まだ寝てる帰ってみればもう寝てる  遠くの我が家* 10
俺の土・日は 寝だめで終わる

何時に家を出るのでしょうか。
午前6時?。5時半に起きて?。冬は深夜の様に感じられる時刻です。
朝飯はどうします?。立ち食いのそば、生卵を入れて月見にして@350円也。
それとも奥様が弁当を2個作ってくれました?。

電車に乗ると何時も同じ人が同じ処に座っている。
顔馴染だ。御互いに苦労がわかる。

どんな1日かチョット計算して見るか。
土・日は休みで週40時間労働だから、会社には9時間と少しいなければ成らない。
通勤に往復5時間掛かると、残業をしないで家を出てから帰宅するまでおよそ14時間半必要だ。
会社に着いて一息いれて仕事に着く。
終業時刻は6時で、実際に会社を出るのは6時半頃になる。
家に着くのは9時頃か。

この時刻でもう寝てる?。 
幼児ならいざ知らず、こんな時刻でもう寝て居る事は無いでしょう。
昼寝だってあるのですから。

考えて見てください。
風呂も入らなければいけないし、夕飯も立ち食いの蕎麦と言う訳にもいきますまい。
残業をしないで定時で帰って、漸く少しのくつろぎと睡眠時間が確保出来る程度の生活です。
残業・残務整理をしようものならもうだめです。
これで「良い仕事」して、世界一の工業国に一度はなったのです。

地方の工場に転勤して、かれこれ5年ぐらい経つと、
子供と女房は学校繋がりで友達が出来て方言も覚え、土地に慣れて根付いてしまう。
見つけた安い土地に少しは大きなマイホームを建てた。
ほっとした処で転勤だ。
30〜40才頃の分かれ道。

歴史の中には滅私奉公という時代があったそうだ。
「滅私」でいくか「活私」にするか。
「奉社」、「奉職」、「奉家族」どれを取るのか。
「活私奉社」単身赴任か、「滅私奉家族」安月給で通勤時間は15分か、
という程度の選択肢しかサラリーマンには無いのか。
高い給料を求めて疲れ果て、力の無い製品を作ると言う以外の道を見つけられないのか。

しかしこの分かれ道、
Y字形になっていれば、岐路に立った時にふと考えるのだろうが、
一方は直進で当座の見通しが利き、他方は直角にまがていて先が見えにくいT字形だ
つい直進して「奉社」の道を行くことになる。
結果、
家庭は単なる寝床に成って、毎日見るのは家族の寝顔。
そして土曜、日曜は自分の寝顔。
家族の付合い寝顔だけ、
となる。

サラリーマンは寝顔の美しい方と結婚すべきなのでしょうか。
長男が小学校で書いた作文に
「うちのお父さんは、バタンキューです。」
と言うのが有った事を思い出した。

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