MIDI打ち込み講座

Horn Section-楽器の構成編

Horn Sectionで使用される楽器紹介
Trumpet
 円筒形のベルを持つ吹奏楽器で、その素材は主に真鍮(brass)またはそれに近い金属で作られている。一般的には、表面にラッカーをコーティングしているが、現在の楽器はシルバーやゴールドをコーティングした物が主流になっている。楽器の中央部にピストンと呼ばれるバルブが付いており、これによって管の長さを変えて音程を調節することが出来る。このピストンは、1音、半音、1音半の音程の調節機能を持っている。これらの組み合わせと解放ポジションによって様々な音程で演奏することが出来る。他にピストンではなくロータリー(と呼ぶのだったかな)の物や、バルブが4つ有る物も見たことがあるが、どうなっているのかはよくわからない。
 演奏方法の基本は、呼吸法である。これは吹奏楽器全般に言えることで、ほっぺを膨らませて如何にも吹いていますと表現している有名な演奏家も、実際には声楽と同じように腹式呼吸をして喉を広くあけ、息のスピードを早くして音を作っている。こうすることで、豊かな厚みのある音質になる。これと、マウスピースと呼ばれる吹き込み口で音を作る。いや、吹き込み口は音の作りやすい形状をしているだけで、実際は唇の振動によって音は作られているのだ。唇を締めて「ブー」が音の元である。そのときの唇の形とか、楽器奏者に教えてもらったが、ここにはうまく書けない。「ニー」と笑ったような唇にして「ブー」じゃなくて「ぱー」・・・。YAMAHAのVL音源では、マウスピースに人の唇を押しつけて、息の力で振るわせることによって音を出すLip ReedのDRIVERを使用する。余談。
 非常に華やかな音色を持っており、音域は実音でE2(52)〜B♭5(82)である。しかし、練習次第でそれより低い音や高い音が出せるようで、前述したほっぺの人は、教則本には載っていない高い音が好きなようだ。バンドなどで演奏する場合、実際にトランペットを吹いてもらう場合以外、つまりシンセ等で出す場合は音域は守った方が良いと思う。Trumpetらしい音が欲しいときは。
 トランペットは、3つのバルブで手前から半音、1音、1音半の倍音列を下げる働きをするが、完璧に半音下がるわけではない。また、ピアノのような平均律からのズレが大きいところがあるそうで、唇などで調整して吹いている。従って、細かいフレーズではピッチをあわせることが難しくズレを生じる。
 Horn Sectionの一つの楽器として使う場合は、それほど慎重になることはないが、ソロでトランペットの音を表現したい場合は、少し慎重すぎる方が良いと思う。絶対、音域は守るべきだし、出来ればピッチの不安定な部分も表現で来れば良いんだけど。
楽譜 トランペットのC〔ド)はB♭(シのフラット)である。トランペット用に書かれたの楽譜で打ち込む場合は、一音下げて打ち込むべし。楽譜通りに打ち込んだあと、データまたは音源側をトランスポーズしても良いが、データを共用(人にあげたり、公開したり、供用)する場合は、音源ではなくデータをトランスポーズすること。逆に、トランペット奏者に楽譜を書いてあげる場合は、一音上げて書いてあげるか、演奏者に頭の中でトランスポーズしてもらう。CがB♭の楽器を"ベー管"と呼ぶ。

Horn Sectionで使用される楽器紹介
Trombone
 おとも知らなかったが、Tromboneには、ソプラノ、アルト、テナー、バス、コントラバスといくつかの種類があるそうだ。よくテレビとかのバックバンドで目にするのはテナー・トロンボーン。バス・トロンボーンは吹奏楽をやっていたときにお目(耳)にかかった事はある。その他は見たことがない。トロンボーンもトランペットと同じように、唇を「ブー」とやることで倍音列の音がでる。倍音間の音程は、トランペットなどのようにバルブではなく、管の長さをスライドによって変化させることでコントロールする。スライドによって音を変化できる楽器は、おとの知るところではトロンボーンと、お化けの音を出す「ひゅーリュリューー」と鳴るのしか思いつかない(サンバのウークク・ウーククと鳴るやつとかいっぱいあるが)。弦楽器ではそのような奏法もあるし、ハワイアンギターやボトルネック奏法などはトロンボーンを模したもの?と言える?。とにかくスライドによって特定の音程間を滑らかにつなぐことが出来るのが、トロンボーンの特徴であるが、細かいフレーズでは唇でピッチをあわせること以外に、スライドをあわせることも難しく、打ち込みでトロンボーンの再現をすることはかなりの努力が必要である。
 トロンボーンのスライドには7つのポジションがあり、一つのポジションごとに各倍音列を半音ずつ下げる。高音においては、倍音が密集していて一つのピッチに複数のポジションが存在しているので、音の移動は比較的やさしい。低音部では、その逆に難しくなる。第7ポジションは肩のストレッチによさそう(余談)。音域は、E1(40)〜D4(74)であるが、トランペットと同じように練習次第で音域以外の音も出せるようになる。
 トロンボーンらしくするために手っ取り早い方法は、ポルタメントをONしておくことである。
楽譜 一般的なテナートロンボーンのC〔ド)はC〔ド)なので楽譜の変調や、譜面をそのまま打ち込んでも問題ない。たぶん。

Horn Sectionで使用される楽器紹介
Saxophone
 この楽器は、金属(真鍮、brass)で出来ているので金管楽器だと思っている人はいないだろうか。サックスはフルートやクラリネットなどと同じ木管楽器だ。もとサックス吹きだったおとは、こだわりが強いのでブラスバンドとかブラスセクションを言われるのは、むっとする。「高校のとき、ブラバンだったの?」なんて聞かれると「吹奏楽部です!」と言って二度と口を聞いてやんない(冗談)。木管楽器なのに金属で出来ているためか、音色は木管楽器ではないが金管楽器でもない、なんだか中間的な音で、吹奏楽団では金管と木管の音をなじませるために使われているのだろう。人の声にも良く馴染み、サックス1本だけのバンドも多い。
 楽器の構造は、ほとんど小学校時代にお世話になった縦笛(リコーダー)と同じである。ただ、楽器自体が大きくとても穴を指で塞げないので、穴をふさぐためのメカニズムが付いている(これが実にかっこいい)。音を作る部分は、リコーダーは笛(ホイッスルと同じ原理)になっているのに対して、サックスは草笛の原理である。マウスピースに薄い竹の板(リード)が取り付けられていて、息を吹き込むことでリードが振動し発音する。音程の調節は、ほとんどリコーダーと同じ指使いで演奏できる。
 サックスは、音程の違いでソプラニーノ、ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バスなどがあるが、ホーンセクションで使用されるのは、主にアルト、テナー、時にバリトンである。おとは、ソプラニーノ、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンは間近で見たことがありアルト、テナー、バリトンは実際に音を出した経験がある。
 サックスは、どの種類でも記譜(サックス用の譜面)でレミファソラシドが基本であり、2オクターブ+下に1音、上に3音くらい出せたと思う。下は、音の出口を足で塞げばもう半音下がり、上は倍音を使えばもっとでるそうだが、下はともかく上の音は、おとには出せなかった。サックスは楽器の鳴る音と鳴らない音が押さえる指によってハッキリしていて、ファソラシドが鳴りが良い。レ、ミは換え指などを使って、鳴りが良い押さえ方で演奏をするのだが・・・・下手くそ。
楽譜 ソプラノ、テナー、バス(?たぶん、吹いたことも見たこともない)はトランペットと同じで"ベー管"(楽器のCは実音のB♭)である。これらの楽器用に書かれたの楽譜で打ち込む場合は、一音下げて打ち込む。また、ソプラニーノ、アルト、バリトンは楽器のCはF#(ファのシャープ)である。CがF#の楽器を"エス管"と呼ぶ。これらの楽器用の譜面は、4度下げて打ち込むべし。
 演奏家によって様々だが、TSの神様であるジョン・コルトレーン先生は、ソプラノとテナーサックスを演奏していたし、アルトサックスの演奏者がバリトンサックスを好んで使用する理由がわかるだろう。元チェッカーズの演奏者(弟)も確かソプラノとテナーを持ち替えていた。リード楽器として使う場合は、高い音が欲しいのでソプラノとアルトの両刀使い(T-SQUAREの本田さん)も多い。

楽器の組み合わせをどうしよう
Tp(トランペット)または AS(アルトサックス)+ Tb (トロンボーン)
 TpまたはASがトップノートを受け持ち、Tbはユニゾン、オクターブ下や6度下を受け持つと良い。
Tp(トランペット) + Tb (トロンボーン)+ AS(アルトサックス)
 Tpがトップノートを受け持ち、ASはTpのユニゾンか3度下、TbはTpまたはASのオクターブ下を受け持つと良い。ハモル場合は、TpとASとの距離とASとTbとの距離が比例すると良いそうだ。
Tp (トランペット)+ Tb (トロンボーン)+ TS(テナーサックス)
 TpまたはASがトップノートを受け持ち、Tbはユニゾン、オクターブ下や6度下を受け持つのはTp+Tbの組み合わせと同じ。TSはTbと音程が似ているので、下でハモらすとか、オクターブユニゾンでTbとTSが入れ替わるようにすると面白いかも。



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