Early Music Festival in Fukuoka 2007
バロック音楽の源流とその融合

有料コンサート1

9/21 オープニング・トークコンサート
9/22 室内楽「二大様式と混合様式」
9/24 フォンス・ムジケ演奏会

(写真撮影:白石嘉毅(c)studio-mickey.com)

オープニング・トークコンサート
「バロック様式の変容」

9月21日(金)19:00 開演  アクロス福岡4F国際会議場 全自由席

国際会議場でのちょっと贅沢なコンサート

 昨年の台風直下の音楽祭とはうってかわり、第9回福岡古楽音楽祭は紺碧の青空のもとで始まりました。日中はまだ真夏の暑さです。今回のオープニング・トークコンサートは初めての試みとして、アクロス福岡の4階にある国際会議場に仮の舞台を設置し、その周りに椅子を並べて、コンサートホールとは違ったバロック時代の親密な音楽空間を演出しました。2階の「傍聴席」を加えて約450の座席は、開演までにほぼ満席になりました。

 いつもおなじみの朝岡 聡氏の司会も、トークコンサートとなると熱がこもり、モンテヴェルディに始まるイタリアバロックから、フランス、ドイツへと伝搬していったバロック音楽の系譜をたどるうちに、いつしか夜も更け、終わったのはなんと10時近く、3時間近い大コンサートとなりました。

 司会:朝岡 聡
 ソプラノ:モニック・ザネッティ
 リコーダーソロ:ワルター・ファン・ハウヴェ
 ヴァイオリンソロ:寺神戸 亮
 フルート:有田正広、前田りり子
 ヴァイオリン:フランソワ・フェルナンデス、戸田 薫
 ヴィオラ: 森田芳子   チェロ:多井智紀
 ヴィオラ・ダ・ガンバ:ライナー・ツィッペリング
 コントラバス:諸岡典経  テオルボ:今村泰典  チェンバロ:北谷直樹

C.モンテヴェルディ Claudio Monteverdi (1567-1643)
  愛らしい瞳 Amorosa pupilletta
D.カステッロ Dario Castello (1644 Venezia)
  トリオソナタ第4番 Sonata Quarta a tre
C.モンテヴェルディ Claudio Monteverdi (1567-1643)
  あの高慢なまなざし Quel sguardo sdegnosetto
D.カステッロ Dario Castello (1644 Venezia)
  2つの高音楽器とファゴットのためのソナタ第9番
  Sonata Nona a tre, due soprani e Fagotto
C.モンテヴェルディ Claudio Monteverdi (1567-1643)
  おお、ピンク色の小さなバラの花よ O rosetta che rosetta
A.ヴィヴァルディAntonio Vivaldi (1678-1741)
  ヴァイオリン協奏曲 Op.8 から「秋」 'Fall' form Violin Concerto Op.8
J.フィッシャー Johann Fischer (1646-1716/17?)
   ターフェルムジーク(合奏協奏曲) Tafelmusik (1702)
Ouverture - Entree - Menuett - Air - Chaconne - Gavotte

          休憩 Pause

Gh.P.テレマン  Georg Philipp Telemann (1681-1767)
  リコーダー組曲 イ短調 Suite a-minor for alto recorder
F.クープラン Francois Couperin (1668-1733)
   コンセール第8番《劇場風》Huitiere concert "Dans le gout theatral"(1724)


オープニング・トーク・コンサートはおなじみ朝岡 聡氏の軽妙な司会によって始まりました。

バロック音楽の祖モンテヴェルディを歌うソプラノのモニック・ザネッティさん

フォンス・ムジケに寺神戸亮氏と日本の弦奏者が加わり、ヴィヴァルディの協奏曲「秋」と、フィッシャーのターフェルムジークが演奏されました。

この夜のハイライトはベテランのリコーダー奏者ワルター・ファン・ハウヴェ氏による白熱したテレマンのリコーダー組曲でした。

最後は全員総出演でF.クープランの極めて優雅な劇場風コンセールで幕を閉じました

室内楽コンサート
「二大様式と混合様式」

9月22日(土)19:00開演  あいれふホール  全自由席

 2日目のコンサートは、例年のようにホームグラウンドのあいれふホールに舞台を移して、イタリア、フランス、ドイツの様々な形式の室内楽をたどるコンサート「二大様式と混合様式」。冒頭のフランスバロックの最後の大家ラモーのクラヴサン・コンセールでは、今回音楽祭には初登場の北谷直樹氏のクラヴサンがフィーチャーされました。

 フルート:有田正広
 チェンバロ:北谷直樹、有田千代子
 ヴァイオリン:フランソワ・フェルナンデス、寺神戸 亮
 ヴィオラ・ダ・ガンバ:ライナー・ツィッペリング
 チェロ:多井智紀   コントラバス:諸岡典経

 J.Ph.ラモー Jean=Philippe Rameau (1683-1764)
   クラヴサン・コンセールから 第5番 ニ短調
   No.5 d-minor from Clavecin Concerts (1741)
 A.コレッリ Arcangelo Corelli (1653-1713)
   ヴァイオリンソナタ 作品5-12より「ラ・フォリア」
    'La Folia' from Violin Sonata Op.5-12(1700)
 F.クープラン Francois Couperin (1668-1733)
   ソナタ「処女」 Sonata 'La Pucelle'(1692)

       休 憩 Pause

 M.ブラヴェ Michel Blavet (1700-1768)
   フルート協奏曲 イ短調 Flute Concerto  a-minor (c.1740)
 J.S.バッハ Johann Sebastian Bach (1685-1750)
   イタリア協奏曲 ヘ長調 Italian Concerto  F-major  BWV 971 (1735)
 G.Ph.テレマン  Georg Philipp Telemann (1681-1767)
   パリ四重奏曲 第4番 ロ短調 Paris Quartett No.4  b-minor (1738)


ヴァイオリン音楽の祖コレッリのソナタの中でも一番有名な「ラ・フォリア」を、フェルナンデス氏が柔軟な奏法で見事に演奏しました。ツィッペリング氏の支えも見事でした。

この日のコンサートの主役は音楽監督の有田正広氏。中でもブラヴェのフルート協奏曲は、まさにヴィルトゥーゾのために書かれた超絶技巧の華麗な曲でした。

この音楽祭で唯一のJ.S.バッハの曲は、ヴィヴァルディ様式をたっぷり取り入れたイタリア協奏曲。有田千代子氏の独奏で聴きました。

フィナーレの曲は、テレマンが初めてパリを訪れたときに作曲したというパリ四重奏曲第4番でした。

フォンス・ムジケ演奏会

9月24日(月休)15:30開演  あいれふホール  全自由席

 最終日には、リュートの今村泰典氏が主宰するフォンス・ムジケの演奏会がありました。今回はカウンター・テナーのパスカル・ベルタン氏の欠場が大変残念でしたが、ザネッティさんは2曲のソロカンタータを歌い、一人で奮闘しました。今村氏はとにかく練習が大好きな人のようで、日本に来てこれほどリハーサルに時間をかけたグループはありません。音楽に対する彼らの真摯な態度が、大変印象に残る演奏でした。

 ソプラノ:モニック・ザネッティ
 ヴァイオリン:寺神戸亮、フランソワ・フェルナンデス
 ヴィオラ・ダ・ガンバ:ライナー・ツィッペリング
 チェンバロ:北谷直樹  テオルボ:今村泰典 

 A.カルダーラ Antonio Caldara (1670 -1736)
   2台のヴァイオリンと通奏低音のためのトリオソナタ 変ロ長調
   Sonata a tre in B-Dur 
 G.ボノンチーニ Giovanni Bononcini (1670-1747)
   カンタータ「オリンピアの嘆き」 Cantata / Il Lamento d'Olimpia
 G.F.ヘンデル Georg Friedrich Handel (1685-1759)
   トリオソナタ Op.2-5 ト短調
   Trio Sonata Op.2, No.5 in g-moll  HWV390a

        休憩 Pause

 J.M.ルクレール Jean-Marie Leclair (1697 - 1764) 
   音楽の愉しみ 第2番 Deuxieme Recreation
 M.P.モンテクレール Michel Pignolet de Monteclair (1666 - 1737)
   カンタータ「ルクレチアの死」
   Cantate a voce sola , con due violini e il basso "Morte di Lucretia"
  

器楽ではガルダーラ、ヘンデル、ルクレールと、寺神戸氏を加えて2台のヴァイオリンを生かしたトリオソナタ形式の曲がメインでしたが、ヴァイオリンに加えて充実した通奏低音が印象に残りました。

  

休憩後のルクレールとモンテクレールはフランス曲でありながら、露わなイタリアの影響を感じました。特にモンテクレールはイタリア語で書かれていることもあって、まさに情感たっぷりのイタリアン・カンタータの世界でした。
 終了後、恒例の音楽監督挨拶で、来年の第10回記念音楽祭での再会を念じて、別れを惜しみつつ、4日間の全日程を終了しました。


主な出演者プロフィール
◆有田正広(Masahiro Arita、音楽監督/フルート)
 モダンフルートを故林りり子氏に師事。1972年に桐朋学園大学を主席で卒業、第40回NHK毎日音楽コンクールのフルート部門で第1位。75年にブリュッセル王立音楽院を、77年にはデン・ハーグ王立音楽院をいずれも主席で卒業。1975年ブルージュ国際音楽コンクールで第1位を獲得する。帰国後はわが国におけるバロック・フルートの第一人者として国際的に活躍するだけでなく、古楽器界のリーダーとして各種演奏団体を主宰、桐朋学園大学古楽器科の講師として若手演奏家の育成に努めている。1989年にわが国で最初の本格的なオリジナル楽器による交響楽団「東京バッハ・モーツアルト・オーケストラ」を創設、福岡・東京で結成記念公演を行い絶賛された。その功績により、90年サントリー音楽賞を受賞した。その間に、デンオン・アリアーレから多数のCDをリリースし、レコード・アカデミー賞、文化庁芸術作品賞などを受賞。最近、モーツァルトのフルートとオーケストラによる作品全集をCD化して好評を博している。1990年より毎年熊本県小国町で開催されてきた「おぐに古楽音楽祭」でも音楽監督を務めた。昭和音楽大学フルート科教授、桐朋学園古楽器科講師。
◆朝岡 聡(Satoshi Asaoka、司会・フリーキャスター)
 慶應義塾大学法学部卒業後、1982年テレビ朝日にアナウンサーとして入社。主にスポーツ番組を担当し、その後、テレビ朝日の看板アナウンサーとして「ニュースステーション」「はなきんデータランド」等を担当する。1995年、テレビ朝日を退社後、フリーキャスターとして活躍中。現在はNHK・FM「特集・クラシックリクエスト」テレビ東京「ミューザの楽譜」「ゴルフ・スーパーバトル」などを担当。中学時代から愛好するリコーダーは現在でも演奏会を開くほどである。2002年、長年のリコーダーに寄せる熱い思いを綴った「僕のリコーダー人生 -- 笛の楽園(東京書籍)」を刊行。コンサート司会や音楽企画でも積極的に活動している。 このところ古楽関係のコンサートの司会者としてもなくてはならぬ存在となっており、毎回福岡古楽音楽祭オープニングコンサートや18世紀音楽祭協会東京支部開設記念の「福 袋」コンサートなどにも司会者として出演し、大いに盛り上げている。
◆寺神戸 亮(Ryo Terakado、ヴァイオリン)
 桐朋学園大学に学び、在学中の83年日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門で第3位入賞、84年同大学を首席で卒業すると同時に東京フィルハーモニー交響楽団にコンサートマスターとして入団、大学在学中より興味を抱いていたオリジナル楽器によるバロック演奏に専心するため86年に同団を退団、オランダのデン・ハーグ王立音楽院に留学、シギスヴァルト・クイケンに師事。同院在学中から演奏活動を始め、「レ・ザール・フロリサン」「シャペル・ロワイヤル」「コレギウム・ヴォカーレ」などヨーロッパを代表する古楽器アンサンブルのコンサートマスターを歴任、現在は「ラ・プティット・バンド」のコンサートマスターを務めている。ソリストとしても数多くの著名な楽団とのコンチェルト演奏や独自のリサイタル活動を行っている。また、デンオン・アリアーレからルクレール《ヴァイオリン・ソナタ集》ヘンデル、ビーバーなどCDを次々にリリースし、《コレッリ:ヴァイオリン・ソナタ集》は1995年レコード・アカデミー賞〔音楽史部門〕・《モーツァルト:協奏交響曲ほか》は96年同賞〔協奏曲部門〕を受賞している。現在、デン・ハーグ王立音楽院にて後進の指導にあたっている。また、ブリュッセル王立音楽院、東京芸術大学、福岡古楽音楽祭等に招かれ、マスタークラスやオーケストラ指導なども行っている。2007年度より桐朋学園大学の特任教授に就任する。

フォンス・ムジケ Fons Musicae

 多彩なアイディアに満ちた音楽が生き生きと淀みなく自然に溢れ出るようにと、ラテン語で「音楽の泉」を意味する「フォンス・ムジケ」と名付けられたこのアンサンブルはリュート奏者の今村泰典によって1997年に結成された。主要なメンバーはソプラノのモニック・ザネッティ、カウンター・テナーのパスカル・ベルタン、バイオリンのフランソワ・フェルナンデス、チェロのライナー・ツィッペリング達で、ヨーロッパの古楽界の第一線で活躍し、数多くのCDも録音している著名で優秀な演奏家達である。このアンサンブルは日本では演奏される機会の少ないフランス、イタリア、ドイツ、イギリスのバロック音楽を中心に演奏活動を行う一方で、またパリ、ボローニャ、ロンドンなどの図書館に埋蔵されている未発表の作品を発掘して現代に新しい生命と感動をもたらして高い評価を得ている。
 フォンス・ムジケの最初のCDであるミシェル・ランベールのエア・ド・クール「宮廷歌曲集」はソプラノとカウンター・テナーのデュオとしては世界初の録音となり、グラモフォン、アーリーミュージック・レヴュー、音楽の友など各国の専門誌で絶賛され、フランスの音楽雑誌クラシカにて「クラシカ賞」を受賞した。1999年にジョヴァンニ・ボノンチーニのカンタータ、トリオソナタ集を録音しグラモフォン誌などで絶賛される。続いて2000年夏にはアゴスティーノ・ステファーニのカンタータ、トリオソナタ集を録音し、これはドイツの著名音楽雑誌「フォノ・フォルム」にて「フォノ・フォルム賞」(シュテルネ・デス・モナツ)を受賞し、クラシック部門でその月の「最も優れたCD 6枚」の中に選ばれた。またその他「ディアパソン」、「クラシカ」、「レパートワー」などの音楽雑誌にても絶賛される。その後更にアントニオ・カルダーラのカンタータ、トリオソナタ集やフランチェスコ・ガスパリーニのカンタータの録音を行っている。
 またコンサート活動もさかんで、ドイツのゲッティンゲンのヘンデル音楽祭を始め、マルセイユの古楽音楽祭、ストラスブール古楽音楽祭、スロヴェニアのブレジチェ古楽音楽祭、ルクセンブルク古楽音楽祭などに招待されて絶賛を浴びる。また日本でも1998年4月の初来日を始め、1999年10月、2001年6月、2002年9月と来日し、第5回北とぴあ国際音楽祭を始めとし、第4回福岡古楽音楽祭、札幌コンサートホール、相模大野グリーンホール、葛飾シンフォニーヒルズ、青山バロックザール、ザ・フェニックスホールなどで演奏し絶賛される。
 フォンス・ムジケのホームページはこちら

◆今村 泰典(Yasunori Imamura、リュート)
 大阪に生まれる。スイスのバーゼル市立音楽院古楽器科(スコラ・カントルム)にてオイゲン・M・ドムボワ、ホプキンソン・スミスの両氏にリュートを、また並行して通奏低音およびルネッサンス・バロック演奏解釈をトン・コープマン、ヨハン・ゾンライトナーの両氏に、作曲をヴォルフガング・ナイニンガーに師事し、ソリスト・ディプロマを取得し同校を卒業する。在学中から数少ないソリストとしてまた、通奏低音奏者として各地の音楽祭に招かれ、ヨーロッパ各国から中近東、アジアの国々まで幅広く演奏活動を行っている。ソロのCDとしてS.モリナーロのファンタジア全集、J.S.バッハ・リュート作品全集、R.ド・ヴィゼー・テオルボ作品集、ヴァイスおよびヴァイスがある。バッハのCDに於いては「全てのバッハ・リュート作品全集の録音の中でもっとも説得力があり、感銘深い演奏」、またド・ヴィゼーのCDに於いては「このCDは撥弦楽器におけるルイ14世時代の偉大な世紀の神髄を表している」といずれもフランスのディアパソン誌が絶賛している。最近クラーヴェス社から出されたヴァイス作品集Vol.1はフランスでディアパソン誌賞、「ディアパソン・ドール」を受賞した。一方、バルトリ、ベルガンサ、ミンコフスキー、クリスティ、インマーゼール等と共演し、120枚以上のレコードおよびCDを録音、またテレビやラジオ放送にも数多く出演している。特に2005年チェチリア・バルトリ、マーク・ミンコフスキーと録音したCD「禁じられたオペラOpera Prohibita」は各音楽雑誌で絶賛されミリオンセラーとなる。レ・ムジシャン・ドゥ・ルーヴル(M.ミンコフスキー指揮)、その他数々の古楽アンサンブルのメンバーである。また1997年、アンサンブル「フォンス・ムジケ」を結成し、クラシカ賞、フォノフォルム賞などを受賞する。現在、フランスのストラスブール国立音楽院(コンセルバトワール・ナショナル)リュート科教授、ドイツのフランクフルト国立音楽院(ムジーク・ホッホシューレ)リュート科講師。
◆モニック・ザネッティ(Monique Zanetti、ソプラノ)
 フランスのメッス音楽院を卒業後、メッス大学で音楽学の学位を取得する。そして声楽に目標を定めて、エリザベス・グリューメル、ジャクリーヌ・ボンナルド、ノエル・バーカーそしてラシェル・ヤーカーに師事する。その後、古楽に目覚め、古楽歌唱法を研究し、やがてグスタフ・レオンハルト、ウィリアム・クリスティ、フィリップ・ヘルヴェーゲ、クリストフ・ルセなど著名な音楽家と共演する機会に恵まれ、サント、ヘルネ、ユトレヒト、エクサン・プロヴァンス、インスブルックなどの国際音楽祭に出演し、また、ミラノのスカラ座、パリのオペラ・コミック、ウィーンのムジーク・フェアライン、ブエノスアイレスのテアトロ・コロン、ニューヨークのB.A.M.、ローザンヌのテアターなど、ヨーロッパのみならず南北アメリカの各地でソリストとして招かれ、現在、フランスの古楽歌唱法を行う第一人者として世界的に活躍している。またオペラの分野においても活発に活動し、モンテヴェルディの「オルフェオ」、「ポペアの戴冠」、リュリの「アティス」、パーセルの「ディドとエネアス」、シャルパンティエの「病は気から」、ヘンデルの「ロデリンダ」、モーツアルトの「フィガロの結婚」、メノッティの「ル・メディウム」、マスネの「ヴェルテル」、ドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」などに出演し絶賛される。彼女のレパートリーはバロック時代から古典派、ロマン派さらに20世紀の現代曲にまで及び、メロディー・フランセーズ、ドイツ・リートなどのリサイタルも行っている。またレ・ザール・フロリサン、ラ・シャぺル・ロワイヤル、シュトゥットガルト室内合唱団、ル・パルルマン・ド・ムジーク、タラン・リリックなどのグループと共演し、多数レコーディングしている。そして教育者としても積極的に活動し、現在、フランスのメッス国立音楽院で教鞭をとるかたわら、ヨーロッパ及び南北アメリカ各地そして日本などでマスタークラスの講師として招かれている。
◆フランソワ・フェルナンデス(Francois Fernandez, ヴァイオリン)
 
1960年フランスのルーアンで、音楽一家の中で生まれる。幼少のときからヴァイオリンを始め、12歳の時からシギスヴァルト・クイケンに師事してバロック・ヴァイオリンを始める。この5年後、17歳の時にはこの楽器に専念するようになり、シギスヴァルト・クイケンの率いる「ラ・プティット・バンド」にてメンバーとして演奏する。その後、オランダのハーグ王立音楽院のシギスヴァルト・クイケンのクラスに入学して、1980年にソリスト・ディプロマを得る。1986年には「ラ・プティット・バンド」のコンサート・マスターに招かれる。この時期から「ラ・シャペル・ロワイヤル」(フィリップ・ヘルヴェッヘ)、「18世紀オーケストラ」(フランス・ブリュッヘン)、「メランテ81」(ボブ・ファン・アスペレン)などのバロック・オーケストラからソリストやコンサート・マスターとして招かれる。現在、彼はオーケストラで演奏することを止めて、もっぱらソロ活動、あるいはクイケン・カルテット、リチェルカーレ・コンソート、アンタイ兄弟などの室内楽の演奏に専念している。CD録音はすでに100枚にものぼるが、その中でもとりわけ、ソロCDのルクレールのヴァイオリン・ソナタ集はグラモフォン賞を受賞する。また2人の友達、フィリップ・ピエローとライナー・ツィッペリングとともに創設したレコード会社「フローラ」レーベルにて、2002年にJ.S.バッハの無伴奏ソナタとパルティータの全集を録音した。トゥールーズ国立音楽院、リエージュ国立音楽院、ブリュッセル王立音楽院そしてトロッシンゲン国立音楽院にて教鞭をとり、現在はパリ高等音楽院バロック・ヴァイオリン科教授。またスペインやベルギーなどでマスターコースの講師として招かれている。
◆ライナー・ツィッペリング(Rainer Zipperling, ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ)
 父親がチェリストという音楽的環境の中で、幼少のころからチェロを学び、ケルン国立音楽院で学んだ後、バロック音楽を更に深く学ぶためにデン・ハーグの王立音楽院に入学し、そこでバロック・チェロをアンナー・ベルスマに、ヴィオラ・ダ・ガンバをヴィーラント・クイケンに師事する。在学中すでに、通奏低音奏者として経験を積み、シギスヴァルト、およびヴィーラント・クイケン、グスタフ・レオンハルト、アンナー・ベルスマ、ジョン・エリオット・ガーディナー、フランス・ブリュッヘンなどの著名な音楽家と一緒に演奏する機会を得る。現在、彼は「古楽」の分野で最もよく知られたガンバ奏者、チェロ奏者に数えられ、数多くのアンサンブルと共演し、また18世紀オーケストラ、リチェルカーレ・コンソート、カメラータ・ケルンなどのメンバーである。またCD録音も多く、その数は実に300枚を越す。また演奏活動と並行して、ポルトガル、フランス、イスラエル、ハンガリー、スペイン、ロシア、チェコなどで定期的にマスタークラスの講師に招かれて、その傍ら、ケルン国立音楽院教授、フランクフルト国立音楽院講師として教育活動に従事している。また2人の友達、フィリップ・ピエローとフランソワ・フェルナンデスとともにレコード会社「フローラ」を設立。同レーベルにて、2001年にハイドンの「バリトン、ビオラ、チェロの為のディベルティメント」が発売され、2002年にJ.S.バッハの無伴奏チェロソナタの全集を録音した。
◆北谷直樹(Naoki Kitaya, チェンバロ)
 北谷直樹はチューリッヒ音楽大学にてヨハン・ゾンライトナーに師事しソロイスト・ディプロマを取得し、優秀な成績で卒業する。またそれと並行してザルツブルク、パリ、バーゼルの音楽大学などでニコラス・ハーノンクール、アンドレアス・シュターヤー、ヘルムート・ヴァルヒャおよびオリヴィエ・メシアンの各氏にも師事し、その後、母校チューリッヒ音楽大学で通奏低音の先生として3年間教鞭をとった後、フリーの演奏家として活動する。彼のその色彩豊かな表現力、技術の確実性そして即興性にあふれる情緒豊かな演奏は各音楽雑誌、新聞などにおいてとても高い評価を得ている。ソリストとして、あるいは室内楽奏者(通奏低音奏者)としてスイスを拠点にヨーロッパ各地で活動し、また著名な音楽家の信頼も厚く、チェチリア・バルトリ、ジュリアーノ・カルミニョーラ、エリザベス・ウォルフィッシュ、ジェームズ・ゴールウェイ、ラインハルト・ギョーベル、ハインツ・ホリガー、ハインリッヒ・シフ、モーリス・シュテーガー、ミカラ・ペトリ達と共演する。彼の活動はバロック音楽の演奏のみならずクラシック、ジャズ、ポップス、アジアの民俗音楽、ラテンアメリカの音楽と多彩にわたり、また作曲家としても活動しており、彼のオーケストラや室内楽の為の彼の作品はテレビやラジオでも放送されている。ルイ・クープランおよびバッハのソロCDそして彼のデュオ・パートナー、モーリス・シュテーガーとの数々のCDは音楽界で話題を呼んでいる。福岡古楽音楽祭には初登場。

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