栢孝文さんインタビューその3

少し聞きにくい質問になるんじゃが、実際にネット上には麻雀ゲームが無料で溢れていたりするわけじゃな。大手では古くからある東風荘や、ハンゲーム、くわえて日々、無数の麻雀ゲームサイトがたちあがっている。

わしらユーザーからしたら単純に無料でゲームできたら嬉しいわけじゃな。MARU-JANも選択としては広告収入に頼って、ユーザーから直接課金しない方法や、他の方法もあったかもしれん。その中で、有料の麻雀ゲームを選んだ真意はどこにあるんじゃろうか?
これはムチャクチャ答え辛い…、けれど。ん〜〜。

まぁ、当時―2001年とか2002年の頃っていうのはまさに無料の麻雀ゲームしかなくて、オンラインゲーム全般が、無料ゲームで広告収入しかないといわれていて、クリエイターの収入という意味では、やっぱり厳しい。そういう部分で、コンテンツの良さを売るというか、ポケットティッシュじゃなくて医療用ティッシュを作りたかったというか。

その為には当然有料で買ってもらえるだけの品質を出さないといけない。その品質と、もっといえば「品質へのプレッシャー」と、有料であるということを誇りにして制作したかったということであって、別に他の無料の麻雀ゲームに対してどうのということはないですね。

まぁ無料には無料の良さというものがありますが、お客様にはそういう有料ならではの品質というものを感じていただきたいと思って日々開発を行っています。
これまた実際に質問しにくい話なんじゃが、開発する側としてはよそのゲームも調査したり、プレーしたりすると思うんじゃが、どう思われてるんじゃろうか? 無料のネット麻雀が無数にある中で、MARU-JANの位置づけはどうお考えじゃろう。最近は天鳳とかFLASHでできる麻雀もあるわけじゃが、どこも基本的にやるゲームはルールに差はあれど「麻雀」で一緒なんじゃが意識したりはするのかな?
残念ながら他の麻雀ゲームは参考程度にしか見ていないというか、ほとんどやってません。むしろ本物の麻雀をたくさんやっています。それはもう地方に行ったりとか、色んな人と麻雀して…。

我々が目指しているのは「麻雀ゲーム」ではなくて「麻雀」なので、「他の麻雀ゲームよりいいものを作る」という考え方は基本的に持ってないんです。

本物の「麻雀」がライバルなので。それは例えば、全自動卓のメーカーさんと実際にそういう話をして、全自動卓の牌の混ざり具合を調べるであるとか、卓の見た目を再現するであるとか、そういうことを追求していくってことなんです。実際のところ、我々は本物の麻雀を目指してやっているので、ゲームの方向っていうか、目指している方向、どちらが上とか下とかじゃなくて、方向性が違うのかな、と思います。
東風荘にしろ、ハンゲームにしろ、あるいは天鳳や無数に立ち上がる麻雀ゲームサイトも、雰囲気も違えば、目指す場所も違ったりするもんなんじゃな。
この前に来てもらった『科学する麻雀』の著者でもある、とつげき東北さんは東風荘のデータを利用して、今まで誰もやらなかった統計学の視点から麻雀を解析する道をきり開いたんですヨ。そういった新しい動きも出てきてますネ
そうじゃな。麻雀プロ団体も各ネット麻雀と提携したりして活動したりしているし、とつげき東北君のようなネット麻雀のデータを利用して新しい麻雀のアプローチをしたりする人も出現しておる。

麻雀というゲームの面白さは普遍性があるかとは思うが、ネット・リアルを問わずに栢君自身は麻雀が向かう方向をどう見ているじゃろうか? ゲーム・ギャンブル・研究・文化と麻雀はさまざま側面があるわけじゃが、栢君自身は麻雀が向かう方向に希望するものはあるかね?
まず、オンラインゲームにしかできないことっていうのが出てきてると思います。これはまさに「とつげき東北」さんがやられてるような、いわゆる統計的なアプローチ。実際の麻雀では例えば「タンヤオの回数」とか数えてられないので、統計的なアプローチが出来るというのがやっぱり特長かと。

もう一つは、オンラインゲームなので多人数での大会、Maru-Janでいえば、毎月4週間で2万人から3万人の人が集まって参加するイベントをやっています。こういうのはオンラインならではですよね。リアルで2万人3万人の麻雀大会は現実には不可能で、そういうネットでしかできないアプローチというのは今後出てくるんじゃないかと。

Maru-Janで言えば「水曜東西戦」のように日本を東と西に分けて団体戦をやるというのも、毎週水曜日に大体3千人が参加していて、毎週水曜日に3千人集めるのはリアルでは大変なので、その辺りはネットでしかできない面白さかな、と。

麻雀っていうのは自分で遊んでいて「最高のゲーム」だと思うんで、お金を賭けるとかタバコ臭いっていうイメージがある麻雀のイメージが、「健康麻雀」っていうか、そちらの方向に向かうといいなと思います。
MARU-JANはリアルなグラフィックや細部へのこだわり、いろいろな会社との様々なタイアップ企画やイベントが売りではあると思うんじゃが、開発者の言葉として、あらためてMARU-JANの魅力について教えてもらいたいんじゃよ。
イベントの内容などを見てもらえば分かると思うんですが、いわゆるチャリティーイベントでも、その中にも必ず麻雀的なこだわりが入っています。

これはもう麻雀好きのスタッフが作っていることもあって、イベントの細かい内容とかにも、麻雀的な要素―例えば牌姿に赤が含まれていたら赤十字さんに寄付します、というような感じでやっているので、イベントの内容と麻雀の連動というのは特長としてあるかと。

もう一つはグラフィックに関してなんですが、他社では考えられないくらいのコストをかけて作っています。多分他社さんの数倍以上のコストはかけて作っている。それは「見た目のリアルさ」というか、有料ゲームならではの、ということで取り組んでやってます。

ただ「開発者の言葉として」という部分でいえば、Maru-Janの魅力というのはやっぱりリアルの麻雀の再現ということであって、私自身も麻雀をプレイしますけど、実際にMaru-Janを遊んでいると、「今日はツイてるな」と思うときもあるし、そうでないときもある。実際の麻雀ぽさというか、ゲームでない麻雀ぽさは出てるなと思うし、実際にサーバーの中で牌を混ぜているというのもあるので、自分も勝つと嬉しいし、最近あまり勝てないんですけど、勝てないと悔しい。

そういえば、震災への寄付イベントとか、ピザ屋さんとの提携イベントもやっておられたわよね。
赤十字に寄付もいいですネ。
最近、負けてるのか?
あ、最近勝てないのはMaru-Janの中に強い人が集まってきたなという印象があって、これは「打ってるお客様自身が魅力」になっているのかなと。つまり、有料であるということから「腕に覚えあり」的な人が集まってきていて、もちろん多種多様な人が遊んでくれてるんですけど、すごく―極端に強い人とかも遊んでくれていて、そういう人と同卓するとなかなか勝てないな…と。勝てたとしてもキー牌を絞られてたり、逆に強い牌を勝負されたりとか、メリハリの効いた麻雀を打つ人が増えたなと思っています。

これはつまり、お客様の打ち方というのも魅力になってきてるかな、と。これは4年間やってきているので、その辺は増してきてるかなと思います。
もう4年もやられておるんじゃな。
強い人はけっこうおるからなぁ・・・。うちのサイトで麻雀を覚えてくれた人が、その中の一人であったりしてくれると嬉しいんじゃが。
さっきのプロジェクトファイナンスの話はどうなったの?
では、クリエイター側から見た麻雀ゲームについても質問していこうか。
続くぞぃ!


栢孝文さんインタビューその4
栢孝文さんインタビューその2
栢孝文さんインタビューのトップ