回折リングについて
光の波動性から回折リングが出来るイメージを整理しました。
ポイントは、回折光線に位相差が発生することだと思います。
(1)回折光線の説明図

 
(2)明暗のある回折リングが出来る理由
 
上の図で回折像の光の強度分布を求める式はベッセル関数により表現できますが、
この式の導出には相当面倒な積分式を用います。このあたりの説明は、私が理解
出来たら報告します。
理解するための手順としては、
「Huygens-Fresnelの原理→Helmholtz-Kirchhoffの積分定理(ここでGreenの
 定理やFourier変換の知識が必要)→Fresnel-Kirchhoffの回折積分→円形開口
 のFraunhofer回折」になると思います。

(余談)光の回折現象は、量子力学では不確定性原理(*)にもとずくものだそうです。
(回折環の説明では、光の干渉が一般的ですが、光は所謂wave/particle duality
 という波と粒子の2面性がありますので、ここでは、粒子として見た場合の回折
 リングの話しです。)量子力学では、光はphotonからなりますが、レンズを通った
 photonの到達位置は焦点の周りに分散し、これがエアリ−ディスクや回折リング
 を形成するということです。レンズで一点に収束させているはずなのにphotonが
 一点に収束しないこと、言い換えるとphotonの位置が確率的にしか捕らえること
 が出来ないということこそ不確定性原理によるものです。エアリ−ディスクや回折
 リングはphotonが存在するエリアになりますが、そのサイズは不確定の程度を示す
 プランク定数から求めることが出来ます。
 →レンズにより焦点の方向に加わるモーメントΔPyと焦点からのY方向の位置Δy
  の積はプランク定数となるのでレンズが大きくなるとΔPyが増加し、逆にΔyは
  小さくなります。Δyの軌跡がエアリ−ディスクなので、このことから、レンズ
  が大きくなるとエアリ−ディスクが小さくなることが分かります。

 望遠鏡で2重星を見るということは、回折像を通して不確定性原理という現代物理
 の基本原理を体験しているとも言えます。(詳細は、Star Testing Astronomical
  Telescopeの59〜61ページを参照して下さい。)
 (*)ハイゼンベルグの不確定性原理(The uncertainty principle)のことです。
  これの説明は、S.W.Hawkingの「A Brief History of Time」という本が分り
  やすいと思います。量子の世界では、物体の位置を測定しようとして光を当てる
  とそのエネルギーで物体に位置が移動し正確な位置を測定することが出来ません。
  より正確に位置を測定しよとして波長に短い光を当てると、波長の短い光はより
  大きなエネルギーを持っているのでますます対象の物体を撹乱します。結局、
  「物体の位置の不確実さ」と「物体の動き(速度)の不確実さ」と「物体の質量」
  を掛けた値はある定数以下にはならないというのがハイゼンベルグの不確定性原理
  です。この定数はプランク定数と云われます。