京王電鉄京王線9000系

 90年代を代表する形式として8000系の増備を行ってきたが、今後の置換対象がラッシュ時に2連を 連結する6000系であること、また更なるコストダウンを目指す必要があることから、新たな標準車という 位置付けで登場したのが9000系である。
 前述の通り6000系の代替であるため将来的には都営新宿線への乗入れも考慮した8連で登場したが、2005年 までは誘導障害などの関係から実際には車齢の若い6000系を乗入れ仕様に改造して経年の6000系を淘汰する 方式がとられたため、今のところ地上運用のみとなっている。
 また、6000系の他に7000系とも連結可能な設計として汎用性を持たせてあるが、実際に9000+7000で 運用された例は極僅かにとどまっている。
 10連で新宿線に乗入れる際は下り方に連結した2両と貫通路を形成する必要があることから、8000系とは 打って変わって貫通型となった正面は、5000系のイメージを残したというより、どことなくJR211系に通ず るデザインともいえる。また、運転台も京王初の高床式となったことも特徴である。
 ボディはステンレス製。最近の例に漏れずビートレスとなったそれは、いわゆる「日車ブロック車体」 と呼ばれるものである。ただ、8000系のダルフィニッシュ仕上と違い光沢を残したことや、幕板部に帯が 入っていないこと、ドア部分に継ぎ目があることなどから、個人的に好きではない。
 バリアフリーの一環として床面が低くなった(ホームとの段差が少なくなった)り、ドア上のLED式 情報案内装置(各車4箇所)や開閉チャイムの装備、部分的に低くなった吊り輪など各所に新機軸が見ら れるが、一方で今まで各車に装備してあった貫通扉が2両に1個所となったり、戸袋窓の省略、連結器や ヒューズ箱がどうみても再利用品といった具合に、細かいところでのコストダウンが行われている。
 クーラーは日車製の奇数編成と東急製の偶数編成で分かれていたが、第7編成以降は共通のものが採 用されている。パンタグラフはシングルアーム式を本採用。第6編成で試用されたラジオアンテナも 第7編成から本採用となった。
 2005年に都営線のATCが更新されて誘導障害の問題が解決したことから、乗り入れ対応の30番台が登場した。 このグループは10連で製造され、乗り入れだけではなく本線運用もこなすなど、幅広く使われている。
 なお、ここでの呼称・分類は私独自のものであって、正式なものではないことを予め断っておく。

 ※京王9000系における基本事項
  形式は、デハ9000(M1)、デハ9050(M2)、サハ9500(T)、サハ9550(T)、クハ9700(Tc1)、 クハ9750(Tc2)からなる。

京王9000系細部分類

京王9000系全編成紹介

京王9000系編成表

京王車両分類学

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