MIDIについての基礎知識

MIDIについての基礎知識(番外編1)

番外編
音が鳴り続けて止まらなくなる・・MIDIパニック
 MIDI情報を送信中に、MIDIケーブルが抜けてしまったり、ケーブルがノイズを拾ったりして音が鳴り続けたりする。最近のシーケンサーや音源は、MIDIパニックに対応しているのものある。基本的には、電源を切ってしまうのが良い。おとのPOLY800IIは、電源を投入したときモード1(オムニ・オン/ポリ・モード)に設定されているので、そのままシーケンサーをスタートさせると、全部のチャンネルが受信されてしまう。あわてて、チャンネル設定をするとパニック状態になる。何をやっても音が鳴りやまず、電源を入れ直す。
なんでTHRUに沢山つないではいけないの・・MIDIインターフェースとフォトカプラー
 MIDIインターフェースは、トランスミッターとレシーバーから構成されている。トランスミッターはMIDI信号を出力する回路で、レシーバーは受信する回路である。問題なのはレシーバーで、誤った信号がMIDI IN端子から入っても、楽器が壊れないように電気的には内部の回路とフォトカプラー(オプト・アイソレーター)なる物で完全に切り離されている。フォトカプラーは、LEDとフォト・トランジスターで作られており、LEDによりMIDI信号を一度光に変えて、その光をフォト・トランジスターで電気信号に変えている。LEDは小さな豆電球を、フォト・トランジスターはその光を電気に変えるこれまた小さな太陽電池、みたいな物を想像してみればいいだろう。ちょっと違うけど。
 このフォトカプラーに入った信号は、小さな豆電球で光に変えられる。デジタル信号なのでちかちか光るわけだが、電球のようなものなので光る時と消える時に、立ち上がり、立ち下がり時間が生じる。このため、きれいなパルス波形であるMIDI信号を入れても、出力側では波形は崩れることになる。崩れ方はフォトカプラーによっていろいろだが、MIDIでは2μsec以下であることが要求されている。
 従って、THRUさせるごとに波形が崩れ、やがて読みとれなくなる現象が生じる。THRU端子を使った接続が無限でないのは、フォトカプラーに原因がある。ただし、MIDIのような電子楽器はコンピュータを内蔵することで様々な処理を行っており、フォトカプラーがなければMIDIからの誤った信号でコンピューターが壊れてしまう可能性がある。
MIDIパッチベイ・・どんなもの?
 MIDI THRUの説明の図だが、Y社のキーボードでR社、K社、E社の音源が鳴るセッティングである。しかし状況によっては、R社のキーボードでK社とE社の音源を鳴らしたいときもあるだろう。そのときは、R社のTHRUからK社のINに接続しているMIDIケーブルを、R社のOUTからK社のINに接続し直す必要がある。こうすれば、R社のキーボードでK社とE社の音源が鳴るが、Y社のキーボードではR社の音しか鳴らない。E社の音源をY社のキーボードで鳴らしたいときは、Y社のMIDI OUTはR社に接続されているのでR社のTHRUから取ることになる。元に戻したいときは、またつなぎ直す。自宅とかなら時間をかけてつなぎ直せば良いが、ライブ中に曲の間とか曲中に変えるのはかなり難しい。MIDIパニックを起こしかねないし、本当はE社のオルガンの音が欲しかったんだけど、仕方がないのでK社の音で代用するなど悲しい結末になる。
 これを解決してくれるのが、MIDIパッチ・ベイである。MIDIパッチ・ベイにはMIDI INとOUTがペアになって複数個用意されており、それぞれに番号が付いている。それぞれのMIDI楽器のINとOUTをMIDIパッチ・ベイの同じ番号のOUTとINにつないでしまう。MIDI情報を出力しない音源などは、MIDIパッチ・ベイのOUTとMIDI楽器のINの接続だけでよいだろう。MIDIパッチ・ベイの機能は、「1番から入った信号を1番と2番に、3番から入った信号を4、5、6番に出しなさい」などの接続をボタンで変えられる優れものである。次に、接続を変えたいときは、ボタンを押し直せばよい。複数個の接続を記憶でき、操作パネルやフットスイッチなどで切り替えることも出来るようだ。また、MIDIパッチ・ベイと呼ばれるくらいだから、MIDIにも対応しており、MIDI信号で接続の切り換えも可能だ。つまり、MIDIキーボードからでも接続の変更が可能である。
 時には、R社のキーボードでK社とE社の音源を鳴らし、Y社のキーボードでもK社の音源を鳴らしたい時だってあるだろう。K社のINはR社のTHRUから接続されているのであきらめるしかない。MIDI情報を混ぜる(マージ)機能や要らないMIDI情報を送らないフィルタ機能などが搭載されているMIDIパッチ・ベイもたくさん売られている。
MIDI伝送プロトコル・・MIDI伝送の取り決め
 MIDIメッセージの伝送は31.25Kbps(±1%)の非同期方式シリアル転送で行われる。MIDIメッセージの各バイト(8ビット)は、送信時にスタートビット(論理"0")とストップビット(論理"1")が追加され、計10ビットで送られる。回路は5mAカレントループ・タイプで、電流が流れているときが論理"0"として設計される。各ビット・データは電流の有無に変換され、デジタルのふたつの相反する状態("0"または"1")が伝送される。
 MIDIメッセージは、UARTとラインドライバーを通してMIDI OUT端子から出力される。UARTは、パラレルなMIDI信号をシリアル信号に変換する働きをしている。この信号はさらに反転されてNPNトランジスターまたはオープンコレクターICに送られる。この出力は220Ωの抵抗を介してDINコネクターの5番ピンに接続され、電流ループの状態がコントロールされる。また、電源ラインより5Vが220Ωの抵抗をとおして4番ピンに供給されている。
ステータス・バイトとデータ・バイト

 MIDIメッセージのバイト列は、ステータス・バイトとデータ・バイトに分けられる。ステータスは、メッセージの種類を表すもので、データを必要とするメッセージには、データ・バイトがくっついている。データは、エクスクルーシブ・メッセージを除いて値の範囲が決まっている。データを持たないメッセージもあるが、範囲が決まっていないのは、エクスクルーシブ・メッセージだけである。ステータス・バイトとデータ・バイトは、ビット7をフラグとして見ることによって区別できるようになっている。これは、MIDIメッセージのバイト列の途中からでも、メッセージの頭がわかるようにするためである。

ステータスバイト
 メッセージの種類を表すステータス・バイトは、ビット7が"1"と決まっている。したがって、ステータスバイトの範囲は"80H〜FFH"である。

データ・バイト
 データ・バイトは、ビット7が"0"である。そのため、データの範囲は"00H〜7FH"しか使えない。データ1バイトでは、最大が127である。ノートナンバーなどMIDIデータの多くが0〜127の範囲である理由はここにある。

キー・トランスポーズ・・何なの

 ギターを弾いている人はよくわかると思うが、カポのキーボード版である。「C#m G#m C#m C#m I A B C#m C#m(吉田拓郎さんの 落陽のイントロ)」注1があったとする。このまま弾いても良いのだが、手元にカポがあった場合はおもむろにカポ4(4フレット目)にカポをセットして、「Am Em Am Am I F G Am Am」と演奏する。ギターリストの意識ではこの時は、「Am Em・・」であるが、発音しているのは確かに「C#m G#m ・・」である。ギター本来のキーから4音分高い音にトランスポーズされているのだ。
 キートランスポーズはギターだけではない。たとえばアルトサックスは、C(一番低いド)が実はE♭注2であり、テナーサックスのCはB♭である。金管や木管楽器のほとんどは、CはCであるかE♭もしくはB♭である。スコアー譜を、アルトサックスで演奏する場合、頭の中でキートランスポーズするか書き直して吹かなければいけない。Windシンセで演奏する場合などは、そのままの譜面で演奏することが出来が、その曲がアルトサックスのために作られている場合、CがE♭であるため運指がとてもし辛い。そこで音源側をキー・トランスポーズして運指を行いやすくする。サックスなどの楽器は、楽器によって演奏し易い調と演奏しにくい調がある。E♭やB♭調は演奏しやすいのである。この調から#が増えていく調は運指が割と楽だが、♭が増えていく調は難しくなる。おとだけかもしれないが。サックスやペットなどが主役の曲は、変な調で鍵盤奏者にとっては弾きにくいのはそのためである。鍵盤もE♭やB♭にキー・トランスポーズすると、弾きやすくなるかもしれないし、サックス奏者の心境がわかるかもしれない。

注1 文字化けした人はCシャープmなどと読んでください。
注2 文字化けした人はEフラットなどと読んでください。

以下ごめん



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