咲-saki-麻雀解説 第1話「出会い」 3/4

さて、アニメ版:咲-saki-の第一話のクライマックスシーンに入るなんじゃが、ちと説明がややこしい部分もあるので、ゆっくりやっていこう。

まだ見てない人は

咲-saki-解説 第一話 1

咲-saki-解説 第一話 2

を見ておくのがベターじゃろう。

れいによってネタバレしているので、まだ見てない人はご注意を

ちなみに、今回は細かく点数の変動など追ってるが、アニメ見ている時はそこまで深く見てないよ。上級者でも「点数動いてるなー」ぐらいのもんで、いちいちツッコミ入れてないはずじゃぞぃ。なので、よくわかんなくても基本的に雰囲気さえ楽しめれば大丈夫じゃ。

点数計算の細かな話になるが、どうしても麻雀初心者に伝えようとしても、いろいろと無理があることに気づいた・・・。この点数計算こそ、麻雀を敬遠させる最大の原因にもなっとるしなぁ。

まずは、クライマックスシーンでの点数状況から確認していこう。

こんな感じで最終場面ですね。

・タコスの片岡さん 32600点

・咲 24500点

・原村和 24200点 (親)

・染谷まこ 18700点

親は順番に回ってくるんじゃが、親はあがった時の点数が子の1.5倍ある。この回の親は原村さんじゃな。

ただし、子に「ツモ」された場合は、まず親が半額を支払うという決まりがあるので、親は自分があがれば点数大きいかわりに、誰かにツモされた場合の支払い額も大きくなるわけじゃよ。

ロン(誰かの捨てた牌で当たり)の場合は、当たり牌を振り込んだ人と、あがった人の間だけ点数のやり取りが行われる。まず点数の変動においてこの違いがあるのを抑えておきたい。

つまり、麻雀で一番注意が必要なのは、親への振込み(ロン)なんじゃよ。親は1.5倍の点数になってるし、振り込んだ時には全額自己負担になるわけじゃ。

プラマイゼロにするための条件

さて、ここで咲ちゃんがプラマイゼロに持っていく条件なんじゃが

先に説明したように、25000点の30000点返し、五捨六入という条件では

部長さんの説明するようにプラマイゼロにするためには

29600点 ~ 30500点 の間に持っていきゲーム終了を迎える必要がある。

今は24500点だから、あと5000点とちょっといるのね。

画面で見る咲の手はこんな感じっすねー。

わかりやすく並べ替えてみるとですよ

    

(58)であがりの形になりますね!

誰かからロンできれば5200点! 29700点なんでプラマイゼロで終了です。

この状態から、タコスの片岡さんからが出るんじゃな。

普通なら間違いなく「ロン!」なんじゃが、片岡さんと直接5200点のロンでのやり取りになると

・タコスの片岡さん 32600点 → -5200点 →  27400点

・咲 24500点 → +5200点 → 29700点(逆転トップ!)

・原村和 24200点 (親)

・染谷まこ 18700点

逆転トップになってしまうわけじゃよ。これを「まくる」と表現したりする。先に説明したように、トップはマイナスの人の分をすべてもらえるので、このまま終わると30000点基準から見ると

・タコスの片岡さん 32600点 → 27400点 (-3)

・咲 24500点 → 29700点 (+20)

・原村和 24200点 (-6)

・染谷まこ 18700点 (-11)

となってトップ賞(オカ)がついてしまうんじゃな。プラマイゼロどころではなくなる。

なのではあがらずにスルー!見逃し!

ユウキのであがれば、いっけんプラマイゼロだけど、トップになってオカがついてしまう。

部長さんの解説そのままんじゃな。

注意事項としましては、ネット麻雀なんかでは30000点返しの場合、誰も30000点に達していない場合のみ、ゲーム続行のケースも多いです。

サドンデス形式で誰かが30000点越えた時点で終了です。

ここのルールでは30000点に達していなくても、トップはトップとして扱うんようじゃな。なので、5200点をあがってしまうと、咲ちゃんがトップになってしまうわけじゃよ。トップになってしまうと、トップ賞(オカ)がつくので、プラマイゼロにならんってわけじゃな。

それから、次のシーンで原村さんから出た

「山越(やまごし)」という用語が出てくるが、長くなるの割愛しておこう。

簡単にいうと「一周した後に、一周前と同じ牌であがる」ことじゃな。

1周前にセーフだった牌が、1周した後はアウト、ロン!って感じになって「山越」で当たられると、ちょっとイラっとくるんじゃな。

詳しく知りたい人は「フリテン」「フリテン2」の項目を参照するといいじゃろう。

けど、もあがらずにスルーするのよね。

そうじゃな。この牌でもあがれない。

和(のどか)のであがると、順位は問題ないけど、マンガンになってプラマイゼロでなくなる。

まず赤いは、普通のより、役1つ分(1飜分)のボーナスが付くんじゃな。点数が高くなる。

なのでなら5200点なんじゃがだと、マンガンという点数(8000点)にパワーアップしてしまうんじゃよ。

麻雀はここから先は「満貫(マンガン)」→「跳満(ハネマン)」→「倍満(バイマン)」→「三倍満(サンバイマン)」→「役満(ヤクマン)」と点数がランクアップしていく。

つまり、ここでロンといって原村さんと咲ちゃんの間でマンガン分(8000点)やり取りがあるとじゃな

・タコスの片岡さん 32600点

・咲 24500点 → +8000点 →32500点

・原村和 24200点 → -8000点 → 16200点

・染谷まこ 18700点

今度は2位でトップじゃないので、トップ賞のオカはつかんが、30000点返しの基準でみると+2になるので、プラマイゼロではなくなってしまうわけなんじゃな。

難しいわねー、プラマイゼロにするのって・・・

原村さんからのリーチが入るっ!

さらにいやらしいことに、ここで原村さんからリーチが入る!

リーチはあがりの1つ手前になったら「あがりの1つ手前(テンパイ)になりましたよー」と相手にわざわざ教えてあげることで、見返りとして役1つ分(1飜分)の点数があがるんじゃよ。ただし、ポン・チーしてしまうとリーチできなくなるのってのは覚えておくといい。

ビンゴゲームでも、あがりの1つ前になったら「リーチ!」と宣言すると思うがあれと同じことじゃな。

注意点としてはリーチするには1000点を供託金として支払わないといけない。供託金はリーチした人があがればもちろん返ってくるが、他の人にあがられると、この供託金1000点はそのあがった人に入っていくんじゃな。

今回はこの1000点が非常にネックになっておる。

5200点あがれば済むはずじゃったが、リーチ供託金が1000点積まれたので、どんな形であれ咲ちゃんがあがってしまうと、自然と原村さんが出した供託金の1000点がくっついてくるんじゃな。

つまり、このまま5200点を咲ちゃんがあがってしまうと

・タコスの片岡さん 32600点

・咲 24500点 + 5200点 +供託金1000点 →30700点

・原村和 24200点 (親)

・染谷まこ 18700点

トップとる、とらないは別としても、どのみち五捨六入なんで、+1以上になるし、トップになろうもんなら、当然、トップ賞のオカがついて、+1じゃきかなくなる。

「これって場に1000点増えたってことですよね?」

「そう、こうなるとプラマイゼロにできるのは4100点から5000点まで。つまり70符の2飜のみ」

再び状況確認じゃが

●咲ちゃんの現在の持ち点数

24500点

●場に供託金として1000点出ているので、あがると自動的に1000点プラス

(実質 持ち点数25500点に相当)

●プラマイゼロにするための着地地点

29600点 ~ 30500点

●残り必要な点数

4100点 ~ 5000点の間であがる

めちゃめちゃ厳しいわね・・・。

何が厳しいかって、下に点数の早見表があるんじゃが、今は赤い字の「40符/3飜=5200点」を狙ってたんじゃが、今度は4100点 ~ 5000点の間を狙う必要に迫られた。

麻雀はシューティングゲームみたいに雑魚を倒して点数を100点ずつ小刻みに増やすということができないんじゃよ。ある条件を満たすと、ある点数がもらえる、という感じの点数になってるんじゃな。

見てわかるように4100点 ~ 5000点の間におさまるあがり点は青い字の「70符2飜」しかないんじゃよ。

ここをピンポイントで狙わないといけない!

「部の記録を見る限り、70符なんて1000局に1回出るかどうか」

「役満以上にレアですか・・・」

「それを2飜で作るとなると、もっと難しい」

「この私の手をかわして、40符3飜の手を70符2飜に変えられますか?」

ややこしい麻雀の点数計算

さて、麻雀の点数計算なんじゃが、少しややこしいが説明しよう!

まず麻雀の点数の大きさは、今まで覚えてきた役の大きさによって変るんじゃな。この役の大きさの単位として「飜(ファン/ハン)」というものを使う。初心者が覚えるのはまずはこっちの点数、役の大きさじゃな。

例えば、今まで出てきた

  

三色同順/サンショクドウジュン2飜

    

混一色/ホンイツ(1種類の数字牌+漢字の牌)3飜

    

タンヤオ(数字の2~8のみで作る)1飜

リーチの宣言は1飜

 赤い牌は持っていると1枚につき1飜

全部は紹介せんが、このように役に決められた飜(ファン/ハン)の大きさによってほぼ点数が決まるんじゃ。

単純に考えての項目を横に動いていくと

1飜1000点 → 2飜2000点 → 3飜(4000点)→4飜(8000点)

1飜の役を増やすごとに、点数が倍倍になっていくのが麻雀の基本的な考えなんじゃな。

難しい役を作ってあがって高得点をゲットしようぜ!というのが、麻雀の基本的なゲーム性ですね。

役は複合したりするので、どんどん重なって大きくなっていくのよね。タンピンサンショクとか!

けど、倍になってるはずなのに1000点→2000点の次は4000点じゃなくって中途半端な3900点になってるわね。何これ?

ここが初心者泣かせで麻雀を複雑にしている部分でもあるんじゃな。

ネット麻雀のカリスマ「科学する麻雀」の著者でもある、とつげき東北君も「麻雀の点数計算は無駄に複雑!」と苦言をていしておるし、初心者へハードルあげとる原因かもしれん。長い改変の歴史の中で、いろいろ複雑になってしまったんじゃな。

みんなこの早見表を暗記したしりしているんじゃよ。その際に語呂合わせで覚えたりするんじゃな。

上の表にある一番上の30符の列じゃと1000、2000、3900、7700なんで「セン、ニセン、ザンク、チッチ」という感じの語呂合わせになる。

少し前のシーンで出て来た咲ちゃんの「ピンピンロク」ってのは、親の点数で「11600点」のことなんじゃよ。正直、この暗記がめんどくさいことになっとる。

まあ基本的には子の場合は1000点を基準にして、1飜増えるごとに だいたい倍になっていくと思ってればいいんじゃよ。親の場合は1.5倍なんで1500→3000→6000→12000みたいな感じかな。

どの役が何飜なのか? ってのは「麻雀役を覚えよう」の講座や麻雀役一覧表もあるので、そちらを参照してもらえれば大丈夫じゃよ。初心者はまず、こっちの役を覚えるほうが先決じゃな。役さえ覚えていたら、8割ぐらい麻雀は楽しめるんじゃよ。

リーチは1飜、タンヤオは1飜、三色同順が2飜とか、複合した場合は合計4飜とかじゃな。

じゃあ、1000点の倍倍の計算なら6飜とかあがったら

1000点×2×2×2×2×2×2 で32000点ももらえちゃうの?

25000点しか持ってないので、さすがにどこまでも倍倍計算すると、ものすごい点数が高くなってしまうじゃろう。なんで、だいたい4飜ぐらいで、倍倍計算は頭打ちしましょう、というのが現代の麻雀なんじゃな。

その昔、昭和の賭場とかそういう世界では「青天井ルール」とかで、どこまでも倍倍計算していくやり方もあったんじゃが、さすがにドラゴンボールの戦闘力みたいなインフレ起こすので、倍倍はどこかで止めましょうとなっとる。

そのラインが4飜ぐらいなんじゃな。

飜以上の頭打ちされた点数には「マンガン」とか「ハネマン」とかのランク名がついとるよ。

点数計算表

タンヤオ(1飜)とか三色同順(2飜)とか組み合わせて、高い点数、役満を目指して点数を稼ぎましょう!ってのが麻雀なんじゃな。親は子の1.5倍の点数で、親の跳満(ハネマン)なんかは「親っパネ!(18000点)」とか言うわな。これもタコス片岡さんのセリフで出てきたと思う。

さて、ここまでわかれば麻雀の基本的な点数計算の仕組みがわかったことになるので、麻雀を楽しむことができる。初心者には、本来、ここまででOKじゃと思うのじゃが、今回は咲ちゃんのやってるすごさを解説する目的があるので、どうしても、ここから先に踏み込まないといけないわけじゃな。

正直、やってることもすごいが、やってることのすごさを説明するのも難しい。まったく麻雀知らずに来た人には、どれだけ噛み砕いて説明しても、やっぱり慣れないと難しいと思う。

ここまでやったのは点数計算の中でも「役の計算」と呼ばれる側なんじゃな。

クライマックスで咲ちゃんがやったことを説明するには点数計算でも「符の計算」を説明しないといけないわけじゃよ。この符計算が中級レベルでも「符計算は苦手だぁ~」って人は多いんじゃな。

最後の場面で咲がやったことの難しさをファースト・ガンダムに例えると、どんな感じですか?

ガンダムに例えるとじゃな・・・

出撃したスレッガー・ロウを死なないように守りながら生き延びさせて、かつ、ミライ・ヤシマとブライトさんを結婚させるぐらい。しかも正面にはカムラン検察官も迫ってますよ、ぐらいの難易度。

何いってんの?

いや、正直複雑なんで、ここから先を読んで「なんだかよくわかんない」ってなるよりは、ガンダムのたとえぐらいでいいと思うんじゃよ。点数計算はネットのゲームでは自動計算してくれるので、細かい部分はわからなくても麻雀の本質な面白さには触れることができるので、本当はここまででOKなんじゃが、あえて読みたい人はご自由にどうぞといった感じじゃよ。

なので、いちおうざっくり解説はしているが、わかんなくてもいいと思う。むしろ、1回読んだだけで理解できたら、かなり頭いい部類になるじゃろう。

符計算の説明はじめる前に「明日、晴れるかなぁ」の話を息抜き程度にしておく。

あー次回予告よね。「明日、晴れるかな?」って何?

おそらく、雀聖・阿佐田哲也さんへのオマージュじゃないでしょうか。

麻雀ライターの福地君に確認してみたんじゃが、出典は阿佐田哲也さんの麻雀小説、映画にもなっとる「麻雀放浪記 -青春編-」らしい。そこから、阿佐田さんを題材にした漫画、少年マガジンで連載されとった「哲也 雀聖と呼ばれた男」とかでも使われとるかもしれん。

モノクロの古い映画なんじゃが、これは映像も見れるぞぃ。今見てもゾクゾクするわな。咲とはまったく違う麻雀の世界が広がっておる。

麻雀放浪記(一) 青春編 哲也―雀聖と呼ばれた男 (1) (講談社漫画文庫)

阿佐田哲也著、麻雀小説の傑作として名高い。アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の麻雀シーンで、長門有希が読んでいる本が表紙から判断するに、この麻雀放浪記です。少年漫画向けにアレンジされたのが、右の「哲也-雀聖と呼ばれた男-」

配られた状態でいきなりあがってる役満「天和(てんほう)」を二人でイカサマを仕込んであがる場面での合図として、天気の話をするんじゃな。

咲の世界では自動卓つかっとるが、昔は手で山を積んでたんじゃな。だから、この時に自分の欲しい牌をあらかじめ指定の場所に積み込む「ツミコミ」というイカサマ技が横行したんじゃ。

これはワシの推測なんじゃが、「天気」の話をすると、みんな気になって空を見上げたりするじゃろう? その視線が外れたスキに卓でイカサマを仕込むって感じで「月がきれいだなー」とか、そういう会話が麻雀ではキーポイントになってたりするんじゃと思う。

なんていうか、麻雀で天気の話とかしだしたら、伝統的になんかヤバイ雰囲気なんじゃよ。

今夜は星が出てるなぁ・・・

明日はきっと天気だろう・・・

<映画-麻雀放浪記-より>

これがイカサマを仕掛ける合図になっとる。有名なシーンなんで、おそらく、このシーンへのオマージュじゃないかという話なんじゃ。

この後、最強のイカサマ技「2の2 天和」が炸裂して、30万回に1回の確率でしか出現しない天和が2回連続で出るんじゃよ。

ここでドサ健がぶっちギレですよ。

「ふざけるなー! テメー!相手を見て技やれよ」ってカッコイイ!

それを飄々と切り返す老獪な出目徳(デメトク)。

「インチキだから払えねぇってのかい?」

いやー麻雀史に残る名シーンです。

玄人(バイニン)の世界っすねー。

で、本当はここまででいいんじゃが、次回、最終シーンを本当に細かく説明する予定じゃ。興味ある人、どうしても咲の世界で何が起こっているのか確かめたいって人は見たらいいと思う。

符計算、私も苦手なんで、この機会に覚えてみようかしらねー。


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