
1500人が集まったオープニングコンサート「ヴェルサイユ宮の宴」
1999年9月23日、福岡市の音楽の殿堂、アクロス福岡シンフォニーホールに1500人の大観衆を集めて、第1回福岡古楽音楽祭は始まりました。第1部は遠来のバルトルド・クイケン、ダン・ラウリンの両氏を加えて、我が国を代表する管楽器のソリストたちの競演によるフランスバロック音楽の典雅な調べに始まり、若松夏美氏をリーダーとする軽快な弦楽合奏「舞踏の諸相」で締めくくられました。
続く第2部は、有田正広氏指揮の古楽音楽祭オーケストラにソプラノの小林木綿さん、福岡祝祭合唱団、さらに古賀穂南美、彌吉清孝氏と7人の踊り手を加えて、ラモーのオペラバレエ「カストルとポリュックス」。総勢58名出演の豪華な舞台に、福岡シンフォニーホールはしばしヴェルサイユ宮殿と化し、観衆を魅了しました。
ヴェルサイ宮への夢を誘う関根敏子氏の講演会 あいれふ講堂で24日に約100名の聴衆を前に開かれた関根敏子氏のフランス・バロック音楽に関する講演会は、ビデオ画像やスライドを多数駆使して、目から訴えるお話で、聴く人をルイ王朝時代の華やかなヴェルサイユ宮へといざないました。

(写真上:ラモーのオペラバレエを踊る古賀穂南美・彌吉清孝氏、下:有田正広氏指揮/福岡古楽音楽祭オーケストラと福岡祝祭合唱団のメンバー)
招かざる客台風18号の到来に始まった2日目古楽セミナー
23日の夜半に、大型の台風18号が九州を縦断し、翌24日の朝は福岡も荒れ模様の天気でした。しかし、風雨をついて会場のあいれふホールにやってきたクイケン氏らにより、公開レッスン「古楽セミナー」は予定通りすすめられました。その日、交通機関の欠航で残念ながら来られなかった方も2、3ありましたが、ほぼ予定通りにスケジュールを消化することができました。主催者一同冷や汗をかいたハプニングでした。午後からは徐々に天気も回復し、夕方のラウリン氏のコンサートの頃には薄日が射して、好調の出足となりました。
超絶技巧で観衆を興奮させたラウリン「テレマン・コンチェルトの夕べ」
若松夏美氏らの弦楽合奏をバックに、山岡重治、堂阪清高、中野哲也氏らの共演を得て開かれたダン・ラウリン氏のコンサートはすべてテレマンの協奏曲よりなるプログラム。ラウリン氏は、見事な技巧をちりばめたメリハリのある演奏で盛り上げ、リコーダーの新境地を聴かせてくれました。
(写真:アンコールでは、ルネッサンス・フルートを使ってアクロバティックな曲を3曲も披露する大サービス!)
最高に洗練された絹の肌触り、クイケン「バロック・フルート・リサイタル」
あいれふホールを完全に満席にして始まったバルトルド・クイケン氏のリサイタルは、横吹きフルートの持つ柔らかい音色と、この上なく繊細で柔軟な表情づけとによって、バロック音楽のもっとも上質で香り高いエッセンスを聴かせてくれました。ハーグ音楽院の弟子前田りり子とも息のあった二重奏を聴かせてくれました。

(写真左:中野哲也氏[ヴオラ・ダ・ガンバ]と有田千代子氏[チェンバロ]の伴奏によるヘンデルのソナタホ短調の演奏。右:有田正広、本間正史、有田千代子、山岡重治、中野哲也、堂阪清高のメンバーによるコンサート「バロック・パイパーズの愉しみ」)
我が国を代表する管楽器奏者たちの気のあったコンサート「バロック・パイパーズの愉しみ」
最終日の室内楽コンサート「バロック・パイパーズの愉しみ」は、有田正広氏以下、我が国を代表するパイパーズたちの呼吸のあった競演。特にヴィヴァルディやテレマンにおける山岡重治氏のリコーダーの熱演が音楽祭の最後を飾りました。
古楽愛好グループの交流の場「古楽コンサート」
誰でも自由に出演できる「古楽コンサート」は、25日と26日の2回、あいれふホールで開かれ、約20団体が交歓演奏を行い、日頃の技を披露しました。最終日には古楽セミナーの受講生と、講師によるコンサートもありました。

(写真左:おなじみ麻生純氏指揮の「あくたリコーダー・オーケストラ」、右:伊藤美子さん他「福岡バロックダンスの会」によるルネッサンス・ダンス)
ボランティアの奉仕によって大いに盛り上がった交歓パーティ
クイケン・リサイタルのあと講堂で開かれた交歓パーティは、会場の広さの関係で定員150名を越えたところで、参加申し込みを打ち切ってしまう盛況でした。会は中里隆18世紀音楽祭協会会長、津田たかし福岡市議会議長、植木とみ子福岡市民局長のあいさつ、福岡市文化芸術振興財団事務局長稲富義雄氏の音頭による乾杯で始まりまた。また、これまでお世話になった熊本県小国町の宮崎町長からも祝電をいただきました。テーブルの上は、ボランティアの方々から差し入れていただいた手料理、お菓子類、ワインなどでいっぱいでした。途中で博多伝来の「古楽」中村旭園氏の筑前琵琶の披露があり、ダイエーホークスの優勝の報が伝えられて、パーティはさらに盛り上がりました。(写真:筑前琵琶を演奏する中村旭園氏)
あいれふホワイエでの古楽器展示、楽譜・CD・ビデオ等の即売 会期中あいれふのホワイエで開かれた古楽器・楽譜・CD等展示即売には、クレモナ楽器(リコーダー、フルートなど)、ユーロインスツルメンツ(金管古楽器など)。鈴木楽器(リコーダーなど)、片山登氏(フルートなど)、アントレ(雑誌、CD、楽譜、ビデオなど)、ユニバーサル(輸入CDなど)が展示、またカナダのブドロー氏(リコーダーなど)も加わり、にぎわいました。
この他、アクロス福岡の交流ギャラリーでは開幕日の23日から10日間、多数のめずらしい古楽器を展示した「古楽器展(アクロス福岡主催)」が開催され、多くの福岡市民が古楽器に接することができました。
(以上写真撮影・提供は蘇馬外二良氏による)