咲-saki-麻雀解説 第4話 3

さて、ネタバレもあるが、前回のドラに関する知識を踏まえた上で麻雀の解説に入っていこうかと思う。

けっこう本格的な攻防なので、どうしても説明がややこしくなっとるわな。基本的に雰囲気さえ楽しめればいいと思うので、あまりに複雑なようならば、いっきに読まずに時間をかけて読んでくれたらいいよ。

カツ丼さんこと、藤田プロは麻雀のプロみたいなので、こちらも麻雀のプロの視点を交えながらやっていくことにした。

誰?

前回から引き続き、日本プロ麻雀協会所属、『東大を出たけれど』の原作者である須田良規プロに、全体の攻防を見ていただいたうえで、ご意見を伺うことにした!麻雀の解説や分析に関しては、おそらく須田プロの右に出る人間は日本にはおらんといっても言い過ぎではない。

ちなみに、かなり無理にお願いしているので、解説いただいたことを感謝したい。

またしてもお忙しい中、本当にありがとうございますといわざるをえないです。

そういうわけで、須田プロの視点を交えながら、咲の攻防を追っていこう。少し細かい点数のやり取りがあるが、ゆっくりと読んでくれるといいと思う。

状況を整理しますと、

東家 22700

南家 咲 18500

西家 藤田 25700

北家 和 33100

ドラと。

須田良規・談

原村さんがトップ、それを3人が追いかける形で最後の場面じゃな。

ここから、どう動いていくか? という話になる。

親は知らないおっちゃん。

原村さんは安い手でもいいからあがって逃げ切りたい。

咲ちゃんは、それなりに高い点数がないとトップにならないわねー。

まず、親の知らないおっさんからリーチが入る。

あがれば、おっさんも逆転トップを狙えるんじゃろう。

原村さんは逃げ切りの体勢じゃが、カツ丼プロと、咲ちゃんに関しては、危険でも前に出ないとトップは狙えない状況といったところか。

咲は

    

のメンホンダブ南聴牌(テンパイ)に、親リーチを受けたところですね。

咲は和と14600差ですから、この手をツモるか直撃する必要があります。

当然などツモ切りでしょう。

リーチをしても脇からの出和了りは裏ドラが2枚必要なので、確かにここはダマが得策です。

須田良規・談

まずは咲ちゃん視点で見ていこう。

役の細かい説明は省略するが、今は

メンホン(3翻)+役牌(1翻)+役牌(1翻)=5翻(8000点/マンガン)の手なんじゃな。

ただし、ツモ(自分で引いてあがる)した場合は、『メンゼンツモ』という役がつくので メンホン(3翻)+役牌(1翻)+役牌(1翻)+メンゼンツモ(1翻)=6翻(12000点/ハネマン)の手になる。

この8000点、または12000点を、どこからどのような形でもらうのか? ってのが咲ちゃんにとっては課題になっとる。

以下、細かい説明をしておくが、ややこしい場合は読み流しでいいと思う。

ロンで8000点を、原村さんから直撃できた場合がベストですね。

・咲 18500点 + 8000点 = 26500点

・原村 33100点 - 8000点 = 25100点

藤田プロの「25700点」も上回るので、トップ終了ですね。

ツモで12000点だった場合も

・咲 18500点 + 12000点 = 30500点

・原村 33100点 - 3000点 = 30100点

こちらも逆転トップ可能です。

ここで仮にリーチしたとします!

メンホン(3翻)+役牌(1翻)+役牌(1翻)+リーチ(1翻)=6翻(12000点/ハネマン)

ツモでもロンでも12000点は確定しました!

しかしながら、カツ丼さん、またはおっさんからのロンだった場合は

・咲 18500点 + 12000点 = 30500点

・原村 33500点 → 変動なし = 33500点

となって、トップには届きませんねー。

現実的な咲ちゃんの選択としては「原村さんからロンであがる」もしくは「ツモで自分で引いてあがる」という、どっちかしない。

えーと、基本的にリーチをしてしまうと、誰からロンをするか? という選択ができなくなると思っていいと思う。リーチをするってことは、誰から出ても「ロン」と言わないといけない。なので、このように「ロンする相手を選ばないといけない(原村さん限定でロンしたい!)」状況では、リーチをせずにダマっているほうがいいという話じゃ。

須田プロの言う脇(藤田プロ、おっさん)からロンで逆転トップにする可能性があるとするならば、リーチをした上で、前回紹介した「リーチした場合にのみ見ることができる【裏ドラ】」に賭けるという選択がある。裏が2枚あれば、点数があがる。

メンホン(3翻)+役牌(1翻)+役牌(1翻)+リーチ(1翻)+裏ドラ(1翻)+裏ドラ(1翻)=8翻(16000点/バイマン)

16000点あれば、手持ちの18500点を足せば「34500点」で逆転トップは可能は可能じゃが・・・。

不確定な裏ドラに期待するよりは、自分のツモあがりか、原村さんからの直撃をダマで狙うほうがいいって選択じゃな。

は危ない感じがするが、前に出ないとしかたないので、捨てるしかないわな。

ぎりのリーチの一発目に宮永さんがノータイムでぎり。

たぶん、逆転の勝負手をテンパイしている。
原村さんの推測どおりじゃと思う。ノータイムとは考える時間や迷ったりの時間がないってことじゃな。

とにかく、咲ちゃんは自分でツモするか、原村さんからロンするか? のどちらかしかないってことよね。

それから、カツ丼プロの視点を見てみよう。

そして、藤田は

   

ですが、こちらは和と7400差で、リーチをしても点数が足りません。

タンヤオになる高めをツモって裏ドラ条件ですが、確率的には心許ないので、どうしてもトップが必要ならばリーチはできませんね。

須田良規・談

と待ちは3種類といい形じゃな。

ただし、役のほうが、かろうじてが出た場合のみ「数字の2~8」のみで作る「タンヤオ」がつく可能性がある。

リーチ、ツモ、タンヤオ、裏ドラ という厳しい条件で7700点になるので、こっちも「裏ドラ」という不確定な部分に頼らないといけない苦しい状況じゃろう。 この手の状況で染谷さんが「リーチかけず!?」と驚いていたが、須田プロの判断としても、ここはリーチかけない選択になるってことじゃな。

裏ドラって偶然だから、そこに賭けるよりは、自力でなんとかできる道をみんな探すのね。

それから、原村さんの視点で見ていこう。

     

他の3人と違って、トップである原村さんは、どんな安い手でもあがればゲーム終了で逃げ切れる、というアドバンテージはある。点数はいらないんじゃな。カツ丼プロや咲ちゃんにように、どうしても前に出て勝負しないといけないわけでもないともいえる。

が、しかし。咲ちゃん、カツ丼さんにまくられる危険性はあるので「ベタオリ」で完全に逃げるわけにもいかない。今回はみんなトップを狙う前提があるが、麻雀大会とかで「2着以上で予選通過」とかの条件ならば、原村さんのケースならば、勝負を捨ててベタオリでもOKじゃと思う。

はいらないので捨てたいわけじゃが、親には危なそうな牌になっとる。しかも、仮に捨ててたら、咲ちゃんに「ロン」って言われるわな。

ここで原村さんの選択としてはを捨てる。

これは親の捨て牌にあるので、いわゆる「現物」と呼ばれる安全牌じゃな。「自分の捨てた牌では絶対にロンできない」という大原則があるので、このでロンされることはない。

ただし、自分があがることを諦める「ベタオリ」ではない。

こういう危険な牌を避けつつ、自分のあがる可能性を残した打ち方を「まわし打ち」といいますね。少しあがりから遠のきますが、状況を見ながらあがりを狙うという戦法です。

カツ丼さんは、この原村さんの2枚持っている(対子/トイツ)のを狙い撃ちしてきたわよね? たぶん、もう1枚同じ牌を捨てるだろうと思って。牌の状況から「あー、2枚持っているのを捨ててきたなー」ってわかるものなの?

この状況から「相手が2枚もっているのを1枚捨ててきたなー(対子落とし/トイツオトシ)」ってのがわかるのかどうかは、これは須田プロに質問してみた。

藤田が和のトイツ落としを見抜いたことについては微妙なんですが、トイツ落としは分かるときもありますがそうでないこともあります。

和の河にもよりますが、「トイツ落としかもしれない」と期待を抱く程度の状況ですね。

須田良規・談

さて、ここからカツ丼プロの真価が発揮されるんじゃが、長くなったので次回に続けることにする。

無理せず、ゆっくりやってくださいねー。



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