初心者のための咲-saki-麻雀解説 第4話 4

ちょっと前回から更新の時間があいてしまった・・・。

が、ここからスパートをかけて、追いつこう。基本的には遅れてもいいので全話解説してみたいとおもっとる。

こっちもいろいろ事情があるんです・・・。

さて、カツ丼プロの話に戻ろう。

須田良規プロの指摘のように、あえてリーチをかけなかったのは理由があるんじゃな。

そして、藤田は

   

ですが、こちらは和と7400差で、リーチをしても点数が足りません。

タンヤオになる高めをツモって裏ドラ条件ですが、確率的には心許ないので、どうしてもトップが必要ならばリーチはできませんね。

須田良規・談

と待ちは3種類といい形じゃが、条件としては「タンヤオ(数字の2~8)」だけで作る役が完成するであがらないといけない。

プラスして、運まかせの「裏ドラ」がないのといけないのよね。

基本的にリーチをすると、あがる牌を選べないと思っていいと前回に言ったと思う。

リーチをかけた後に、こういう状況で誰かがを捨てたけど見逃して、その後でであがるというのが無理なんじゃよ。

基本的にリーチとは「もう手の変更はしません!何が出てもあがります!」という表明だと思ってもいい。だから、基本的にリーチをしてしまえば、何もできない。手に鍵をかけてしまうようなもんじゃな。

アカギという麻雀漫画の中で「リーチは天才を凡夫に変える」というセリフがあったが、まさにそんな感じ。どんな上手い人でも下手な人でも、リーチをしてしまえば、やることは一緒なんじゃよ。

リーチをかけると、裏ドラ、イッパツなどの役が期待できて点数も高くなるが、その代償もけっこう大きいと言ってもいいかもしれん。

ただし、1つだけ例外があって、リーチ後でもできることがある。それが「待ちのかわらない槓(カン/暗カン)」じゃ。

これを勉強しよう。

待ちの変らないカン(暗槓)とはですよ

   

当たり牌はですね。

ここでをツモしました。カンをします。

            カン!

この場合、待ちは変化なしですね。のままです。

これが「待ちのかわらないカン」ですねー。リーチ後にできる唯一の行動です。

待ちの変るカンってのは

   

この場合はの3つの待ちがあるわな。

ただし、をカンしてしまうと

              カン!

の待ちが消滅してしまう。こういうのが「待ちの変るカン」じゃな。

これはリーチ後には禁止されとるよ。

の場合のカンはOKじゃよ。待ちはかわんないので。

カツ丼プロはこの後、どうしたんだっけ?

カツ丼プロは

   

この状況からをツモしてをカンするわな。

えーと、こういうカンはリーチ後でもできるの?

         カン!

これならでカンした後でも待ちは変ってないわよね。

こういうのは「送りカン」といって、禁止されている場合が多い。

なんで? 待ちが変ってないならOKじゃないの?

待ちは変ってないが、手の構成が変るので禁止なんじゃと思う。

    

この場合、当たり牌はじゃよな。

ここでをツモしたから、をカンする。

           

待ちは変らずになんじゃが、いきなり「234」のサンショク(三色同順)という役が付くことになる。手の構成が変ってしまっているんじゃな。

リーチすることは、すべてを固定してしまうことを意味するので、こういう、リーチ後に役が追加されたりする行為は禁止ってことなんじゃと思う。だから、たとえ待ちが変らなくても禁止されとる。純粋に待ちも手の構成も変化ない場合のみ、リーチ後でもカンができる。

さて、カツ丼プロの状況をもう一度振り返る。

   

こういう状態で、あえてリーチしなかった。ここからは、須田プロの意見を聞いてみよう。

藤田はツモからの送りカンと。

これはもちろん藤田がダマだったからこそ可能でした。

そしてリンシャンからツモ

           ツモ

こうなるとは咲にも親にも危ないわけですから、先ほどの期待通り、咲が切ったに合わせて和のを狙うのは自然でしょうね。

            

こうして見ると意外に理に適った、麻雀漫画としては本格的な闘牌シーンだったことが分かります。それぞれの思惑が巧く絡み合った結果、藤田のプロらしい和了りが成就したと言えるでしょう。

藤田プロは最後はの待ちですね。

タンヤオ+ドラ1= 60符2翻3900点です。

これを原村さんから直撃したので

藤田 25700 +3900 →29600 +1000点(おっさんのリーチ棒) → 30600点

原村和 33100 -3900 → 29200点

逆転トップですね。いわゆる「まくり」です。

親がリーチしてるのに、カンするってことは、ドラを増やすってことでしょ? 

けっこう危ない感じねー。

これで親にあがられたら、カンドラ、さらに、カンの裏ドラまで見ることになるので、けっこう厳しいというか、捨て身の戦法かもしれんな。きわどいといえば、きわどい。

須田プロがうなるように、麻雀プロらしい計算されたあがりじゃな。カツ丼プロも実業団で「まくりの女王」って呼ばれとるぐらいじゃから、たぶん、須田プロとけっこういい勝負するんじゃないかと思う。同じぐらい強いんじゃないか。

というわけで、強い奴はいっぱいおるってことで、第5話の解説を終わっておこう。

次回予告じゃが、福地君に聞いてみたと同時に、ネットでもすでに話題になっとたが、河に卓を浮かべて打ったり、猿と麻雀したりするのは『少年雀鬼 東 』ってマンガみたいじゃな。わし、読んだことないので、どういう漫画か知らんけど。

福地さんはなんて答えてくれたの?

たぶん、わしの質問のしかたが悪かったのかもしれん・・・。

なぜか「船」という単語に切り替わっているが、麻雀雑学を披露してくれたので、紹介しておこう。

川に船浮かべてって麻雀漫画は思いつきません。最近はないんじゃないすかね。

関係ない話など。

1920年代に麻雀が上海から世界に広がり、世界的に爆発的なブームになったんですが、そのときって、まず豪華客船で広まったんですね。当時はま だジャンボジェットがない時代。客船の旅でした。上海―アメリカなど20日とかかかります。暇すぎてみんな麻雀猿に。今の天皇が客船で麻雀してる写真も麻雀博物館の倉庫に眠ってます。

つーわけで、麻雀は船の上で広まったということもできます。

麻雀漫画で川は思いつかなかったんですけど、『スーパーヅガン』では海で何度も麻雀してます。女の子を麻雀でナンパする話が多いです。

あと『むこうぶち』や『運王』では、豪華客船の上で打ってます。

あらゆる角度から強引にでも原稿かける福地先生!カッコイイ!

麻雀は別に外でやってもいいので、春先は「青空麻雀」みたいなものもありじゃと思う。



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