双眼装置について(注)
(注)双眼装置は2003年7月に中古店に手放しました。主な理由は、赤道儀での使い勝手の
悪いこと、二重星等高倍率では殆ど使用しないことなどです。

望遠鏡のアクセサリーに双眼装置(Binocular Viewer)というのがあります。これは、望遠鏡の
接眼部につけてビームスプリッターにより対物レンズの光を2つに分ける装置です。
この双眼装置にアイピースを2個つけることにより1個の望遠鏡が恰も双眼望遠鏡のように機能する
わけです。人間は2つの眼で見るのが自然ですから、この装置は非常に便利なものです。私もこれを
購入したころはいろんな天体を双眼で見ました。ところが最近はあまり使用していません。
(月の全景を見るときくらいです。結局、月を見るのに使用するのが一番良いというところに落ち着
いたようです。他に双眼装置で見て印象深かったのは、オリオン大星雲と二重星団です。惑星は、
それほどでもありません。)購入当時の熱から冷めるとあまり利用していないことに気がつきました。
結局、双眼装置は、天体望遠鏡に常時付けるものではなく、時々、オプション的に使用するようなもの
であるという気がします。(顕微鏡の場合は、逆に、双眼装置使用が前提のようですが。)
その理由を考えてみると、「天体望遠鏡の構造」と「光を2つに分けることによる像への影響」にある
のではないかと思います。
「天体望遠鏡の構造」について
天体望遠鏡(特に赤道儀式)は見る対象を移す毎に接眼部の位置が変わり、その都度、双眼装置の位置
を回転させなければなりません。また、接眼部に天頂プリズムを付けさらに双眼装置をつけるとなると
相当な重さが掛かり不安定な感じがします。この点、顕微鏡の世界では、見る位置が固定されている
ので双眼装置をつけるのが普及しているのではないかと思います。望遠鏡でも覗く位置が変わらない
クーデ式ならばこの問題は解決しますが、クーデ式望遠鏡はアマチュア用では見かけません。

上の写真は、望遠鏡に双眼装置を付けた状態。天頂プリズムの上に
付けるので見た目にもバランスが悪い。(重量もかなりかかる。)
「光を2つに分けることによる像への影響」について
双眼装置で見る星像は、幾分膨らんだように見えます。少なくとも針で突いたような鋭像ではありま
せん。高倍率で分解能の限界に迫る二重星を見るというような場合には、やはり単眼ということになり
ます。双眼で見る散開星団やオリオン星雲の迫力ある見え方もたまに見るからよいのかもしれません。
(追記1)双眼装置はお金のかかるアクセサリーとも言えます。双眼装置を使用するためにはアイピース
を2個用意しないといけないので2倍の費用がかかります。私も双眼装置で見るためアッベアイ
ピースA-25mm,A-34mmとTelevueナグラー7mm、プルーセル32mm、Masuyamaの
10mmを各2個ずつ購入しました。この費用だけでもかなりのものです。
(追記2)双眼装置は光路長が必要なので低倍率が出しにくくなります。(私の場合、光路長延長のため
約1.4倍のバローレンズを双眼装置の前(注)につけています。)また、A-34mmをつけて
見ると視野の周辺が蹴られます。一方、プルーセル32mmではきれいに周辺が見えます。
32mmあたりが双眼装置につける長焦点アイピースの限界なのかプルーセル32mmが双眼装置
と同じメーカーなので相性が良いのか原因不明です。(せっかくA-34mmを2個揃えたのに
現在は1個しか使っていません。)
(注)正確には、光路長延長のための約1.4倍のバローレンズ(左のレンズ)は、
天頂プリズムの前にねじ込み式で装着します(下の写真)。

(追記3)双眼装置は地上の景色を見るのにも適していると思います。私の望遠鏡もフリーストップの
経緯台にのせて双眼装置付のフィールドスコープに出来ないかと思っています。
(追記4)双眼装置のレビュー記事;
天文雑誌Astronomyの1995年9月号にTeleVue's New Binocular Viewerという
レビュー記事があります。
(追記5)双眼視については、過去の天文ガイドに近内令一氏の「単眼視VS双眼視」という非常に
興味深い記事がありました。(双眼視は単眼視よりどの程度よく見えるかなどが載って
います。)
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