エンディング

最後の質問になるのじゃが、10年に1度だけ金色に輝く黄金の麻雀牌がある。世界中の強豪、もちろん、ここにいるワシらも参加する予定じゃ。この勝負を制すれば、どんな願い事でも叶うという話なんじゃよ。今、君がこの大会を制して黄金牌に願いをかけるならば、いったい何を願うかね?

詩的ですねぇ。下衆な欲望が頭をかすめるのを抑えるのが大変です。さて、あくまでも黄金の『麻雀牌』ということなので、かなりうそ臭くなりますが、こう答えましょうか。何十年後か、自分が死を迎える直前のある夜中に、麻雀の『科学的真理』にたどり着くのです。誰も到達したことのない場所です。長かった、ついにここまできた。さぁ、今日は遅い。明日、これを発表しよう。高鳴る鼓動を感じつつ眠りにつきます。ところがそれは孤独な真理を抱えたままの永遠の眠りになるのです――そんな特権的な死を願いましょう。

真理を抱えたまま永遠の眠りについた数学者のフェルマーを思わせる発言じゃなぁ。とつげき東北批判の中の論調には「麻雀を表面的な確率でしか考えていない」「無味乾燥な無機質なものとして麻雀をとらえている」「数字ばっかりで麻雀を考えて」といったものがあるように感じるんじゃ。

極論するとそれは「麻雀に対して愛がない」風な言い方になりがちじゃが、こうやって話を聞くと、確率・統計の世界を解き明かそうとする、少しでも真理に近づこうとする情熱は、非常に神秘性を帯びた行為にも感じるなぁ…。

オレ達が「確率でいえば」「確率で考えるなら」っていう場合の「確率」と、研究者が求めるようとしてる「確率」に対する考え方には、温度差があるんだよ。

お話を聞いていると、確かにそうじゃな。
さて「とつげき東北の最終定理」を解き明かす人が現れるのは何年後になるかはわからんが、科学的なアプローチによる麻雀の研究が今後もさらに進んでいくことを祈っておるよ。本日はお忙しい中をどうもありがとう。

確率やら科学で捉えると無味乾燥になる、というのは典型的な誤解ですね。そこには日常では考えられないほどの夢がつまっています。自分に言わせれば、麻雀で100万勝っただの負けただの、夢のかけらもありません。科学的探究にこそ、夢が宿っていると言ってもいいほどです。

だって人類は科学の力で月へ行ったじゃないですか。先端のCG技術のおかげで夢のある映画が生まれているじゃないですか。『科学には夢がない』的な発想からは、断じてこういった結果は生まれないのです。『最終定理』は存在するかどうかも含めて模索していかなければいけませんけれど、とにかくひたすら突き進みますよ。『逆雀鬼』をめざします。こちらこそ、どうもありがとうございました。次回はもっと毒舌とギャグを織り交ぜたいので、また呼んでくださいね!

また機会があればお願いしたいしあらためてお礼申し上げる。

あんたの活躍を遠くから祈ってるよ。

ガンバッテクダサイ!

あらためて科学する麻雀を読まないといけませんね。 本日はありがとうございます!

ところで最新の本はなんなのかしら?

では、最後にあらためてとつげき東北君の著書をご紹介して、このインタビューを終わろう。インタビューは2007年に行われたものじゃが、現在の最新情報をお伝えしておこう。

まず最初の著作となったのが『科学する麻雀』じゃな。麻雀に大きな革命をもたらしたという点で、画期的な本であったといえるじゃろう。うちのサイトでもレビューしているので参考にしてほしい。『科学する麻雀』とつげき東北著を読む

科学する麻雀 (講談社現代新書)

発売は2004年になる。ネットで公開した戦術が出版社に注目され出版につながったという意味でもある種のサクセスストーリーかもしれんな。「科学する麻雀の以前以後」に分類されるほどターニングポイントとなった画期的な本なんじゃよ。「統計学」という従来の麻雀にない要素を取り入れているのも特徴で、一般教養書としても注目を集めたんじゃな。今でも売れ続けている。

超・入門 科学する麻雀 (洋泉社MOOK)

発売は2007年になる。前作『科学する麻雀』はちょっと一般人にはとっつきにくいようなプログラミングの話もあったので、麻雀ライターの福地誠さんが編集という形で関わったのが、この「超入門」になる。巻末の麻雀プロからの賛否両論が楽しいことになっとるし、ギャグエッセイや漫画なども挿入されてライトな感じになっとるよ。ただし現在は『おしえて!科学する麻雀』に改題され再発売されているのでコレクターでなければ次に紹介する本を購入すればいい。

おしえて!科学する麻雀

発売は2009年。先に紹介した「超入門・科学する麻雀」が改装された本なので、特にコレクターでなければ現在はこちらを入手するほうがいいじゃろう。内容も同じじゃし、入手しやすいというのもある。改装にともないじゃっかんの加筆などが行われている。「科学する麻雀」とどちらを先に読むべきかという問題については、わしの意見ではどっちでも大丈夫じゃと思う。

それから、たまに雑誌などにスポットで寄稿したり、本の解説やあとがきなど、一冊の文章にはなるほどではないが、まとまった読み物がホームページで公開されとるので読むことができる。

システマティック麻雀研究所(とつげき東北ホームページ)

それから最近はツイッターでもつぶやいておられるので、興味のある方はフォローしてみるとええじゃろう。

とつげき東北ツイッターアカウント


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