MIDI基礎知識(エフェクト編2)

MIDIについての基礎知識

MIDIについての基礎知識(エフェクト編2)

リバーブ・残響音の原理

ここは、完全に原理だけなので読み飛ばしてもいいよ

リバーブの正体

 リバーブは、元々、広い空間の複雑な音のシミュレートをするもので、エフェクターとしてのリバーブが無かった頃には、音の反射しやすいコンクリート製のエコールームにスピーカーを置いて、離れたところからマイクで拾う方法が使われていた。早い話が、「お風呂で歌うと気持ちいい」と言うエフェクトである。その後、鉄板や金箔、バネなどを使った物も登場し、現在のデジタル・リバーブに至ることになる。
 リバーブの残響音は、ディレイとは違ってとても滑らかである。しかし、実際のリバーブの成分は左の図のように3つの成分から出来ている。直接音は原音そのもので、アーリー・リフレクションは初期反射音とも呼ばれ、直接音から少し遅れてやってくる。最後に、アーリー・リフレクションに少し遅れてリバーブの本体である残響音がやってくる。
 これらを説明したのが下の図で、まずスピーカーから出た音は直接(直接音)、壁などに反射して(アーリー・リフレクション)、そして複雑に反射したリバーブ本体という到達の仕方がわかるだろう。

アーリー・リフレクション
 アーリー・リフレクションは、リバーブのキャラクターを決める重要な要素である。キャラクターには、ホール、ルーム、プレートなど有るがこれは後ほど説明するが、この設定でどんな残響音が付けられるか決まってしまうと言っても過言ではないだろう。

リバーブ本体
 リバーブ本体は、細かい反射音が高い密度で固まって連続的な残響音としてやってくる。これが、リバーブとディレイの明確な違いである。本物の残響音は、単純な部屋でも反射音が無限にあるルートを通ってやってくるので、残響音も完全に連続した形になっている。デジタル・リバーブでは、"DSP"と呼ばれる専用のICを使って可能になったそうだが、デジタルで合成しているために、どうしてもディレイの集合のようになってしまう。安いデジタル・リバーブの場合はこれがひどいので、音がざらついた感じになることもある。リバーブを購入するなら高級品を選ぼう。お金があったら。

アーリー・リフレクションのタイプ
(YAMAHAのSPX90IIの取扱説明書を参考にしています。他のメーカーでは呼び方が少し違うかもしてません)

 リバーブは、アーリー・リフレクションのパターンで、いくつかのプログラムを持っている。アーリー・リフレクションは、音場の音質を決める重要な要素で、いくつかのエコーパターンタイプが準備されている。まずは、このアーリー・リフレクション別のリバーブ・プログラムを理解し、その後マイナーな変更をパラメータで付けていこう。

ホール/HALL
 たいていのデジタル・リバーブの先頭のプログラムは、ホールと呼ばれる癖のない汎用セットだろう。アーリー・リフレクションは、左の図のような感じで、リバーブ本体部分も素直なものになっている。実際のコンサートホールは、音響特性がなるべく均一になるように設計されており、ホールのプログラムはこれをシミュレートするように作られているからである。
 広がり感が最も出せるような設定で、リバーブ本体の残響時間は長めの範囲になっているものが多い。通常、1.5秒から2秒くらいに設定して使う。癖がないため、この音色に!、というよりミックス全体にトータル・リバーブとしてよく使う。

ルーム/ROOM
 ホールとよく似ているが、アーリー・リフレクションとリバーブ本体とも詰まり気味で短いのが特徴。アーリー・リフレクションは、ホールと同じか左図のようなわざと暴れ気味にしたエコーパターンが使われている。これは、小さな四角い部屋でよく起こる常在波という現象、つまりその部屋特有のある周波数だけ強調されたり弱められたりする現象の再現しようと言うものだ。
 本体部分の残響の長さは、短く1.5秒かそれ以下に設定することが多い。

プレート/PLATE
 鉄板エコーのシミュレーションである。鉄板エコーの特徴は、リバーブの立ち上がりに癖があり、残響音がかなり滑らかだということである。アーリー・リフレクションを左図のような、立ち上がりに癖のあるのもを使う。残響音を滑らかにするのは、かなり難しいが、各社とも工夫しているようだ。
 残響が中央から左右へ広がる特徴を持っているので、ステレオ・リバーブでは、センターにモノラル・リバーブを定位させて左右に広げるという使い方もある。逆に使えば、最初に左右から残響が出て、中央に収束するといった使い方も面白いだろう。

リバース/REVERSE
 リバース・リバーブは、リバーブ本体部の減衰を通常の逆にひっくり返したもので、テープの逆回しのような特殊なエフェクトといった方が良いだろう。完全なテープの逆回しではないが、そのような雰囲気を持っている。

ゲート・リバーブ/GATE REVERB
 通常のリバーブの本体部分をあるところからいきなりカットしてしまい、響きがいきなり無くなるエフェクトである。以前はリバーブとノイズ・ゲートというエフェクトを組み合わせて作っていた。

アーリー・リフレクションのパラメータ
(YAMAHAのSPX90IIの取扱説明書を参考にしています。他のメーカーでは呼び方が少し違うかもしてません)

 アーリー・リフレクションのタイプは、音色を変えたりや音にアクセントを付けたり、また以下のパラメータと組み合わせることで低音域の増強、エコー的反射音の効果までいろいろな変化を付けることが出来る。

ROOM SIZE
 部屋の大きさを決めるパラメータ。初期反射音の間隔を広げたり狭めたりする事で、ダンボール箱から4畳半、小ホールから大ホール、武道館からドーム球場など様々な大きさの音を設定できる。最も大きい野外は?、はね返りがないので残響音はほとんどありませんね。

LIVENESS
 初期反射音の減衰特性を変化させることで、部屋の吸音特性を変化させる。一般に大きくするとライブになり、小さくするとデッドになる。

DELAY(Delay Time)
 ダイレクト音からアーリー・リフレクションの始まりまでの時間。リバーブ全体のパラメータでは、ダイレクト音からリバーブ本体の始まりまでの時間の事もある。

LPF(Low Pass Filter)
 初期反射音の高域成分をカットするフィルタのカットオフ周波数。設定した周波数より上の高域成分がカットされる。リバーブ全体のパラメータでは、リバーブ本体の高域成分をカットするフィルタのカットオフ周波数の事もある。

リバーブのパラメータ
(YAMAHAのSPX90IIの取扱説明書を参考にしています。他のメーカーでは呼び方が少し違うかもしてません)

 機種によっては、エフェクトの種類によってアーリー・リフレクションのパラメータを調節できないものもある。通常、リバーブのパラメータはこちらを指すものが多い。

REV TIME(Reverb Time)
 残響時間の長さを調節するパラメータ。

HIGH(High Frequency Reverb Time Ratio) ハイダンプ
 部屋やホールの残響は、その部屋の大きさや形、それから内装によって決まる。部屋の大きさは、リバーブタイムというパラメータで制御できるが、これは残響音が消えるまでの時間を調整するものだと考えていだろう。ただし、残響時間は音の高さ(周波数)によって一様ではない。一般的に、低い音は到達距離が長く反射しやすく、高いほど到達距離は短く反射しにくいという性質がある。また、コンクリートの部屋と畳とカーテンの部屋では反射特性が違う。コンクリートの部屋では、比較的リバーブの高音が長く残るが、畳とカーテンの部屋は全体の残響時間自体が短く、高音の残響時間も早く減衰する。この高音と低音の残響時間の違いを調整するのがハイダンプ(メーカーによって呼び方が違う)である。調整法は、説明書などで確認しよう。

DELAY(Delay Time)
 ダイレクト音からリバーブ本体の始まりまでの時間。アーリー・リフレクションのパラメータでは、ダイレクト音からアーリー・リフレクションの始まりまでの時間の事もある。

HPF(High Pass Filter)
 リバーブ音の低域成分をカットするフィルタのカットオフ周波数。設定した周波数より下の低域成分がカットされる。

LPF(Low Pass Filter)
 初期反射音の高域成分をカットするフィルタのカットオフ周波数。設定した周波数より上の高域成分がカットされる。

リバーブのフル(古)活用

リバーブのみの過激
 原音とリバーブの比率を0:100のまったくWetの状態にする。これは、昔よく使われた技だ。ノイズ系やパット系の音にはホール・リバーブ、パーカッション系の音にはアーリー・リフレクションのみを抽出したようなリバーブが効果的である。アタックが曖昧になり、余韻はリバーブ・タイムの設定値になる。
 どんな音かというと、非現実的なウニョウニョや、ヒップで過激な音が期待できる。プリセット音でちょっと物足りないとき、ステージ寸前で音を作っている時間がないとき、只遊んでいるときなんか試してみよう。

雰囲気の演出
 雰囲気(アンビエンス)も音の一部である。音は、何処かで鳴っているから音なので、それは必ず何処かつまり空間なのである。空間(音場)には、必ずアンビエンスが伴う。無響室などの特殊な空間でも、やはり空間(空気)を伴っている。雰囲気(アンビエンス)は空気の音と考えると良いかもしれないし、この時の音の特徴は、その空間の広さや壁の材質で決まる。
 このように書くと、雰囲気(アンビエンス)=リバーブであるような気になる。つまり、「部屋で鳴らしている」という地味な表現が結構はまる。
 方法は、原音にわずかのルーム・リバーブ系の短いリバーブをかけ、低音を充実させる。これでその音が甦りライブになる事が出来る。「部屋で鳴らしている感じ」の感覚を常に音に対して与えるときっと上手くいくよ。おとは、ちょっとかけすぎで、お風呂サウンドになってしまいがち。


ついでにモジュレーション系も書いておこう!!



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