咲-saki-麻雀解説 第5話 1

今回のお話は、あんまり麻雀のシーンがなかったわねー。

特に解説が必要な部分もなかったように思うのじゃが、部長さんが非常に興味深い話をしとったので、そのことに触れておこう。

特訓のシーンで、原村さんには実際の牌を使った麻雀を、咲ちゃんにはネット麻雀をやらせるという話になっとったが、これは面白いかもしれんな。

そこで、今回はネット麻雀とリアル麻雀の違いについて触れておきたい。といっても、この手の話は今現在もネットではよく議論されるので、結論らしいもんはでんじゃろう。

昔から麻雀やってる人って、ネット麻雀を格下に扱うわよねー。

ネット麻雀は麻雀じゃない!まったく別物で、ただのお遊びだ! みたいな。

このあたりは、ネット麻雀のカリスマ、科学する麻雀のとつげき東北君がまとめてくれているので紹介しておこう。

ネット麻雀とリアル麻雀の違いとしてあげられているのは以下のような点じゃな。

・相手のレベルの違い

・牌のまぜ方の違い

・ルール

・お金がかかっているか

・相手の表情等が見えているか

・操作への慣れ(ネットならばマウス操作、リアルならば発声など)

とつげき東北 おしえて!科学する麻雀 より

補足すると「ルールの違い」ってのは、ネット、リアル共にやる場所で微妙に違うし、同じルールを再現すること自体は問題ないと思う。

原村さん、咲ちゃん共に問題となっておったのは「相手の表情等が見えているか」という部分で、これはマイナスにもプラスにもなりうるじゃろうな。

これは例えば「怖いおっさん」が目の前にいて、その顔色を見たりすることに、どれぐらい意味があるのか? しぐさや癖など、そういう部分を含めて麻雀とするのか? ってのは、麻雀観みたいな部分で、見解が異なるんじゃな。

麻雀とは卓上で得られる情報を駆使して戦略を練る知的で数学的なパズルゲームという言い方もできる。これがネット麻雀の考え方じゃな。そこにプラスして、相手の顔色や雰囲気や気配とか、そういう駆け引きを持ち込むのが、わりと古いリアル麻雀の考え方になると思う。

どっちが正しいってのは、答はでんじゃろう。

かつて、東風荘で伝説を残し、今もなおネット麻雀最強の呼び声もある氷室さんは、このへんに否定的ですよね。

結局、長期データとかで示された事実を、その場で会っただけの相手のちょっとした『動き』とかで変えていたら強い打ち方ができるわけないです

氷室・談

麻雀は偶然に左右される要素も大きいが、試合数を積み重ねることで、はっきりとさが出てくるんじゃな。このへんのデータが残るのが、ネット麻雀の大きな利点じゃろう。

参考までに、ネット麻雀+ツールでこんなデータが見れる。これはとつげき東北君が開発した東風荘の集計ツール「できすぎ君」の画面じゃな。

「通算したらパチンコは勝ってるよ!」とか「今月は調子いいよ!」とか、そういう表現は記憶の問題もあってあやふやじゃが、ネット麻雀の場合は詳細なデータが残るので、印象によるブレをなくすことができる。強い人と比べて、何が悪いのか?ってのが容易に比較できる。

お金がかかっているかはどうなの?

お金かかってないと本気になれない人とか、お金かかっていると強くなる人とか、いそうじゃない?

お金かかっていないと楽しくないってのは、意見としてはわからんでもない。

ただし、これは須田プロも言っていたが、もしお金がかかることで「打ち方」が変るならば、そんな麻雀はやめておいたほうがいいってことじゃな。

氷室さんも似たような意見ですね。

本来、勝ちたい負けたくないという気持ちと正着手には何の関係も無いです 

氷室・談

本人の勝ちたい気持ちや、大金を得たいって思いと、麻雀としての正解の打ち方は別物です。大金がかかっているという理由で、その場の思いつきや、ビビったりして正しい打ち方を変えてしまうならば、それはダメって話でしょう。

操作への慣れってのはどうかしら?

リアル麻雀では、ポンとかチーとか声を出さないといけないのよね。あたり前だけど。

このへんが難しいわな。

ネット麻雀のカリスマ、とつげき東北君も公開対局という形で何度かリアル麻雀の場で勝負したことがあるんじゃが、その際には「腕がプルプルした」と言っていた。非常に緊張していてネット上では「プルってる」とか「カリスマなのにダセー」とか散々な言われ方じゃった。

本人よると、多くのギャラリーに見られる中での試合の経験もなかったし、牌に長く触っていなかったという話なんで、しかたないといえばしかたない。

今回の原村さんの抱える課題も、とつげき東北君が抱える課題と非常に似ておるわな。ギャラリーの存在や、咲ちゃんの存在が、本人を迷わせているという点では共通しておる。

こういう場では、大舞台やギャラリーに見られることに慣れているプロ雀士は、さすがに場慣れしてる感じはするわな。

リアル麻雀はポンとかチーとか勝手に止まってくれないから、うっかりしてると見落としちゃうのよねー。

リアル麻雀での牌の扱い方は「牌さばき」と呼ばれて、牌の扱い方が上手いとカッコイイわな。ネット麻雀にはない要素じゃと思う。カッコイイからってなんかあるのか? ってツッコミはなしにしておこう。

youtubeで見つけたが、この方はかなり牌の扱い方が上手いわな。

ネット麻雀・リアル麻雀の違いは、とつげき東北君はゲーム性は同じじゃと言うし、天才・田中太陽プロは「硬式野球と軟式野球」の違いと言った。わしも、基本的なゲーム性は同じじゃろうとは思う。が、古い人々がネット麻雀に拒否反応を起こすのも、感情としてはわからんでもない。

今回の咲ちゃんたちの場合は、リアルの場で大会優勝する目的があるので、場になれておくことは大切じゃと思う。牌の山に手があたってチョンボになったとか、そういう勝負以外の部分で負けたりしたらいやじゃろうし。

そういうわけで今回の解説は終わり。

次回予告は?

今回は桜井章一さんという麻雀界の超有名人がモチーフになっとるわな。桜井さんは「雀鬼(じゃんき)」の異名で知られ、昔は代打ち、つまりヤクザ同士の麻雀勝負とかで代わり打つ役割や、裏のプロとして知られとった。「20年間無敗」というエピソードは有名じゃな。「無敗」ってのは、その日のトータルで負けたことがないって意味らしい。

他にも人間離れした超人的なエピソードが数多く残っておる。ただし、ネットの時代になってからは、これらのエピソードなどはさすがに「ねーよww」って感じで、ネタにされたりする傾向もあるわな。

桜井さんが提唱する独自のルールが「雀鬼流」と呼ばれるものですね。

・第1打に字牌をきることは禁止

・テンパイするまでドラをきることは禁止

・打牌はできるだけ速く行う(3秒以内)

などのルールが特徴ですね。ドラは恋人、もしくは大切な人と思いなさいと言われるぐらい「ドラ」を大切にします。いろいろ制約が多いんです!

雀鬼流 無敵の勝負論 真説ショーイチ 1 (1) (近代麻雀コミックス)

書籍も数多く出版されているほかに、Vシネマや漫画の題材になることも多い麻雀界の超有名人。-桜井章一関連書籍はこちら-

雀鬼流そのものが、麻雀を通した精神修行や自己啓発に近いものなので、桜井さんの考え方に共感する有名人、イチローやヒクソン・グレイシーといったファンも多いのじゃが、人によっては好き嫌い分かれる要素も強いので、アンチの数もけっこういるわな。

本も数多く出版しておられるし、漫画やVシネマの題材にもなっておるので、興味のある人は読んでみるといいと思う。現在は、プレイヤーとしても指導者としても第一線を退いた感じがあるが、雑誌の近代麻雀などでコラムなどを執筆しているので、読んでみるといいんじゃないかと思う。

というわけで、今回は終わり!



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