詩人のシェニエです♪
日常の中で感じたことや自分の思っていることを詩にして生きています。
自分の気に入っている詩を少しずつ載せていこうかと思っています。
良かったら感想を聞かせて下さいね♪



☆一覧☆
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   【
蒼月
虹の元には
命の雫
嵐と海と
春の夜風は
月照
琥珀の涙
黄金の時は
波は優しく
九天玄女
夢は暁に
月の女神
夢想歌
ストルネッロ
春風の中で
天使のしずく
双眸
鳥の見る夢は
妖精の瞳
Speranza


【蒼月】

蒼い月が高く、南天に輝く夜・・・・

吟遊詩人は、歩き疲れて・・・浜辺へ・・・

冬の冷たい風は・・・吟遊詩人の顔を凍らせ・・・

蒼い月光は砂浜に吟遊詩人の影を優しく落としていた・・・

どこからともなく・・・

波の共に奏でるような・・・

かすかな歌が風に乗って聞こえてきた・・・

《私の涙は誰にも見えない・・・》

《私の笑顔の下に涙がいつも・・・深い海となって横たわっている・・・》

《この涙を止められるのは誰なのか・・・》

《教えてください・・・教えてください・・・》

《この涙を止められるのは・・・何なのか・・》

《受け止めて・・・受け止めて・・・》

潮の香りが運ぶこの歌に・・・

吟遊詩人の心は・・・かすかに同じ痛みを感じた・・・

月は遥かに・・・

水平線を光る糸のように・・・照らし出し・・・

波を銀色に映し出す・・・・

吟遊詩人は・・・リュートを手に取り・・・

蒼い月に向かって、静かに歌った・・・

《今宵・・・月の流す涙の意味は誰も知りえぬ・・・唯一人を除いては・・・》

《その涙は蒼天のきらめきと・・・温もりを求めんが為・・・》

《温もりと光は・・・この歌にては届かねど・・・》

《調べは風に乗って、いつか貴女の心の扉を開く・・・》

《月の涙は・・・氷が優しく溶け始めた・・・しるしなり・・・》

《涙は・・・この両の腕にて・・・受け止めんとす・・・》

やがて東から、暁の光が黄金とともに・・・

その姿を現し、星を消していく・・・

蒼い月は、それを見守るようにしずかに西の空に浮かんでいた・・・


藍色の空を眺めて・・・

吟遊詩人は、静かに・・・

優しく微笑を・・・たたえていた・・・

 


 


【虹の元には】

朝焼けが全てを照らし出し・・・・

白い塔から・・・・岡を見下ろすと・・・・

そこには巨大な虹が・・・・

かかっていた・・・・

白い乙女は・・・

詩人に向かって歌った・・・

《虹の元には・・・宝物が埋まっている・・・》

《虹を目指して歩けば・・・いつかたどり着けるに違いない・・・》

《あなたの宝とは・・・私の宝とは・・・》

《あの虹だけが知っているに違いない・・・・》

吟遊詩人の傷ついた目には・・・・

かすかに虹が見えるだけだったが・・・・

黄金の太陽の輝きは・・・・

詩人の心に・・・七色の虹を映し出して・・・いた・・・

吟遊詩人は・・・静かに歌った・・・

《虹の元には・・・宝物が埋まっている・・・》

《虹を目指して歩けば・・・いつかたどり着くのだろう・・・》

《虹の元に着いたとき・・・》

《そこにいるのは・・・乙女と詩人・・・》

《二人はそこで・・・互いが宝となり・・・永遠に・・・》

乙女は輝く瞳から・・・一筋の涙を流した・・・

詩人の微笑に涙はあふれ・・・

いつしか太陽は高く・・・

雲間から七色の光の柱を立てていた・・・・

七色の光は・・・

二人を照らし出し・・・・

二人の背中に・・・

黄金の翼を・・・与えていた・・・




【命の雫】

吟遊詩人は・・・

蒼い月が照らす道端に腰を下ろし・・・

静かに月を眺めていた・・・

リュートを取って音を鳴らそうとするが・・・

音は・・・出ない・・・

歌おうとするが・・・

声は・・・出ない・・・

吟遊詩人の涙を見たものはいなかったが・・・

この日・・・

吟遊詩人は初めて泣いていた・・・

すると・・・

はるか遠く・・・月の明かりにぽっかりと・・・

山の上に見える、白い塔の上から・・・

ほのかな明かりとともに、歌が聞こえる・・・

《想いはめぐる・・・いつか逢うあの人に・・・》

《光は照らす・・・どこかで見るあの顔を・・・》

《冬の嵐は過ぎ去り・・・春の足音とともに・・・》

《命の風が吹くと・・・白い顔には命が芽吹く・・・》

吟遊詩人はどこかで聞いた気がするその声に導かれ・・・

塔の下まで歩み寄り・・・

小さな声で・・・

かすかに歌った・・・

《いつか聞いたその声は・・・心の闇に一筋の光を与える・・・》

《光はいつか声に変わるだろうか・・・声はいつか歌に変わるだろうか・・・》

《漆黒の中の白い乙女よ・・・教えて欲しい・・・》

《あなたの名前は私に命を与えるだろうか・・・》

白い乙女は塔の上からその白い顔を見せた・・・

月の光に照らし出され・・・

まつげからこぼれるその宝石のような七色の輝きは・・・

笑みとともに・・・詩人の顔に・・・

降り注いでいた・・・・

詩人の瞳にその輝きが届くと・・・・

詩人の心に翼がもどり・・・萎えた声に・・・

再び命が吹き込まれていた・・・

吟遊詩人は・・・一声・・・・

白い乙女の名前を叫んでいた・・・・

白い乙女は・・・その声に応え・・・

女神のような笑顔を・・・浮かべていた・・・

東の空には、夜の闇をはらって・・・黄金の太陽が・・・

空をばら色に染めていた・・・・

二人の顔は薔薇色にそまり・・・・

初夏の風が二人の髪の毛をなでるように・・・

やさしく吹いていた・・・・・







【嵐と海と】

嵐は詩人の・・・

道を大きく塞いでいた・・・・

闇夜のように一寸も前が見えぬ中を・・・

夢中で歩きさまようしかなかった・・・

ふと気がつくと・・・

遠くから・・・優しい声が聞こえてくる・・・

《決して後ろを・・・振り向いてはならない・・・》

《前だけを見て歩きなさい・・・》

《振り向けばあなたはここから出られない・・・》

《前にのみ・・・出口はある・・・》

導かれるままに・・・

詩人は歩いていた・・・

気がつくと・・・嵐はやみ・・・

空は、嵐などなかったかのように・・・

どこまでも青く・・・透き通っていた・・・

目の前には・・・大きな海が・・・・

エメラルドの輝きをたたえていた・・・

あたりを見回すが・・・声の主は見えなかった・・・

遠く海を眺めると・・・

白い帆を掲げた船が・・・

水面をクリーム色の航跡を描きながら・・・

滑っていくのが・・・見えた・・・

詩人は船に向かって歌った・・・

《船の碇は放たれて・・・》

《自由を得て千里を行く・・・》

《海の向こうはまだ・・・》

《日の沈むことを知らぬ国・・・》

《いつか訪れよう・・・》

《この想いは尽くこと・・・なし・・・》

春の風は・・・

優しく詩人の頬を・・・

撫でていた・・・






【春の夜風は】

春の香りが漂う中・・・

吟遊詩人は歌っていた・・・

夜の帳が下りると・・・

いつものように緑に茂る木の下で・・・

春風のざわめきを聞きながら・・・

低吟していた・・・

ふと気が付くと・・・

木の反対側に・・・

背を向けるようにもたれかかる乙女がいる・・・

詩人が驚いて歌うのを止めると・・・

乙女は続けるように・・・求めた・・・

詩人はその優しい声に魅入られるように・・・

歌った・・・

”春のささやきの様な甘い声は詩人の心をくすぐり・・・”

”詩人はいつか・・・忘れていた歌を歌う・・・”

”愛が歌に芽生え・・・歌は乙女の心に刻まれる・・・”

”冬の嵐は過ぎ去り・・・その心は緑が萌えるごとく・・・”

”命をその瞳に宿すのだ・・・”

乙女はやさしく微笑んで・・・・

詩人の前に立った・・・

その魅力に詩人は打たれ、リュートを下ろし・・・

ゆっくりと・・・立ち上がった・・・

そこには夢で何度も見た乙女が目の前にいた・・・

乙女はやさしく詩人に口付けし・・

詩人はやさしくそれに応えていた・・・

花がゆっくりと舞い散るの中で・・・月光に照らされる二人を・・・

春のあたたかい香りが・・・やさしく包み込むばかりだった・・・





【月照】

深い緑に凍てつく森の中を・・・

吟遊詩人はさまよっていた・・・

気がつくと目の前に蒼い月の光が湖水を照らし出す・・・

かすかな歌声が・・・

吟遊詩人の耳に届いた・・・

”みなもに立ち、ひとり歩くわれは誰ぞ・・・”

”水に戻り枯れるを知らず輝くは何ぞ・・・”

遠く水面に浮かぶようにして映る乙女・・・

吟遊詩人は水辺に引き寄せられていた・・・

群雲と蒼い月光に照らし出される姿は・・・

七色に縁取られ・・・

紺碧に澄み切った湖面に映える影は・・・

水面を渡るように見えた・・・

吟遊詩人はリュートを手に取り・・・

答えるように・・・歌った・・・

”水に立つは「泣」・・・行く所を知らず・・・紺碧に水は溢れる・・・

”水に戻るは「涙」・・・枯れるを知らず・・・蒼天に星と輝く・・・”

”深く凍てつくこの森は・・・かつては優しい風の吹く木陰だった・・・”

”風の優しい口づけは、少年の心に火を灯し、それは歌に変わっていた・・・”

乙女は顔を上げ・・・

輝く双眸を詩人に向け・・・

懐かしい笑顔を・・・その相貌に浮かべた・・・

詩人も静かに微笑んで・・・その顔を眺めていた・・・

そして乙女は振り返り・・・

歌声とともに遠ざかっていく

”花の季節はまた巡る・・・”

”風は吹き抜け・・・詩人を呼び・・・”

”再び木陰に春をもたらす・・・”

吟遊詩人は乙女の後ろ姿に・・・

桜の花が舞い散るのを・・・見ていた・・・





【琥珀の涙】

吟遊詩人は・・・

陽炎の揺らめき立つ道で・・・

行くあてもなく・・・立ち尽くしていた・・・

ふと気づくと・・・

吟遊詩人のうしろから・・・

少女の歌う声が聞こえた・・・

少女の歌う歌は・・・

明るかったが・・・

その声には涙が混ざっているように・・・

吟遊詩人には思えた・・・

なぜか、吟遊詩人は背後を振り向く事ができず・・・

じっと歌に耳を・・・

傾けているだけ・・・だった・・・

まぶしすぎる太陽の下で・・・

ゆっくり歩きながら歌っている少女・・・

吟遊詩人の横を通り過ぎるときに・・・

その横顔を・・・

わずかに見る事が・・・できた・・・

人魚のような はかなさに・・・

ばら色の笑顔をもつその横顔は・・・

吟遊詩人を魅了した・・・

その琥珀色の双眸から・・・

歌と共に流れ出る・・・涙・・・

涙は夏の風に舞い・・・

吟遊詩人の頬を・・・濡らした・・・

セピア色に染まる少女の影は・・・

ゆっくりと吟遊詩人から離れていく・・・

吟遊詩人はリュートを手に取り・・・

静かに歌った・・・

”琥珀の涙は・・・空を黄金に染め・・・”

”その歩みは・・・時を静かに止める・・・”

”ばら色に染まるその瞳は・・・”

”いつか少年の心に火を灯すだろう・・・”

やがて・・・

陽炎のなか・・・

少女は・・・ゆっくり振り向き・・・

しみいるような笑顔を・・・見せた・・・

遠く黄金に輝く海と・・・

藍色に突き抜ける空は・・・

少女の笑顔に・・・

生命を与えていた・・・

吟遊詩人は・・・

静かに・・・

微笑みを口元に浮かべ・・・

蜃気楼のような

少女の笑顔を眺望していた・・・




【黄金の時は】

オレンジ色の満月が・・・

夜の海に映る・・・

夏の夜に・・・

傷を負った吟遊詩人は・・・

一人で静かに夜明けを・・・

待っていた・・・

夜も深まり・・・

大きなため息をついた吟遊詩人は・・・

あお向けになり・・・

輝く星を見つめた・・・

すると・・・

空から・・・

ひとしずくの涙が・・・

吟遊詩人の頬に・・・

落ちた・・・

宝石箱をひっくり返したような・・・

その星空は・・・

吟遊詩人に何も答えなかったが・・・

涼しげな風は・・・

吟遊詩人の耳元でささやくように・・・

歌を残していった・・・

吟遊詩人は傷ついた体を・・・

横たえたまま・・・

リュートを手に取り・・・

やがて歌いだした・・・

”黄金の時は過ぎ・・・いつか見た夢をまたみるのだ・・・”

”碧眼は宝石のように輝き・・・その声は涼風のように身に染み渡る・・・”

”涙は呼び水となり・・・たえなる旋律を呼び起こす・・・”

やがて星が消え去り・・・

いつしか・・・吟遊詩人は・・・

リュートと共に・・・静かに夢見ていた・・・



【波は優しく】

吟遊詩人は波打ち際で・・・

たたずんでいた・・・

遠く波打ち際で・・・

少女が微笑んで波と戯れているのを・・・

見ていた・・・

白く流れていく雲と・・・

藍色に突き抜ける空は・・・

少女の髪を黄金に輝かせていた・・・

吟遊詩人は、優しく微笑んで・・・

少女の走り去っていく後姿を・・・

眺めるだけだった・・・

やがて、星が輝きだし・・・

蒼い月光が波を映し出す・・・

コバルトブルーの海は・・・

優しく波音を奏でていた・・・

吟遊詩人の胸には・・・

優しさがこみ上げ・・・

リュートの調べと波音を聴きながら・・・

歌った・・・

”藍色の空は海とあなたの瞳を蒼くうつす・・・”

”蒼い月は波の音とリュートの調べを・・・”

”あなたの元へ届けるだろう・・・”

吟遊詩人は・・・

波音と共に・・・

いつまでも・・・

蒼い月を見上げていた・・・



【九天玄女】

九天は紅に染まり・・・

紫雲、東へ流れる・・・

柳眉は笑めるも・・・

落涙は愁雨の如し・・・

星主は独り巡り嘆き・・・

玄女は渡る高楼の燭




【夢は暁に】

吟遊詩人は・・・

歌いさまよい歩くうちに・・・

その目の光を・・・失っていた・・・

盲目のままに彷徨っていると・・・

遠くから歌が聞こえてきた・・・

”真の勇気を持つ者だけがこの炎を踏み越えることができる・・・”

”真の愛を知る者だけが私を手に入れることが出来る・・・”

吟遊詩人は見えるはずのない光景を・・・見た

紅蓮炎の中で眠るように歌う・・・白い乙女・・・

吟遊詩人には・・・歌うことしかできなかった・・・

”星が消えるとき・・・貴女の炎は希望に変わるだろう・・・”

”燃える血潮は・・・貴女自身を愛に変えるだろう・・・”

リュートの調べと・・・その歌は・・・

白い乙女に・・・涙を流させた・・・

涙は炎を消し去り・・・

暁の光が乙女の瞳を・・・

ばら色に輝かせていた・・・

白い乙女は・・・

吟遊詩人のまぶたに・・・

やさしく口づけをした・・・

吟遊詩人は目を見開き・・・

暁の空とばら色の優しい瞳を・・・

見た・・・

燃える瞳と黄金の翼が・・・

乙女に宿り・・・

やさしい笑みがその口元に・・・履かれていた

そして歌を残して・・・七彩の雲の中へ・・・

消えていった・・・

”暁の光と共に・・・夢は醒め・・・”

”宇宙の鼓動は・・・この胸に愛を呼び覚ます・・・”

吟遊詩人は・・・

再び・・・

リュートの調べと共に・・・

歩き出した・・・・




【月の女神】

吟遊詩人は・・・

花の季節になると・・・

木陰に腰を下ろして・・・歌っていた・・・

ふと・・・

上を見上げると・・・

空から・・・少女の歌が聞こえた・・・

悲しげで・・・美しい調べ・・・

吟遊詩人は不思議に思い・・・

立ち上がって南の空を眺めていると・・・

いつか聞いたことのある・・・

声であることに気づいた・・・

が・・・

誰の声なのか・・・

なぜか・・・思い出すことが出来なかった・・・

不思議な調べに・・・

吟遊詩人の目から・・・

涙があふれ・・・

止まらなかった・・・

いつか・・・聴いた・・・歌・・・

やがて・・・

空と夕陽は・・・

雲を鮮やかな七色に染め・・・

吟遊詩人の頬を紅く映し出す・・・

詩人は・・・

西に向かって・・・

歩き出した・・・

ふと・・・

振り向くと・・・

一羽の蝶が・・・

空に昇っていくのが見えた・・・

夕月に消える蝶の姿は・・・

吟遊詩人に歌声の主を・・・

思い出させた・・・

また・・・いつか・・・

会えるだろう・・・

春の夜風は・・・

吟遊詩人の頬を優しくなぜ・・・

月の光は・・・・

吟遊詩人の瞳を紺碧に映し出していた・・・

詩人の唇には・・・やさしい笑みが履かれ・・・

唇から流れるその歌は・・・

月下の佳人の口もとに・・・

やさしく届いていた・・・






【夢想歌】

君が面影は・・・

心にしみいりて・・・

我が歌となり・・・

虚空へと散りぬるを・・・

いかにかせむ・・・

君が姿は・・・

歌となりて空へ昇るも・・・

我が想いは・・・

胸にあふれ・・・

涙となりて地にこぼれ落つる・・・

夢は・・・

君と共にありし・・・

夢のまた夢・・・





【ストルネッロ】

吟遊詩人は・・・

その日も・・・

塔の下で歌っていた・・・

リュートの音は・・・

辺りに流れ・・・

夜のとばりが降りると・・・

塔の窓から明かりが漏れ・・・

一人の少女の顔が見えた・・・

吟遊詩人が眠るようにして・・・

歌っていると・・・

少女は歌を口ずさんでいた・・・

吟遊詩人は・・・

少女のために歌っていたが・・・

少女は気が付かず・・・

少女は優しい笑みを・・・返すばかりだった・・・

やがて少女は眠りにつき・・・

吟遊詩人は・・・リュートと共に・・・

消えた・・・

次の夜から・・・

歌が聞こえてこなくなり・・・

少女は吟遊詩人が・・・

いなくなってしまったことを知って・・・

ひとしずくの・・・涙を・・・

流した・・・

しだいに・・・

少女は吟遊詩人に逢いたいと・・・

願うようになった・・・

それから幾晩も経ったある夜・・・

どこからか、リュートの音が聞こえてきた・・・

少女は走った・・・

しかし・・・

リュートの音に追いつくことは出来なかった・・・

朝が訪れ・・・

海岸までたどり着くと・・・

吟遊詩人が眠っている姿に・・・

出会うことが出来た・・・

眠る吟遊詩人に・・・少女は・・・

優しく口づけをし・・・

自分も深い眠りに・・・

ついた・・・

藍色に透き通った空は・・・

海をエメラルドに・・・うつしだし・・・

波の音は・・・

二人を優しく・・・祝福する・・・

春の香りがただようなか・・・

空には・・・

リュートの調べと・・・天使の歌が・・・

こだましていた・・・





【春風の中で】

4月のある晴れた日に・・・

初めて出会った・・・

なだらかな緑の丘の上の木陰で・・・

少女は立っていて・・・

ほほえんでいる・・・

でも・・・顔は・・・よく分からない・・・

見たことのない・・・美人・・・

そして・・・近くに駆け寄り・・・

やさしく抱きしめると・・・

少女の笑みがこぼれる・・・

少年はつぶやいた・・・

やっと・・・・・・会えた・・・・・・

二人を・・・

春の風が優しくつつみこんでいた・・・

少年が・・・

想いを告げようとすると・・・

少女は優しくかぶりを振って・・・

ひとすじの涙を流し・・・

瞳を・・・とじた・・・

強く抱きしめると・・・

少女は・・・花びらとなって・・・

風に舞ってしまった・・・

少年は・・・

立ちつくすしか・・・なかった・・・

振り返ると・・・

風がやさしく・・・

彼をつつむばかりだった・・・

いつか・・・

また・・・

花の季節に・・・

ここに来よう・・・

抱えきれないくらいの・・・花束を持って・・・




【天使のしずく】

吟遊詩人は・・・

波の音を・・・聞きながら・・・

寝入っていた・・・

夢の中で・・・

歌声が聞こえた・・・

そっと・・・目を開けると・・・

少女の姿をした・・・

一人の天使が・・・いた・・・

エメラルドに透き通った瞳と・・・

黄金に輝く翼をもっていた・・・

その姿は・・・

吟遊詩人を魅了した・・・

吟遊詩人は・・・

歌を献じようとした・・・

が・・・何も・・・出て来なかった・・・

天使は、ほほえんで・・・

優しく口づけをした・・・

そして・・・天使は・・・

虚空へ・・・ゆっくりと・・・

舞い上がっていった

吟遊詩人は・・・

追いかけようとしたが・・・

なぜか・・・

足が動かなかった・・・

天使の歌は空に満ちていた・・・

吟遊詩人は・・・

空を見上げるばかりだった・・・

空は・・・痛いほどの藍色に透き通り・・・

詩人の手にはエメラルドのしずくが・・・

残されていた・・・




【双眸】

君を想うに・・・

君が瞳を思う・・・

月、明らかにして、

燕、南へ飛ぶ・・・

華顔の双眸、心を平らかにし・・・

身は湖上にあるも・・・

想いは雲上にあり・・・

夢想の翼、千里を駆け・・・

忽ち逢う彩雲の間





【鳥の見る夢は】

その鳥は・・・

翼を片方怪我していた・・・

飛べずにもがいていると・・・

一人の少女が通りかかった・・・

少女は鳥を介抱し・・・

鳥は元通り飛べるようになった・・・

鳥はお礼に・・・少女の住む塔を訪れた・・・

歌うことしかできないその鳥は・・・

塔の周りをぐるぐる飛び回って・・・

歌声を少女に聞かせていた・・・

少女はゆっくりと立ち上がり・・・

優しい笑みをたたえていた・・・

鳥は少女に恋をした・・・

鳥は来る日も来る日も・・・

その塔を訪れた・・・

やがて冬が訪れ・・・

塔の窓は閉じたまま・・・

開かれる事は・・・なくなった・・・・

それでも鳥は毎日塔を訪れ・・・

やがて飛べなくなった・・・

鳥は・・・

声を上げて泣くかわりに・・・

歌っていた・・・

すると・・・

窓がわずかに開かれ・・・

少女の顔が見えた・・・

少女は泣いていた・・・

少女の涙は頬を伝い・・・

鳥のくちばしに落ちた・・・

鳥は少女の顔を見あげ・・・

やがてしずかになった・・・

深い眠りについた鳥は・・・

少女を乗せて南へ飛ぶ夢を・・・見ていた・・・



【妖精の瞳】

妖精のささやきは・・・僕を魅惑する・・・

妖精の瞳は・・・僕を高みへつれていく・・・

その声の音色に誘われて・・・

夢の中に遊びに行く・・・

妖精の声は近くでするけれども・・・

姿は見えない・・・

思わず呼びかけると・・・

その声はやみ・・・

やがて・・・目が覚める・・・

体には優しさが・・・

耳には声色が・・・

かすかに残っていて・・・

僕の心をやさしくくすぐる・・・

僕の妖精よ・・・もう一度その瞳を・・・

僕に向けておくれ・・・



【Speranza】

苦しい時や・・・

悲しい時に・・・

君の姿を・・・

思い浮かべている・・・

目の前が暗くても・・・

希望の光となって・・・

僕を導いてくれる・・・

勇気と・・・

希望は・・・

君の心から・・・

つむぎだされているのだろうか・・・

ある日青空をながめて・・・

曇りのない・・・

君の心を思い出して・・・

僕の心も・・・

綺麗に洗われていく・・・

光はその目に・・・

希望はその心に・・・

宿っているのだろうか?

希望の光よ・・・

絶えないで欲しい・・・

とわに・・・・