MIDI打ち込み講座

音を消すタイミング編

はじめに
 音符1つ1つの長さについて考えていきます。突っ込むとかモタるとかのノリの問題、歯切れの良さ、テンポ感など、音の長さは、音を出すタイミングと同じくらい重要な要素です。音の長さとは、音が出てから消えるまでの時間と言うことになりますが、MIDIでは鍵盤を離すタイミングつまりノート・オフが送られるタイミングになります。音源側では、その音色の持つ減衰時間、ルバーブなどリリース系のエフェクターと使った場合などタイミングを左右しますが、ここではノート・オフにこだわってみます。
タイムベース いろいろなMIDIシーケンサーに対応するため、タイムベースは「48」(四分音符=48)
ゲートタイム これを、色々変化させてみましょう。
ベロシティ 全て「105前後」で入力している。
エフェクト 適当にかけています。

 自分の音源で聞いてみたいという方は左のボタンをクリックしてください。DOWNLOAD出来ます。大したデーターではないですけど。
 Note_onoff.sit(8k)Norton AntiVirusでチェック済み

音の切り方の比較/実験1

 音の切り方を比較してみます。まずは、ステップ・タイム目一杯に音をのばしてみました。今回は四分音符=48のタイムベースを使っていて、ピアノは8分音符で刻んでいるので、ステップタイムは24、ゲートタイムを23で入力しています。テンポは四分音符=120です。

 ゲートタイムは、ステップタイムの25%つまり6で入力しました。

 ゲートタイムは、ステップタイムの50%つまり12で入力しました。
 ゲートタイム23では、ダンパー・ペダルを踏んでいるような印象です。刻んでいるはずなのに、ビート感はあまり感じられません。ゲートタイム6では、非常に歯切れが良く、一つ一つの音が強調されているように聞こえます。明るくて、サッパリした感じに聞こえますが、逆に機械的という印象を受けるかの知れません。最後のゲートタイム12はいかがでしょうか。上のふたつのどちらとも言えない演奏で、一見歯切れが良く安定したビートが感じられそうです。しかし、よく聞いてみると非常に重たく、ドラムに引っ張られているような感じがすると思います。
 ノート・オンのタイミングは、どれも同じでまったくジャストなのですが?
 ゲートタイム12の雰囲気を残しつつ、重さを解消したい。実験的にゲートタイムだけあと2ステップ、つまり10にしてみます。そのデータが下ですが、妙な息苦しさはなくすっきりしていると思います。数値的にはたったの2クロック、時間としては約1000分の21秒なのですが。

 ゲートタイムを10で入力しました。
 このように、鍵盤を離すタイミング、つまりノート・オンのタイミングだけでもまったくノリが違ってくることなのです。上の4つの例もどれが良いとは一概に言えません。どんな曲なのかわからないからです。しかし、単純なピアノの刻みだけで曲の雰囲気を変えてしまう、変えることが出来るのです。


ゲート・タイムと曲のテンポ(120→60)/実験2

 上のゲートタイム24をテンポを(四分音符=)60にしています。

 上のゲートタイム6をテンポを(四分音符=)60にしています。

 上のゲートタイム12をテンポを(四分音符=)60にしています。
 ゲートタイム24の場合、前のテンポよりリズム感が感じられると思います。これは、ピアノの音色の特徴、つまりアタックが鋭く、減衰すると言うことが一因としてあげられます。ただし、このような長い音では、リズムを表現するタイミングがノート・オンのタイミングだけになってしまうので、あまりビート感は強くなく、落ち着いた雰囲気になります。テンポ120のときは、この減衰感を表現できないので、のっぺりとした感じになるのです。
 ゲートタイムが6のときは、ちょっと待ってられないなと言う感じですが。よく聞いてみると間延びしていると言うイメージではなく、逆にタイトに聞こえるのではないでしょうか。スッパ、スッパっと切れる感じです。最後のゲートタイム12は、テンポ120のときの重苦しさが無くなった感じがしませんか。今度はどっしりとした安定感として聞こえます。じつは、ノート・オフのタイミングが16分音符の裏とまったく同じなので、特にビートが強調されているのです。




音色と音を切るタイミング/実験3
 これを全部データで行ったら切りがないので解説だけにします。興味ある方は、データをDOWNROADして試してみてください。

アタック

持続するか

リリース

音色例

分類

強い

する

ない
オルガン、ブラス

A

ある
アタックのあるストリングス

B

しない

ない
ピアノ、エレピ

C

ある
チャイム

D

弱い

する

ある
ストリングス、ボイス

E

 実験1のデータを使って音源の音色をいろいろと変えてみたとします。中には、ほとんど音が出なかったり、遅れて聞こえるものがあると思います。ゲート・タイムはそれぞれの音色の持つ時間的な変化に深く関わっています。つまり、アタック感、持続性(ディケイ・タイム)、減衰時間(リリース・タイム)などです。これらは上の表のように、いくつかのパターンに分類できます。
 アタックが強くリリースがないAやCの音色では、ゲート・タイムの微妙な違いを忠実に再現します。リリースがないのですから、ノート・オフのタイミングで音がスパッと切れるので、わずかな変化で雰囲気が大きく変わるのは当然でしょう。特に、オルガン系の音は、アタックとリリースが鋭い上に、持続中の音色や音量の変化がほとんどないので、ノート・オンとオフのタイミングがハッキリと現れてきます。また、ブラスの様な管楽器は、息継ぎやタンギングなどがフレーズに大きく影響してくるので、細かいゲートタイムの設定が必要になってきます。
 Bの様なタイプの音色、PCMのストリングスなどがそれですが、ゲートを短くしても発音するので、リリースを再生する隙間があるようなリズム感のあるフレーズがきれいに響きます。ゲートタイムが長すぎると、持続音なので次のアタックが上手く表現されなかったり、コードの変わり目では前のコードのリリースが残っていて、汚く濁る場合があります。
 Dの様な音色に限っては、あまりゲート・タイムと関係ありません。ディケイとリリース・タイムが同じでなかったり、ディケイ中に音色が変化するような場合は別ですが、ゲート・タイムに気を遣う必要は少ないと思います。
 一番やっかいなのがEのタイプで、ゲート・タイムが短いと音が鳴らなかったり、鳴るようにゲートを長くすると今度は遅れて聞こえたりします。遅れに関しては、ノート・オンの「発音タイミング」のところで説明した、タイミングを全体的に早くすることで解決できますが、ゲートをあまり長くすると次の音と重なって、音符の切れ目がわからなくなり、ノリどころでは無くなります。このような音色は、ノート・オン/オフのタイミング以上に、使う場所やフレーズを考えることも必要です。



ピアノを使ったフレージングの実践/実験4

 左手に、全音符のベース音を入れたフレーズです。

 単調な連打から開放するために最後の音にアクセントを付けます。
Accent

・・・・・・・>

 こんな感じのフレーズはどの様になるかというと。

 アクセントの音のみ、少し押さえ込む感じで弾きます。
Accent

>・・>・・>・

 左のフレーズをちょっと発展させて、どっしりとした感じのフレーズです。

 この場合は、一定の感じで弾きます。
Accent

->>->>-
 実際に弾くときには、スタッカートで全体を軽く力を抜いて短めに、アクセントの音だけ長めに弾いてメリハリをつけます。アクセントの付け方の鉄則ではないのですが、楽器で実際に音を出す場合には、短くて大きい音、長くて小さい音は出しにくいのです。ピアノでも白玉でガーンとやるときと、8分音符の連打ではどちらの音のベロシティーが大きくできるか想像が付くと思います。また、たぶん誰でも大声大会で「あ」と出すより「ああ・・・」と出すと思います。
 一概にそうとも言い切れませんが、長い音はベロシティーを大きめに、短い音は小さめにデータを入力するとメリハリがつく場合が多いみたいです。

その他の楽器のフレージングの実践/実験5

ベース編

ブラス編

ストリングス編

「打ち込み講座」の各楽器編をご覧下さい。



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