亡くなった事になります。どう受け取るかは人それぞれですが、私は非常に犠牲者が少ない、と解釈しています。
 もう深夜になるので中断しますが、全く関係のない話題を1つ、インフルエンザから回復して学校に行く前に病院、医院で治癒証明を受けるのが煩わしいと思っている方は極めて多いでしょう。文部科学省が「新型インフルエンザの治癒証明は不要」と号令をかけている事を御存知ですか?続きは後日、いつ書けるかもはっきりしませんが・・・・。12月21日から「1歳未満の小児の保護者等」、「小学校高学年」、「中学校3年生」、「高校3年生」への新型インフルエンザワクチンが開始される予定です。当院の外来は既に年少者の予約でいっぱいなので、一体何時接種をしたら良いものやら、頭の痛い事です。

2010年1月14日
 学校も始まり、今のところインフルエンザは小康状態です。いずれ又流行するのでしょうが、大人しくなっています。又、マスコミも飽きられた事がわかったのか、インフルエンザ関係のニュースを流さなくなりました。商品価値がなければ切り捨てる。マスコミなんて所詮はその程度のものです。ところで、神奈川は中3、高3に前倒しの優先接種をしたのは以前、トップページで述べた通りですが、浪人はあっさり無視されました。浪人諸君は、ワクチンなんぞに頼らずともインフルエンザに罹らないよう、気合を入れて頑張って下さい。私も付き合って接種していません(関係ないか)。
 苦情の連続になりますが、1月のワクチン注文をどうしようかと思っていたところ、1月8日から中学生、高校生全て接種が可能になったので、少し余分に注文(頼めば沢山入手出来るのですよ。ワクチンは足りています。念のため書いておきます。)しようかと思っていましたが、当該者からの予約が殆どないので、仕方なく、締め切りの1月6日に下方修正して注文しました。何故なら「返品不能」だからです。高価なワクチンを買いすぎて余らせたら即赤字なので、当然の選択です。ところがその後、8日の始業式で話を聞いた方たちから多くの予約が入りました。情報の伝達が上手くいっていないからこういう事になります。第一、8日に始業式、ワクチン接種開始も8日からなどとは、学生の都合を全く無視しています。冬休みの余暇をワクチン接種に充てれば、という思いやりは県や厚生労働省にはありません。重ねて、「健康成人はどうなってるんだ!社会のために働いている人達をなんだと思ってるんだ!」。65歳未満の成人はスケジュール表からは完全に無視されています。私は、保護者としていらした方が何とか接種できないかと希望された時、「なにか基礎疾患ありませんか?」とか「医療従事者ではありませんか?」等と質問し、該当項目があれば接種に応じています。当たり前です。ワクチンが不足しているわけでもないのに、善良な市民が厚生労働省のいい加減な接種スケジュールに振り回されるのは気の毒です。自分自身はワクチン接種が絶対必要とは思っていませんが・・・・。深夜の3時に酒など飲みながら書いているので本音(このページは常に本音ですが)を書いています。後で削除するかもしれません。でも多分そのままです。自分が間違っているとは思っていないので。
                                                               1月14日未明記す

2010年9月29日
 ようやく日本脳炎ワクチンが9割方、普通に接種出来るようになりました。8月27日から2期の接種が再開された事、接種もれの方へ通常接種期間において、不足回数分を接種出来るというものです。しかしおおいに問題があります。
1.8月27日からといいながら、医療期間への通達は9月3日より遅かったです。アバウトとしか表現のしようがありません。  「適当」でも「いい加減」でもありません。最悪加減です。
2.接種対象者への周知徹底が計られていない。知らない人が大勢います。外来で声をかけつづけている状態です。
3.7歳6ヶ月〜9歳、及び13歳以上が無視されたまま。こんな簡単な事すら考慮されていない。
4.具体的な接種スケジュールの雛型すら存在しない。

 ざっと思いつくだけでもこれだけの不備があります。本当に「責任者出て来い!」と言いたい御粗末さですが、逆に「日本脳炎ワクチン積極的勧奨の差し控え」という通達がいかにいい加減(悪い加減)なものであったかを示しているようです。
そういった意味では厚生労働省は実に良く出来た「反面教師」です。御見事。当時(平成17年)にこの実に馬鹿げた措置をとった課長様は一体今いずこ。何の責任も感じずのんびり暮らしているであろう事は想像つきます。

 一応最低限の決着はついた日本脳炎ワクチンの件はもう書くこともないでしょう。これからはインフルエンザワクチンシーズン。今年はワクチンは2本立てではありません。Aソ連型を除き、新型(H1N1)、A香港、Bの三価ワクチンです。暫くは外来も混雑すると思われますが、その場合、病気の方、他のワクチン接種等一般の外来を優先せざるを得ません。あしからず宜しく御協力お願いします。                                              9月29日

2010年11月17日
 やっと昨日の伊勢原市広報に日本脳炎ワクチン全面再開の記事が出ました。2ヶ月半の遅れです。何か事情があるのかも知れませんが、厚生労働省の無気力が市にも乗り移ったのか?と思えるほどの対応の遅さです。この間、私は市に対して被接種者が大勢、このワクチン再開を知らずにいることを警告してきました。伊勢原市には猛省を促します。それから未だに7歳半〜9歳、及び13歳以上は放ったまんまです。一体厚生労働省は何考えてるのでしょう。経過措置は1回でさっさと済ませるべきです。もう日本脳炎の事は書かないと言いながらまた書いてしまいました。
 文句の書きついでですが、今年のインフルエンザワクチン事情も妙な事になっています。今年のインフルエンザワクチンに新型ワクチンも含まれている事は御存知だと思いますが、あくまで「新型に対するワクチンも含むインフルエンザワクチン」正確にはH1N1、A香港、Bの混合ワクチン(Aソ連は昨年度全く流行しなかったので除かれた、いずれ消えるのでしょう)です。それを彼ら(厚生労働省)は「新型インフルエンザワクチン」と呼ばせたがっています。これでは一般の方々が昨年度と同じワクチンと思いかねません。値段にまで介入してきました。昨年の新型インフルエンザワクチンと同じ3600円(1回目)の値段を押し付け、従わないと、万一副反応がみられても救済措置が受けられないそうです。幸い伊勢原市は(上限はあるものの)値段は自由です。自治体によりますが、お隣の平塚市や私の自宅がある世田谷区は3600円に決められています。値段を統一する事自体は別に悪くないと思いますが、従来はほったらかしで、しかも医院同士が相談で値段を統一すると「談合」にあたり、法律違反だと言われていたので、いまさらの介入には納得出来ません。予診票にも介入しました。今までは製薬会社から提供されていましたが、撤廃され、厚生労働省指定の書式(しかもインターネットでダウンロードしたものをコピーして使用)を押し付けられましたが、当院は無視しています。それは、「全く無意味」だからです。小学生、中学生・・・・など細かく分けた上に、もう誰も使用していないであろう昨年度の「新型専用」ワクチンや輸入ワクチンまで選択する欄があるのです。当院は昨年までと同様の予診票をコピーしていますが、4000枚近い枚数になると機械が故障したりしないか不安です。しかも接種済み証も渡すように指示されていますが、これは母子手帳に記入すれば済む事なのでしていません。とどめは、何歳に何人接種したかの報告までさせている事です。昨年は非常時だしやむを得ないと考えましたが、今年は全く意味がありません。第一苦労して(しかも無償で)調べても何のフィードバックも無い事はまず間違いありません。虚しいはと思いつつ、僅かな余暇を半日使って計算してしたが、物凄く疲れました。全く興味の無い方にはどうでもよいことですが、一言、どうしても書いておきたいのは「厚生労働省は開業医を殺そうとしている。」という事です。殺そうとしている相手にこの程度の事を言っても良いかと思います。「厚生労働省は医療の現場を全く分かっていません。」ねぼけまなこで書いているので読みにくいかと思いますが御容赦!
                                                         2010年11月17日

  実に久しぶりですが、世の中がすっかり変わってしまいました。一瞬先は闇というしかありません。
  それはそうと、ここのところワクチンについて動きがあります。HIBや肺炎球菌ワクチンについてはほぼ安定した状態で問題無いと思われます。問題は日本脳炎ワクチンと子宮がんワクチンです。前者は接種年齢が大幅に拡大されました。後者は昨日(6月10日)から高校2年生での接種が再開されました(順次、とついているところがミソなのですが)。しかしどちらも全くといってよく厚生労働省からは広報されていません。医師会に連絡があったのも(前者の場合)開始後10日経ってからです。たまたま先日、13歳を過ぎた子が自費で日本脳炎ワクチンを受けに来たため、近いうちに経過措置があると思うから待ったほうが得策だと話し、延期しました。しかし当日は既に経過措置が始まっており、無料接種出来たのです。市役所さえも知らされていなかったのです。後者については問屋に在庫がありません。全くの見きり発車です。しかし「順次」と書いてあるのでいくらでも言い訳が効きます。日本語とはなんともあいまい言語だと思いますが、「一定のめど」といってはばからないどこかのお偉いさんと一緒です。ついでに述べると、日本脳炎ワクチンを勧める理由に新しいワクチンが開発された事をあげていますが、これは間違いです。自分たちの対策が誤りであった事を認めない厚生労働省の、いつものやり方です。久しぶりに書いてこの文句タラタラはうっとおしいかも知れませんが、こんないいかげんな事がまかり通っている事をホームページで曝露する人間が一人くらいいても良いと思います。で当の6月10日に子宮がんワクチンを受けに来た高校2年生は1人もいませんでした。
                                                     2011.06.11

2011.08.13
  暑いです!毎日の節電も仕事の一部と考えるようになりました。節電し、暑いのを我慢する事で、少しでも被災者と苦労を分かちあっている気になってもいます(自己満足ともいえます。)。エアコンは待合室のみとし、外来は扇風機だけ、扉を開けて、冷気をおすそ分けしてもらっています。待合室は涼しいので診察の約10分間、御辛抱を願っております。暑いのが大の苦手の私ですが暑さに耐えているうちに、意外な事に気づきました。体調が良いのです。特に外来が終わったときは爽快です。勿論時間毎に水分(水です)を飲んではいますが。やはり夏は汗をかくもの、という以前なら当然の事を30年ぶりに確認しました。汗をかかない程の過剰な冷房は「汗をかく能力」まで奪ってしまうのでしょうか。熱中症の増加は地球温暖化と冷房による人間の発汗能力の低下、および例によってマスコミの大騒ぎが関係ありそうです。塩分過剰摂取への警鐘も先日のテレビ「ためしてガッテン」が特集してくれてありがたかったです。普通の発汗には水だけ。激しい発汗の時は塩分も摂取、が基本です。で、私は座って外来をしながら汗かいているだけですから当然「水」です。ただし私は凍る寸前の水が大好きです。これをやると本当は良くなようですが、止められません。冷たい水が咽喉を通る快感は何物にも代え難いです。
                                                          2011.08.13記す
  今年のポリオワクチンも終わってしまいましたが、途中、某県知事の不活化ワクチン独自導入発言のためか、途中から接種者が大幅に減りました。それに対して某厚生労働大臣は「国の方針に従って欲しい」と言ったようです。私は忙しいからニュースをちらっと見ただけですが、素人同士がいい加減な事言ってるなあ、と言うのが筆者の感想。現行ワクチンを「危険」と決め付ける知事はワクチンの何たるかを分かっていないし(健康被害者には酷かも知れませんが100万人に1人の事故は容認の範囲)、事情をきちんと説明して「中国で発生していることもあるし、現在のところは現行ワクチンを接種して欲しい」とか、もう少し言い方があると思います。結局大臣と知事のいざこざを見て、保護者が影響を受けてしまったように思えます。筆者自身、不活化ワクチンへの変更に異議はありませんが、現行ワクチンをねぎらった上で(流行を止めた偉大なワクチンです、御役目ご苦労様、と変更するのが筋だと思います。
いずれにせよ、神奈川県知事の考えはおかしい、というのが私の意見です。いたずらにワクチンの危険視を助長させるような発言は慎重にするべきでしょう。
私は常々、ワクチンは飛行機(旅客機)と同じ、と外来で話しています。極めて安全性は高いが、絶対に事故が起きないわけではないと。飛行機が仮に1機墜落したからといって、翌日から全ての飛行機の運用を停止したりはしないでしょう。
                                                           2011.10.31記す
 

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