谷岡一郎の作品

なんか「麻雀」と直接は関係ない、麻雀関係者ではないのですが、ギャンブル関係の著書が多い谷岡一郎氏もわざわざコーナーを1つ設けてご紹介したいと思います。

『ツキの法則』とか有名だよな。たしか大学教授だったか?

そのとおりです。肩書きは東大阪の八戸ノ里という地味な駅の近くにある「大阪商業大学」の学長であり、専門は社会学をされておられるようです。ギャンブルを学問的に研究されておられますし、その周辺の社会学、犯罪学、社会調査の方法などの欺瞞についても著作があり、非常に面白い本を書かれる方です。

カジノ問題への提言や社会調査などの問題を扱った著作と、ギャンブルに対する考察など著作など分類は可能です。パチンコや競馬などをされる方も、ぜひ根本的な「賭け事」に対する考え方を学ぶという意味でもおすすめしたい人物でありますな。

ツキの法則―「賭け方」と「勝敗」の科学

ロングセラーになっている人気の著作で、どれから読むか迷っている人にはぜひおすすめしたい一冊になります。統計学とか専門の知識がなくても読める作品ですし、競馬やポーカー、パチンコや麻雀も含めて「大数の法則」や「分散」といった基本的な考え方を提示されているので入門書としてもすばらしいものだと思います。『確実に早く負ける方法』なども紹介されていたり「競馬のボックス買い」や「ルーレットの1点張り」などの言及なども面白いですな。

麻雀の話はないのか?

麻雀そのものになると本の中に『ヒーロー伝説 俺は阿佐田哲也になる!』といった感じのコラムが掲載されておる。内容としては小説の中のヒーローと現実を混同してはいけないといった内容になる。ただ阿佐田氏そのものへのリスペクトも感じられる内容なので、興味がある方はご覧になってほしい。

回数が多くなれば確率が収束していく「大数の法則」や、賭けた金額に対して見込みの配当額にあたる「期待値」の話なども含めて、そういったことに興味がある方のとっかかりとしては身近な話題も多くわかりやすい。

麻雀でもパチンコでも競馬でも宝くじでもいいので、そういった賭け事を運任せにやっている人はぜひ一度読んでいただきい。きっと根本的な賭け事に対する感覚が変わると思っていいでしょう。

ツキの法則―「賭け方」と「勝敗」の科学 (PHP新書)

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ

これは直接、ギャンブルとは関係ありませんが一般的な社会調査やアンケート調査などの結果に対して、それが本当なのか? 恣意的なデータ、結果ではないのか? という隠された落とし穴を見ぬく目を養うという意味でも、非常に面白い本だと思います。ギャンブルに通じる部分もけっこう多いですな。

ちょっとわかんない。どういうことだ?

あるアンケート結果、結論を出したい時に、ある質問の仕方をすれば、最初から結論ありきのアンケートを実施できるとかですな。例えば「ご意見およせください!」みたいな募集方法で集めたアンケートは、そもそも何か言いたいことがあるから応募しているのであって、そんな意見をもって「全体の80%が不満」なんて言い方はおかしいとかです。例え話ですが。

まがいもののアンケート結果や統計調査も多いんだよな。

間違った調査方法からは、間違った結果しか生まれないだけ。間違った調査方法で1000件集めようが、10000件集めようが、その数は正しさの根拠にはなりえないという話も書いてある。非常に身近な話題や新聞の写真のチョイスにミスリードが含まれていたりとか。50%の人々が反対!って書くのと、50%の人が賛成って書くのでは、結果は同じでも受ける印象は随分と変わってしまう話など、話題も豊富なんで読んでみるといいかも。

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ

その他の谷岡一郎作品の紹介

もともと社会学を専門とされて、ギャンブル学にも精通しているということもあって、本そのものは読んでも別に麻雀がうまくなるとかの戦術とは毛色が違いますが、なかなか興味を惹くタイトルが多いのが谷岡作品の特徴といえるかもしれません。カジノがらみの本も多いです。

私もさすがに全部を読んでいるわけではありませんが、どれも内容が面白いというのと専門の知識がなくてもわかりやすい表現で身近なものを取り上げて書かれているということで、気軽に読めるけど面白いという特徴があります。

以下、面白そうなタイトルをピックアップしてみましょう。

図解 ツキの法則

最初に紹介した「ツキの法則」を大判サイズにして図を中心にまとめたもの。一時期、コンビニなどで見かけました。

確率・統計であばくギャンブルのからくり

わらゆるギャンブルの期待値、控除率など取り出して紹介する統計学の入門書的な位置づけ。なぜパチンコ屋は、たまった玉をいったん交換しろと言うのか? など興味を惹く章立てになっている。

カジノが日本にできるとき―「大人社会」の経済学 (PHP新書)

カジノ推進派でカジノ関係、ラスベガスなどを扱った作品も多いのが谷岡一郎氏の特徴。大人の視点でカジノが日本にできるとどうなるのかを解説。


Check

このエントリーをはてなブックマークに追加


このページの先頭へ