Early Music Festival in Fukuoka 2008

第10回記念福岡古楽音楽祭
2008年9月10日〜15日

アクロス福岡 円形ホールフェア
撮影:梅野 健 ほか
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第10回福岡古楽音楽祭プレイベント

午 前
午 後
午 後
9月10日(水)
9月11日(木)
9月12日(金)
9月13日(土)
9月14日(日)
9月15日
(月祝)

2008年9月10日(水) 〜12日(金)
円形ホールフェア

18世紀音楽祭協会20年の歩みからバッハの現在形へ

 「円形ホールフェア」は、「グランドコンサート」の開催に先立ち、その会場となるアクロス福岡の1階にある円形ホールを中心に3日間、これまで20年間の協会の歩みをご紹介し、古楽音楽祭の将来を展望するとともに,音楽祭のテーマであるJ.S.バッハの音楽が持つ現代的な意義を,現代音楽,現代アート,アジアの音楽等の視点から再考すべく企画したイベントでした。「円形ホールフェア」は、一般市民の皆様を対象にして、すべて無料で開放しました。
  企画協力:20世紀美術研究会(西南学院大学)

円形ホールでのイベント

Program 1 9月10日(水) 18:30〜19:00

 
<バッハと
 コンテンポラリー・ダンス>

「ゴルトベルク変奏曲の
       アリアを踊る」

   清水知恵(舞踊家)
   阿部 守(美術家)

 清水知恵のダンスが紡ぎ出す、美しい一瞬。J.S.バッハ『ゴルトベルク変奏曲:アリア』からインスピレーションを得て、静と動、瞬間と永遠が融合するシャープな時空間がオープニングを飾りました。
 舞台美術は、現代先鋭造形作家・阿部 守が手がけました。

Program 2 9月10日(水) 19:00〜21:00
シンポジウム <バッハとアジアの音楽>

パネル 朴 哲弘(作曲家・韓国東亜大学)、中村滋延(作曲家・九州大学)
    姜 榮晩(ピアニスト)、山本佳代子(ピアニスト)
司会  栗原詩子(音楽学・西南学院大学) 通訳 李 敬美

 日韓の作曲家・演奏家のバッハ観と、バッハ研究の現状を振り返り、バッハが今日のアジアの音楽シーンに与える可能性をさぐりだすシンポジウムです。中村滋延「バッハにもとづく組曲」と朴哲弘「スイッチング・バッハ」が日韓のピアニストにより演奏されました。

 

Program 3 9月11日(木) 15:30〜17:00
講演会 <バッハと祝祭空間>
             京谷啓徳(西洋美術史・九州大学)

 バッハも一時期宮廷楽長として身を置いていた当時のヨーロッパの諸宮廷では、様々の機会に祝祭がとり行われ、それは美術家や音楽家たちの共同作業によって華麗に演出されていました。西洋美術史の京谷啓徳先生が、凱旋門や山車行列、活人画など、ルネサンスからバロック期の様々な形態の宮廷祝祭について講演されました。

Program 4 9月11日(木) 18:00〜19:30
演奏とお話 <古楽への招待>

  前田りり子(ナビゲーターとフルート)、福沢宏(ガンバ)、三浦弥生(チェンバロ)

 前半は隣のコミュニケーションエリアで「ミュージックファクトリー」の企画による古楽器のコンサートを行いました。

 その後休憩時には、教会のように高い吹き抜けをもつアトリウムでの古楽器演奏を試み、その響きを味わってもらいました。

 後半は、円形ホールでの古楽入門講座。バッハのフルートソナタやルクレールのトリオソナタ等の演奏を通して、音楽祭に参加した古楽器奏者たちが古楽器による演奏の特色を易しく解説いたしました。

Program 5 9月12日(金) 15:30〜17:00 
講演会とミニコンサート <有元利夫と音楽>
           
講演:有元容子(日本画家)

 自らもリコーダーを奏し、古楽愛好家にはいまだに絶大な人気を持つ有元利夫と音楽についてのお話を、有元容子氏から聴きました。「7つの音楽」は、有元利夫の7枚の銅板画に、田鎖大志郎氏作曲による7つの小曲の楽譜と、その録音テープをセットにして限定発売されたものですが、当日はそのオリジナル画集を、長野県松本市の山村光久氏にお持ちいただいて、公開し、地元演奏家による実演を聴きました。

古楽器による演奏 有元利夫版画集「7つの音楽」、「ロンド」
野田よう子・須藤千津子(リコーダー)、後藤桂子(チェンバロ)

円形ホール、コミュニケーションエリア
アトリウムでの常設展示
■円形ホール 9月10日〜12日
 
円形ホールでは、有元利夫の版画を中心にしたミニ展覧会のほか、イベントの合間には、スクリーンにて過去の福岡古楽音楽祭や有元利夫の記録映画等を映写しました。

■コミュニケーションエリア 9月1日〜15日
 
一般の方々も常時入場できるコミュニケーションエリアでは、「古楽とはなにか?」「古楽器博物館」と題して、音楽史の中で「古楽」の持つ意義や古楽器についてのパネル展示を行いました。

■アトリウム 9月10日〜13日
 アクロス福岡1階の高い吹く抜けを持つアトリウムでは、「18世紀音楽祭協会20年の歩み」と題して、有元利夫画によるこれまでの福岡古楽音楽祭ポスターや記録写真等によるパネル展示を行いました。

主な講演者・出演者のプロフィール

清水知恵 Chie Shimizu(舞踊家)
筑波大学大学院修士課程、九州大学大学院博士課程修了。博士(人間環境学)。第4回NBA全国バレエコンクール・コンテンポラリー部門ガリーナ・サムソバ審査委員長賞受賞。平成15年度文化庁新進芸術家在外研修員(フランス国立現代舞踊センター、Jackey Taffanel舞踊団)。現在,福岡教育大学准教授。

朴哲弘Park Chul-Hong(作曲家)
釜山大学校卒業。東亜大学校大学院修了。舞踏、演劇、放送、映画音楽など500曲あまりを作曲。代表作としてミュージカル「ドル=プル(野草)」、ミュージカル「ジャカルチ」(ともに2000年)などがある。現在、東亜大学校芸術大学音楽学部教授、同校大学院実用音楽科長、同校教育大学院音楽教育科責任教授。

中村滋延 Shigenobu Nakamura(作曲家・メディアアーティスト)
愛知県立芸術大学大学院修了。ミュンヘン音楽大学に留学。「現代音楽」分野で多くの創作活動を行い、日本音楽コンクール2度入賞、ガウデアムス作曲コンクールAVRO奨励賞,日本交響楽振興財団賞など受賞。映像を取り込んだ音楽系メディアアートの領域でも創作活動を行っている。ZKM(ドイツ)客員芸術家、九州大学芸術工学研究院教授。

京谷啓徳 Yoshinori Kyotani(西洋美術史)
東京大学大学院修了。博士(文学)。フェッラーラ大学およびヴェネツィア大学に留学。2004年、マルコ・ポーロ賞・地中海学会ヘレンド賞を受賞。著書に『ボルソ・デステとスキファノイア壁画』『ボッティチェッリ全作品』(ともに中央公論美術出版)。九州大学人文科学研究院准教授。

前田りり子 Liliko Maeda(バロックフルーティスト)
オランダのデン・ハーグ王立音楽院大学院修了。山梨古楽コンクール第1位、ブルージュ国際古楽コンクール2位入賞(フルートでは最高位)。全国各地で演奏会を催すとともに、ソロCD「バッハとその同時代の作曲家達によるフルート音楽」「パリのフルート音楽」などをリリース。著書「フルートの肖像(東京書籍)」。東京芸術大学非常勤講師。

有元容子 Yoko Arimoto(日本画家)
東京藝術大学美術学部絵画科日本画卒業。芸大時代に知り合った有元利夫と結婚。1978年春季創画会展で春季賞受賞。1985年38才で有元利夫逝去。88〜89年唐津隆太窯で陶芸を学ぶ。98年河北倫明賞受賞。個展・グループ展に毎年多数出展。02年に有元利夫と共著「花降る日」を新潮社より出版。実践女子大学美学美術史学科教授。