初心者のための咲-saki-麻雀解説 第7話 3

放送に追いつけなくて、もう誰も見てないかも・・・。
まあいいよ。

むしろ、逆に開き直って前回の続きを行う。咲の内容からは外れるが、ネット麻雀の評価体系と、今昔みたいな話だったな。いちおう、ベースとしては原村和はネットでは強いけど、実戦のリアル麻雀ではそんなに強くないってのは、ルールなどの違いじゃないかって話だったな。ルールの違いとかで、そんなに差がでるんか?って話だ。
最初にお断りしておきますが、今回の話はぜんぜん咲に関係ないことが判明しています。咲を期待してる人は読み飛ばしたほうがいいかも。麻雀全体に興味ある人は読んだほうがいいかも。

えー話をまとめますと、ネット麻雀が盛り上がったのが1990年の後半からで、舞台は「東風荘」でした。東風荘のデータを土台として、カリスマ「とつげき東北」が『科学する麻雀 (講談社現代新書) 』を発売したのが2004年です。氷室先生が活躍されていた時期も、このあたりです。
そこから、ネット麻雀はどうなっていった?
当時「東風荘」以外にも、けっこうな数の「無料」で遊べる麻雀サイトがありましたが、結果的に東風荘が生き残った形です。

接続人数でいえば、やはり「ハンゲーム」と「Yahooの麻雀」あたりがプレー人口は多いでしょう。ハンゲームはアバター機能や他のゲームも遊べるなど、YAHOOの麻雀はポータルサイトの知名度を生かして、麻雀にライトな層でも気軽に遊べる雰囲気もあって人気があります。

その中で接続人数も多く、比較的、上級者に受けがいいのが「天鳳(てんほう)」です。チャットやアバターなどの機能がなく、純粋に麻雀に集中できる環境が整っていて、かつデータ公開なども活発なので有志作成のツールなどが充実している。

結果的に天鳳は上級者好みのストイックな雰囲気もできあがり、腕を競い合う猛者どもが集う場所にもなったのです。「鳳凰卓」と呼ばれる超上級者しか入れない世界は、一種のステータスにもなっておりますー。
4,5年前の東風荘で圧倒的な強さで活躍した氷室でも、今の鳳凰卓の連中相手には通用しないって話だ。
その話の前提として、東風荘が下で、天鳳が上とかではなく、根本的な評価体系の違いがある点を抑えておく必要がある。
東風荘と天鳳ではルールとか評価体系が違うの?
ネット麻雀でよく強さの指標として用いられる「R(レート)」に関しては微妙な差はあれど同じです。Rは何点の点数で終わったか?は問題とせずに 1位、2位、3位、4位の着順によって評価されるものです。100000点で勝とうが、31000点で勝とうが評価としては同じです。

プラスして天鳳では「段位」と呼ばれる評価があります。これも順位による評価なんですが、例えば、天鳳で8段までいった場合の段位ポイント獲得ですが

1位 +60ポイント  2位 +30ポイント 3位 変動なし 4位 -100ポイント

ポイントが貯まれば昇段、ポイントが減れば降段します。注目すべきは4位になった時の失点の大きさです。天鳳の評価体系でいけば、ラス(4位)になるとめちゃめちゃ痛い・・・。

つまり天鳳で段位を維持しようと思えば、1位になることよりも、まずは4位を回避することが優先されます。いわゆる「ラス回避」と呼ばれるものです。この「ラス回避」の技術こそが、天鳳のカルチャーになっていると言ってもいいでしょう。
つまり「今の氷室じゃ天鳳では通用しない」という発言は、東風荘より天鳳の方が強い奴が集まっているという問題ではなく、東風荘時代の打ち方では、ラス回避を重視する天鳳では通用しないって意味なの?
どうなんでしょうか・・・

実際、氷室先生のご意見は?
東風荘でも僕はラス率がそんなに高いわけじゃないというか実は相当低い方なんですよね。しかも天鳳の段位重視で打つとなると、もっともっとラス回避の意識を高めて打ち方変えていくでしょう。今いきなり、通用しないとか言われてもそれは短絡的すぎるんじゃない?としか思えませんね。
ルールにあわせて打ち方を変えるぐらい、氷室氏なら余裕だろ。
まあ、確かに僕は東風荘でラス回避に特別重きを置いて打ってたわけじゃないので今の特上や鳳凰卓で強い人らよりラス回避技術が劣ってる可能性はおおいにあります。何人かの鳳凰卓レベルと喋ってる感じではやっぱ意識が全然違いますね。
それは、ラス回避に対する意識ってこと? 相当高いレベルでみんな考えているってことか?
そうですね。

イキナリ違う土台で打たされたとして瞬時に対応できる人ってのはそんなにいないんじゃないでしょうか。やっぱりある程度、ブランクおかずに打って慣れないと。

前回の最後に出た質問「ネット麻雀で強いけどリアル麻雀に対応できない、その逆のリアル麻雀での経験は長いけど、ネットで成績のこせないおっさんの存在」は、ブランクや打数の問題、やっぱさっき言った通り、ネットとリアルってルールに差があるんで打ち方は変えなきゃいけない。マウス操作やらでミスが多いのもあるのかもしれませんし、やっぱある程度打って慣れる。そうじゃないとミスが増えちゃったり緊張しちゃったりするんじゃないですかね。
プラスして、天鳳のような場になると、ラス回避のスペシャリストみたいな人がいっぱい出てくる。そうなると、どれだけ他のルールで実績があっても、さすがにいきなりトップ級の人と比べると対応できないんでしょう。

これは総合格闘技なんかでも、一昔前は柔道やレスリングの金メダリストクラスが、いきなり総合格闘技に挑戦しても、才能とベースの技術だけで勝てたのですが、総合格闘技という競技が洗練されてくると、どうしても、ベースの技術や才能だけでは勝てなくなります。

他の競技やルールでどれだけ強くても、いきなり新しいルールに挑戦しろというのが無理な話なんでしょう。ただし、慣れた時には元々強い人なんで、恐ろしく強くなる可能性は十分にあるといえるでしょう。
つまり、フリー雀荘で1000万円貯めた、ある意味で祝儀麻雀のスペシャリストである佐々木寿人も、いきなり天鳳ルールに放り込まれたら、さすがに対応しきれないだろうな。今の鳳凰卓に放り込まれたら、いきなり対応できる人のほうが少ないってことか。
ええ、僕自身は鳳凰卓で打った事はないですけどそれは想像に難くないですね。
わかったー。

どんなに上手い奴でも、慣れないルールに放り込まれたら、どうしようもないって話だな。氷室氏が鳳凰ルールで、どんな対応を見せてくれるのかってのは、今後の楽しみではあるな。
大筋としてはわかったが、1つだけ言っておく。

オレはあらゆるルールに即座に対応できる男を知ってる。
誰? そんな奴がいるの?
その男の名は、田中太陽。
麻雀プロでありながら、いきなり天鳳に乗り込んで来て、瞬く間に八段までのぼりつめたというあの男か?
むむむ・・・ 確かに。本人もあらゆる麻雀のルールを経験して来たと証言しておりますし、天鳳ルールで急激に八段まで駆け上がった点を考えても納得がいく。

おそらく祝儀麻雀では佐々木寿人には及ばぬかもしれませんし、ネットでの長期戦で氷室氏に勝てるとは思いません。しかしながら、短気決戦での適応力、瞬間の閃きにおいて、おそらく田中太陽を上回る存在は日本にいないかもしれません。まさに天才と呼ぶにふさわしいかも・・・。
けど、風の噂ではプロ団体を辞めちゃったんじゃないの?
「彼の才能を麻雀界だけが独占することができない」と言ったプロ雀士、須田良規氏の予言が的中した形となりました・・・。現在、行方不明に近い状態ですが、ライターとしての活動はされておられるようです。
笑わせる。田中太陽がプロ団体を辞めたんじゃない。プロ団体が田中太陽から切り離されたんだ。
行方不明になっているのか・・・。またいつか表舞台に出てくる時まで待つしかないな。メッセージの意味も込めて、当サイトより彼の著者「魔王 秋山成勲 二つの祖国を持つ男 (kamipro books) 」にレビューをしておけ!

標的はamazon.comだよ!
万事抜かりなく、すでに手は打っております!
まあ、アレだ。あんまり咲の話から外れるとアレなんで、話を戻そう。

実際の原村和の打牌選択を氷室氏に分析してもらうので、それは次回に続く!
いや、もう誰も見てないかも・・・

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