初心者のための咲-saki-麻雀解説 第7話 2

前回のネット麻雀の評価体系を補足しておきますが、最終的に何を強さの指標としているのかは、それぞれのネット麻雀でバラバラだという点でしょう。

一般的に用いられる「段位」や「R(レート)」という言葉でも、昇段・降段の基準は違います。

東風荘、天鳳、Maru-Janなどは純粋な「順位」による評価のみで、何点の得点を獲得したのかは関係ないのですが、ハンゲーム、Ron2、アーケードのMJや格闘倶楽部などは「順位+得点」で評価しているみたいです。

ハンゲームの場合はマージャンマネーという概念ですし、これが何を基準に増減するかによって目指すところも変るでしょう。

・順位による評価
・順位と得点による評価

のどちらかということか。逆にさすがに得点のみの評価はなしか・・・。順位をまったく評価しないとなると、1位になる意味がまったくなくなる。さすがにゲーム性としてはアレだろう。
評価体系によって、戦術も変るのか?
かなり変るといってもいい。

南4局のオーラス、30500点持ちのトップ状態で、安い点数でもいいのであがれれば逃げ切れる状況だとしよう。

ここでがんばれば「役満」を狙える手が舞い込んできたー!!

順位による評価のみの場合は、無理に役満狙いにいっている間に他の人にあがられてしまうぐらいならば、タンヤオのみなどの安い手でサクっとあがれば1位終了で終わり。

仮に役満を狙いにいって成功して、62500点での大勝での1位になったとしても成績評価はまったく同じになる。むしろ、役満狙ってグダグダしている間にまくられる可能性を考えれば、無駄なリスクをとっているともいえる。

反対にリアル麻雀の場合では、役満成功すれば金銭収支に直結する「得点」も手に入るし、ボーナスのご祝儀も大量に獲得できる可能性もある。これならば役満狙う価値もあるといえる。
評価体系が変れば、それにマッチした戦術も変るという話だな。

しかし! 原村和がリアル麻雀に対応できていないのは、そういう戦術の問題ではなく、環境的な要因ということだろう。そのあたりはどうか?
氷室先生は、リアル麻雀でお店の雰囲気、一緒にプレーしている人の雰囲気、あるいは、ギャラリー・観戦者の有無によって麻雀に影響が出たりすることはございますか?
例えばフリー雀荘で見知らぬ人と打ちに行ったり、仲間内でセット麻雀をやる時ですよね? 

まったくないとはいいませんが、まあほとんどないですね。ギャラリーの有無に関していえば、一般的なフリー雀荘は外野での立見・助言は禁止されていますね。
これは合図を送ったりなどのイカサマ行為につながる可能性があるので禁止されているのでしょう。今回の大会も対局者は個室で打って、外部から遮断された状況で打っています。

今回のような原村和が観戦されている状況というのは、麻雀プロは別ですが一般の人にはあまりない状況といえるでしょう。こうやって大会でもでない限りは。
リアル麻雀なら世間話程度の会話はあろう。それが原因でミスが多くなったりすることはないか? 逆にネット麻雀のほうが画面に集中できるなどは?

雰囲気で打ち方に影響が出てしまう、出てしまう方が普通かなとは思います。程度の差はあれ。僕だってまったく出ないわけではないですし。ただし、露骨に打ち方が変わってしまうかといえば、そうではない人が大多数でしょう。

雰囲気やらギャラリーの有無で麻雀に大きな影響が出るか? という点でいえば、僕はそこまで大きな影響はでませんが、よっぽどのリアル初心者など、大きな影響が出てしまう人もいるでしょうね。
ネット麻雀のカリスマ、とつげき東北がリアルで公開対局した時にギャラリーの多さで腕がプルプルしてたって話だな。
そうですね。観戦されてる時に露骨なミスしたら恥ずかしいってのは絶対あると思いますよ
最近のネット麻雀では観戦機能があるだろう? あのネトマの観戦者は気になるか?
あ、それは多少気になりますね。
リアルよりも、そっちの方が気になる?
緊張感が無いといえば嘘になりますね。観戦者が多いと。あれはモロに立見されているのと同じでしょう。ましてや、僕の場合は2ちゃんねるなどに色々と書かれた経緯があります。打ち方がどーだこーだといった。あれは大抵、観戦から書き込んでるんでしょうし。
ネット麻雀の場合は自由に観戦できるので大勢に観戦されてしまうこと、プラスして牌譜などがすべて残るので後々に隅々までチェックされたあげく2ちゃんねるに晒されて「氷室とかだたの雑魚www」とか書かれてしまうわけですなー。

リアルの場合は大会とかでなければ記録が残ることもないので、そういう意味では気楽といえましょう。
では、もう少し実際の原村和のプレースタイルを見てみようか。

最初に4,5秒悩むらしいな。
いきなり牛歩かよ。
いや、これは牛歩と呼ぶのは言いすぎ。

ちなみに牛歩とは主にネット麻雀で持ち時間いっぱいいっぱいまで考える(ふりをする)こと。確かに麻雀やっていれば悩む場面もありますが、そうではない場面で毎回長考しているフリをすると、同卓している人を非常にイライラさせてしまう。度が過ぎると2ちゃんねるにID晒されてフルボッコにされるネット麻雀の代表的なマナー違反です。

相手が打っている間に次の打牌の候補をある程度、考えておくのが普通ですな。ネット麻雀、リアル麻雀を問わずに。
今回のセリフにもあるが、最初だけ4,5秒悩んだ原村和が、いきなりスピードアップする。
早打ちでこちらのペースを乱す気か?
牌を捨てるスピードをあげることで、相手へプレッシャーかけることは可能なのか?
これは日本プロ麻雀連盟所属、フリー雀荘で1000万円ためた男として有名な宿敵・佐々木寿人がやってくることでも有名ですな。牌をツモする、牌を捨てるのスピードをあげることで、相手へプレッシャーを与えて、相手のミスを誘発させるという・・・。
スピードをあげることでプレッシャーはかけれますね。ただ、それはちょっとマナー的にどうかと思いますよ。
相手がどれだけ早く捨てようが、こっちはじっくり考えたらいいだけだろ。
なんていうか、打牌のテンポは4人のリズムがあるんで過度に早く打たれると焦らされちゃうのは間違いないですね。過度に遅い方は違反ですけど、過度に早いのは違反までは言わないかな、ただ・・・。
これはリアル麻雀特有の戦法? ネット麻雀で早い打牌されると焦る?
いえ、ネットでは全然、焦らない。

リアル麻雀で早い人が上家(かみちゃ/自分の左側に座る前の順番の人)だと、それは焦らされちゃいますねえ。遅い人が上家だと、逆にイライラしますし。けどまあ、戦法ってほどのものでもないかな。
ネット麻雀で早い打牌されると、快適でむしろ心地よいぐらいです。
あとは、少し「期待値」の話が出てくるな。
解説の藤田靖子が指摘しておりますが、麻雀のように偶然性に左右され長期的に打つことを考えた場合、期待値の考えに基づいて戦術を立てたりします。これは海外のプロのポーカープレイヤーなども同じようです。
「2回に1回もらえる1000点と、3回に1回もらえる2000点、長く戦うにはどっちを狙う?」
「2000点のほうが効率いいですね」

Aの選択:2回に1回あがれるので、あがり率(和了率/ホーラ率)は50%
Bの選択:3回に1回あがれるので、あがり率(和了率/ホーラ率)は33.3%

あがりやすさだけで見れば50%の選択をしたほうがあがりやすいです。
ただし、期待値、返ってくる点数の見込みを考慮に入れると

Aの選択:2回に1回あがれて1000点もらえる = 期待値 500点
Bの選択:3回に1回あがれて2000点もらえる = 期待値 660点

つまり、1回あたり160点ほどB選択のほうが有利になります。長く続けるほど、160点の差が積み重なっていくということでしょう。1000回ぐらいやれば理論値としては160000点ぐらい差がひらくことになる。

この考えを麻雀などに持ち込んだのが期待値による戦術です。1000試合、2000試合やることを前提としたネット麻雀では、長期の成績に影響をおよぼすとされていますが・・・。

問題はそんな計算を対局の中でいちいちやることが可能なのか?って話だろう。

氷室氏ぐらいのレベルになれば、これぐらいのことを考えるの?
いやー事細かな期待値計算なんてしませんよ(笑)

何パーセントでどーたらこーたらとかって細かい計算の事ですよねえ?
そういう計算のことでしょう。まあ、そこまでは言わずとも、「こっちのほうが長期的に見ると得だ」ぐらいの。
それは常時考えてますよ。麻雀をある程度長い目で見るってのは大事だと思いますね。
今回の原村和の選択も、実際に裏目をひいているわけだが、長い視点で見れば選択としては間違えていないということだな。

ただし、長期的な視点で見ることが「期待値」の概念を考慮に入れているかといえば、実戦の中ではさすがにそこまで計算できないってところか。
本当のデジタルは一打清算っていうか、そういう考え方みたいですけど。これは、一打一打で最適な選択があるっていうがデジタルの考え方、大局観とかは無いです。

例えば一般的なフリー雀荘の客は大多数、その試合でトップを取る事を考えて打牌してるわけです。2位3位4位や祝儀にそこまでこだわらない? こだわらないといえば嘘ですけどトップに特別な感情があります。だから一打一打がどうというよりも、その試合でトップ取れる方に重きを置いたり、もっと言うならゲーム代分の面白さがえられればそれでいいわけですよ。だから必要以上に前のめりに突っ込んでくる人も多いですね
このあたりは非常にややこしいですし、デジタルの考え方も定義があやふやなので、断言しにくいところもあります。今、この瞬間のベストな打牌を選ぶのと、長期的に見てベストな選択をするのは、同じデジタルでも、選択としては違ってくるのでしょう。
細かい計算なんてどうでもいいだんよ。勝って優勝すりゃ文句はねーんだろ。天鳳のまー娘カップを見ただろ? えらそうに能書きたれてる福地のおっさんをフルボッコにして俺は優勝してるんだよ。負けてるやつらはごたごた言うなよ。

なんだったら、俺が今からSEGAのMJに乗り込んで原村和をフルボッコにしてやるよ。タイアップしてるから対戦できんだろ?
それは根本的に問題が違う。麻雀は偶然性に左右されるので、短期の成績うんぬんでは・・・しかも、MJで対戦するのは意味あるのかどうか・・・。
ややこしい話になるので、このへんでストップしておこう。デジタル・オカルトの話になると絶対にグダグダの論争になるな。もはや麻雀業界のお約束といってもいい。

もう少し聞いてみたいが、ネット麻雀で強いけどリアル麻雀に対応できないとか、その逆のリアル麻雀での経験は長いけど、ネットで成績のこせないおっさんの存在とか、このあたりの総合的な原因で氷室氏が思いつくことはあるかな? ネット・リアル両方で好成績を残した氷室氏の視点としては。
その前に言わせてもらうが、ネット麻雀の黎明期90年代に「東風荘」が生まれた。そこから多くの麻雀サイトに派生した。接続人数の多さではハンゲームやYahooの麻雀、イベントを楽しむならMaru-JanやRon2のような有料サイトがある。

が、純粋に麻雀の強さを比べたがる強者が集うのは今のところは「天鳳」だろ。鳳凰卓なんてハイレベルな卓が生まれている。

おまえがネット麻雀「東風荘」で好成績を残したのはわかるが、2ちゃんねるの書き込みで「氷室の打ち方じゃ、今の天鳳では通用しない」とか「ネット麻雀全体のレベルが上がってきている今では、氷室のレベルではもう太刀打ちできない」とか、けっこう書かれているよな?

「氷室って存在がすでに一昔前の人」って認識だ。「ネット麻雀最強の男」って肩書きがうそ臭くなってる。だから、そもそもお前の解説はあてになるのか?って話だ。
それは氷室先生に対して言葉が過ぎる・・・。
かまわん、続けろ!
本当にいいんですか?
気にしないの 手ぶらでハリー ハリー!!

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