星見雑記帳 2001年1月1日〜
2月17日
Cloudy Nights Telescope Reviews を見ているとAstro-Physics 10-inch
Makstov-Cassegrainの詳細
なレポートが載っていました。星像レポートによるとかなり優秀な光学系のようですが、シリウスBの分離は難し
いと書いてありました。
http://www.cloudynights.com/reviews.htm
2月12日
一昨日、新宿紀伊国屋でGerald North著のObserving the Moon:The modern
astronomer's guide(Cambridge
Univ. Press)を購入しました。月面の代表的な地形の見え方が望遠鏡での約50枚のスケッチと多数の写真で説明され
ていてなかなか良い本だと思います(A to Z of selected lunar landscapes)。

ところで、メシエ天体にはS.J.O'MearaのMessier Objectsという様に対象別に気に入った本がありますが、
二重星に関しては海外も含めて適当な本(二重星のみをテーマとした本)を見かけたことがありません。
2月4日
(1)昨日は、初めて常観(常磐線沿線観望会)へ参加しました。筑波市の万博記念公園まで高速を使って約2時間弱の
距離でした。(免許取り立ての私としては、運転の最長距離です。)主に月、惑星を双眼装置で見ました。
(2)星見地点候補
北茨城市から山の方へ10KM弱の所にある水沼ダム付近(花園花貫県立自然公園)の写真です。
周りは低い山に囲まれ星を見る環境としては良いと思われます。(すぐ横に公園/駐車場があります。)
交通は、常磐自動車道の北茨城インターを降りて30分弱の所です。

(3)APQの広告
1995年頃の海外天文誌に載っていたAPQの広告です。APQ130/1000で撮影したM42が載っています。

1月28日
天体写真の撮影地に九州大分の久住が時々出ています。私は出身が九州の博多で学生時代に九重山へはよく
行っていました。九重は山の総称で最高峰の山の名が久住山です。阿蘇山へつながる高原が広大で日本ばなれ
した所でした。星を見るのには良い所で、帰省の途中に寄りたいと思いながらなかなか実現出来ていません。
下の写真は、九重山の一つの三俣山です。この山を越えた所に坊ガつるという湿原地帯があり、九州の尾瀬
と言われていました。(そういえば坊ガつる讃歌という歌もありました。)九重山付近は、温泉も多く旅行先
としても良い所です。

1月27日
このところ週末天気が悪く星見は休止中。今朝も朝は雪、午後から強風と雨で大荒れの天気です。昔の天文雑誌
を見ていると「天体望遠鏡をテストする」というシリーズ物の記事がありましたが、最近のテストレポートに較べて
結構率直な指摘が多いようでした。例えば、6cm、F=20の長焦点屈折のレビューで「レンズの外周部が焦点距離
が長く、輪帯収差が強い。また、Fが暗いのに色消しは十分とは言えない。」とか、別の6cmで「極限等級は10.0
等どまりでやや不足。色もだいぶ出ているようで高級品には程遠い。」等。
望遠鏡の性能が良くなったから辛口の批評がないのか、最近のテストレポートは海外も含めて穏やかな気がします。
天体望遠鏡広告20年史(65年〜84年)という記事は、望遠鏡の変遷が解って面白い内容です。66年のV社6cm
屈折には、エルフレ20mm付属が目玉。65年にはT社6.5cm屈折。今みてもガッシリとした作り。68年はN社の
8cm屈折。71年になるとセミアポのT社8cm屈折が出現。広告宣伝には、「116"/Dmmに挑戦」と有り。(当時
の望遠鏡ではドーズリミットは難しかった?)72年には、T社のアポクロマート8cm屈折が出現。この時期、
セレストロンのシュミカセが日本のディーラーから発売。C8型で値段はなんと49万5千円。当時の物価を考えると
大変な価格。73年にはT社の6.5cm3枚玉。天体写真が盛んになった頃?77年にはT社のフローライトの9cm屈折
が出現。同年に、日本のG社製の10cmマクストフカセグレンが発売される。今見ても中々スタイルが良い。
79年、土星の輪消失の年。ユニトロンのZ3という7.5cm屈折を平面鏡で2回反射させ鏡筒を短くした望遠鏡が
出る。スタイルもユニークな望遠鏡。80年は、N社の10cm二枚玉アポクロマート屈折(EDレンズ)が出る。
これがN社の最後の望遠鏡となる。・・・私が天文を中断していた時期の望遠鏡の概観が分かりました。
広告と云えば、海外の天文誌の望遠鏡広告の表現にはおもしろいのがあります。オーストラリアの販売店の広告で
日本のT社のフローライト屈折を「The Rolls-Royce of Astronomical Equipment!」という表現で宣伝してい
るのを見かけました。車の最高峰(ロールス・ロイス)に例えて望遠鏡界の最高峰という意味でしょうか。
そう云えばこれと似た表現で、Zeissのマクストフ・カセグレンMAK180/1800を「望遠鏡界のポルシェ」と
例えた記事が日本の天文誌にあったような気がします。
(追記)www.BuyTelescopes.comには、Questar望遠鏡の宣伝で「Rolex,Ferrai,Faberge,Questar」という
のがありました。
1月22日 星見地点候補?
昨日は北茨城市から山の方へ10KM弱の所にある水沼ダムまで行って来ました。出かけたのは昼間ですが、周りは
低い山に囲まれ星を見る環境としては良いと思われます。(すぐ横に公園/駐車場があります。)ダムへの道は所々
雪がありましたので冬期は天候に注意が必要です。交通は、常磐自動車道の北茨城インターを降りて30分弱の所です。
1月20日
望遠鏡の接眼部を描いてみました。ファインダーを鏡筒の回りに回転させることにより、覗く位置を自由に
出来るのは大変便利です。回転による偏心はごくわずかで実用上問題ない程度です。

1月14日
天頂プリズムのスケッチをしてみました。プリズムは真鍮の金枠に納められて
いて重量感があります。望遠鏡の接眼部とはワンタッチ交換リングで接続され、
天頂プリズムの方向回転が素早く出来ます。

1月8日
自宅で星見をするときの様子を紹介します。
(1)短時間の場合は2階ベランダですが、基本的に自宅横の空地が星見場所です。

(2)星見道具は下記の様にセッティングしています。
自宅では、主に二重星めぐりです。

1月7日
(1)鏡像イメージの星図
私が使用している望遠鏡の接眼部は天頂プリズムが必須の組合せなので左右逆の鏡像となります。
そのため星図をパソコン上で左右裏返してみました(下記)。オリオン52付近の11等級までの
星図です。(Millennium Star Atlas ,SKY PUBLISHINGより)
1月4日に自宅から4インチ屈折でオリオン52付近を見比べると、10等級までの星が見えてい
ました(上弦の月が鯨座付近に有り)。4インチ屈折の極限等級は12.7(APQのカタログ値)です
から2等以上の差があります。星雲や暗い伴星の二重星を自宅から見るのは適さないと言えます。

逆に、望遠鏡でスケッチしたものはパソコン上で左右逆転した方が良いと言えます。
(2)二重星の難易度比較
「4インチ屈折でどこまで見えるか?」というレポートに二重星の難易度比較を追加して作成中
です。同一条件で2つを比較し、BがAより難しいならA<B,CがBより難しいならB<Cとします。
この結果としてA<B<Cという難易度ランクが作成されます。この比較のメリットは、A,Bが同時
に見えるのが春、B,Cが同時に見えるのが夏というように見える季節が違い同時に比較できない
A,C星もBを介して比較出来ることです。このようにしてランキングを繋いでいけば全天の二重星
難易度ランクが出来るのではないかと思います。このやりかたは、局所から大局へ空間を繋ぐと
いう数学でよく行う手法を少し連想します。(多様体(Manifold)、リーマン空間等:ローカル
には微分可能な単純な空間を繋いでいき、より複雑なグローバルな空間を作る等。我々の宇宙も
局所的には3次元ですがグローバルには4次元空間です。)
(3)八溝山案内
去年の暮に星見に行った八溝山の案内です。阿武隈山地の奥深く、茨城県大子町と福島県との県境
にある1022mの山です。山頂まで林道があり車で行けます。山頂直下に駐車場有。冬の晴天率は
高く、空の状態は里美村より良いと聞いています。山頂からは360度の展望が得られます。日立市
内から車で約1.5時間。東京からだと高速利用で3〜4時間位?。ここで見る星雲/星団は筆舌に尽し
難いものがあります。

(4)非常識な高倍率とディフラクション・リミテッドの関係について
二重星の分離で口径(cm)の30倍(=10cmでは300倍)を使用することがよくありますが、
これ以上の高倍率は所謂「非常識な高倍率」の部類になると思います。(30倍でも高すぎると云う
人も多いと思いますが)
ところで、「望遠鏡で非常識な(?)高倍率・・」については、多少疑問点があります。いわゆる
ディフラクション・リミテッドに達している望遠鏡(PーV波面収差でλ/4、RMS波面収差で約λ/14、
ストレール強度で80%相当)ならば、その光学系は、回折のみによる制限を受けた像質と云われて
いるので、気流が安定していれば(分解能は変わらないとしても)倍率を上げることは可能な気がし
ますが。非常識な(?)高倍率でも回折像が良く見えるためには、ディフラクション・リミテッド以上
の高精度が必要なのかがよくわからないところです。ディフラクション・リミテッド相当の収差のさら
なる改善の意味するところは?。私が思いつくところでは、
(1)気流に対する抵抗力をつけること。
(2)ディフラクション・リミテッドに達しているかを計る指標(PーVやRMS波面収差)は誤差
の区間または標準偏差なので光学系の精度を表す必要条件であっても十分条件ではなく、
その値は出来るだけ小さくした方がよい。
などが考えられます。
1月3日
二重星を幾つか見ましたが、今日は気流が悪くアルニタクも分離できない状態でした。一応見る
ことが出来たのはリゲル、カストルで御者座θ、鯨座γも難しい状況でした。条件が良ければオリ
オン52を見るつもりでしたが位置の確認のみにしました。
1月1日
(1)初星見
夕方、金星と月がきれいだったので望遠鏡で眺めました。金星は半月状で大気の影響か像が
クリアではありませんでした。月は半月少し前で50倍で見ると地球照がきれいに見えていま
した(下記)。月の明るい部分をアイピースの視野からはずして地球照部分のみを見てみまし
たが月の地形までは分かりませんでした。

(2)S&T
S&Tの2月号が12月31日に届きました。Televue 102のテストレポートを読みました
が、眼視も出来る小口径屈折の需要は米国でもあるようです。記事の中にドーズリミット
を超えてという内容があり、関連記事として11月号の「Beyond the Dawes Limit:Observing
Saturn's Ring Divions」を読みました。この記事のBeyond the Dawes Limitの意味の一部は、
High Resolution Astrophotography(Jean Dragesco著)と同様だと思われます。
(注)High Resolution Astrophotography(Jean Dragesco著)の例;
例として、月のアルペン谷のrilleは0".27の幅しかないのにドーズリミットが
0".6の20cm望遠鏡で見えるということや土星のカッシーニ空隙が0".5しかない
のに小望遠鏡で見えること。また、分解能が見る対象により異なる例をいくつか
挙げています。その一例として、白い雲を背景にした遠くの2本の電線(間隔が5".5)
これは、肉眼の一般的な分解能(約60")の10倍の解像力です。その他、明るい
背景の黒いディスクよりも暗い背景の白いディスクのほうが解像力が上がる等。
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