8ビートだけど実は16ビート |
8ビートを叩いているのに、16ビートに聞こえる。また、バックのギターやベースが16ビートを刻んでいるのに、ドラムは延々8ビートを叩いているというような曲。テンポは四分音符=110前後のミディアム・テンポの曲が多い。サンプル曲はそう言った意味では、ちょっと違うが、適当な曲が見つからなかったので悪しからず。 |
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まずはこのデータを聞いてみてください。もうこれはこれで、Drumだけは完結しているのですが。 |
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次にこのデータを聞いてみてください。迫力のあるドッカンというSnareが表現したかったのですが、この辺が限界でしょうか。 |
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8ビートのバラードと捕らえるなら、このような感じになります。 |
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16ビート風のノリを表現してみました。このように完結している曲をいじるのは、ちょっと気が引けますが。 |
ディッビド・フォスター大先生のプロデュース、こんな曲をいじっても良いものだろうか。この様な曲のドラムの打ち込みをする場合、8ビート・バラードなのか16ビートなのかで雰囲気がガラリと変わってくる。原曲では、音の選び方と、エフェクト処理によって重厚な8ビート・パターンが刻まれているが、いろんな人に聞いて欲しいMIDIデータ、特にWeb上にのせるデータを作る場合は、音源やエフェクト処理まで指定することは難しいと思う。
重厚なSnareをどうやって作るか? 今回は、おかずのところで説明した、ゲート・リバーブ風に挑戦して見た。これまで通り、Snareの位置はジャストよりも2ステップ分後ろに下げて入力する。ベロシティは105にして、ジャストの位置にベロシティーが15、1ステップ後ろに40で音を入れておいた。このように、実音の前に聞こえ無いくらいのベロシティーから、徐々にベロシティーをあげて2〜3音入れておくと重みが出てくる。また、後ろにベロシティを下げて入れると、ディレイのような効果の出せる。ただし、Snareの位置はジャストよりもどのくらい下げるか、どの位置にどのくらいのベロシティーで音を入れるかは、実際に聞いてみて判断するしかない。
重要なのは、今作っている曲を8ビート・バラードと捕らえるのか16ビートと捕らえるのか、作者の感性の問題だろう。まず、8ビート・バラードの基本パターンに修正してみる。2拍目裏に、ベロシティーが普通の半分くらいのバスドラを入れておくが、4拍目の裏はここぞという時のために、バスドラをあえて抜いておく。Hi-Hatは、4分音符がよくわかるように、ベロシティーで強弱を付けておく。8ビート・バラードの場合は、曲の最初がリム・ショット盛り上がって後半Snareというパターンもよく使われる。この曲を、8ビート・バラードにしたデータは如何ですか。ちょっと?。
そうです。Drumは完璧な8ビートを叩いているが、実は16ビート(風)なのです。16ビート風のノリにしたデータは、ベースのラインにそって、16分音符のバスドラを低めのベロシティーで入力した。ほとんどベースとかぶっていて聞こえないと思うが、2つ目、3つ目のデータと聞き比べてみて。後は感じ方と、考え方の問題です。 |
サンプル曲紹介 |
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HARD
TO SAY I'M SORRY
/GET AWAY
Chicago
WORDS & MUSIC by PETER CETERA & DAVID FOSTER
「CHICAGO GREATEST HITS 1982-1989」
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見てわかる通りこれはベスト・アルバムで、実は1982年に発表された「ラブ・ミー・トゥモロウ(シカゴ16)」に収録されている。今回は、曲の途中をサンプルに使ったため、「こんな曲知らない」と思われる方もいるかもしれないが、一時期なんかのCMにも使われていたし、一度聞いてもらいたい、おとの好きな曲の一つである。
ギターのテリー・キャスを拳銃の暴発事故で失い、長い低迷期にあったシカゴがカムバックを果たすきっかけとなったアルバムが「シカゴ16」で、ディッビド・フォスターのプロデュースが冴えてる。この中の名曲、「HARD
TO SAY I'M SORRY/GET AWAY(素直になれなくて)」を取り上げてみた。 |