片山まさゆきの作品
麻雀漫画の第一人者といってもいい片山まさゆき作品をご紹介しましょう。若い世代の知名度はちょっとわかりませんが、30代、40代のファンも多いです。特に麻雀の中級者や上級者にファンが多いみたいな感じがします。
あまり絵柄が好きではないんだが、そんなに人気の作家なの? そんなに面白いってこと?
まあ確かに好き嫌いがわかれる作画であるのは事実かもしれません。デフォルメされた作画で、ギャグ系の漫画を書いていたのは事実です。
片山まさゆきを評価する時に語られるのは、やはり絵柄とはかけ離れた麻雀描写の緻密さといった点でしょうか。ご本人が麻雀がかなり強い、つまり麻雀が上手い人が書いた麻雀漫画って感じで玄人うけもいいんだろうと思います。
他の麻雀漫画は麻雀部分の描写が甘いってこと?
他の漫画というか、片山まさゆき世代以前の麻雀漫画って本当に「ヤクザ」「女」「ギャンブル」みたいな、麻雀「劇画」の世界が主流だったという話です。ベタベタなアウトローの古臭い世界観に、麻雀は小道具みたいな感じで、役満あがってぎゃふん!みたいな単調さがあったわけです。
そういうところに、片山まさゆき氏らが登場した。ギャグもありながら、本当の意味での麻雀における「駆け引き」や「心理描写」を描くことで、麻雀漫画としての次のステージに進めたという点が、功績になるのではないでしょうか。
打姫オバカミーコ
ルールを覚えた初心者が読むべき本として非常に評判の良いのが、この「打姫オバカミーコ 」です。連載は竹書房発行の「近代麻雀」で、わりと短命な作品も多い片山まさゆきですが、10巻を越える長編として完結しています。上級者から初心者にすすめられる本として名前があがります。
それは麻雀がうまくなるための戦術や知識がいっぱい書いてあるってこと?
ストーリー漫画ではありますが、ストーリーの主軸が、麻雀プロになりたてのルール程度しか知らない女流プロ丘葉 未唯子(おかば みいこ)と、かつては実力者だった師匠、波溜 晴(なみだめ はる)の成長の物語なのです。
弟子に教えるという側面が、必然的に知識や戦術のレクチャーになっており、それが読者でもある初心者・中級者層の実力アップに役に立つという話です。
ノーマーク爆牌党
こちらの「ノーマーク爆牌党」も片山まさゆきの代表作といってもいいでしょう。この作品をベストにあげる人も多いですし、けっこう30代以上だとファンも見かけます。全9巻なのでわりと片山作品の中では長い部類ではないでしょうか。
これはどこのへんが面白いの?
爆岡 弾十郎という強者に挑戦するというのが物語の主軸ではありますが、やはり闘牌の緻密さなどが人気の秘密であり、玄人受けする要素になっているんだろうと思います。麻雀漫画は超能力合戦みたいな傾向がありますが、この作品では捨てた牌なども含めてロジックで説明できる風になっているということでしょう。
漫画なりの表現はありますが、現実的な世界でもありえそうだ、と思わせる感じがリアリティにつながっているんだと思います。
片山まさゆきに関するその他の作品
漫画家としての活動歴も長いので多作ではあるといえるでしょう。ただし、けっこう短期で打ち切られて単行本化されていないものもあります。麻雀漫画だけではなく、ギャンブル、ギャグ漫画なんかも描いているのが特徴でしょうか。わりと80年代~90代にヒットした作品が多いです。
目立ったものをご紹介しておく。
ぎゅわんぶらあ自己中心派
1980年代の作品であり、片山まさゆきの出世作といえる代表作品。麻雀専門誌での連載ではないため麻雀要素は控えめ。ゲーム化などもされている。
片山まさゆきの麻雀教室
麻雀漫画だけではなくルール解説の教本なども手がけている。また本人が出演した大会のDVD等で本人の姿を見ることができる。
本人によるブログ。現在は高円寺と吉祥寺に「ミスチョイス」という雀荘を経営している。そこに行けばわりと頻繁に顔を出しているらしいので、本人と打てるチャンスもあるかも。