星見雑記帳 2000年5月24日〜7月30日 English
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7月30日
最近天気が良くなって来ましたが、シーイングはいま一つです。星がかなり瞬いているのが見えます。
高倍率の二重星には向かない天気なので、土、日と双眼鏡で射手座付近を眺めました。ところで、
今年の夏はかなり暑い日が続いているようですが、私の家はクーラーなしです。扇風機もまだ出して
いません。周囲が山と森で海にも近いせいか自然の風で過ごせます。また、夜は、屋根の放射冷却を
利用して自然の冷気を室内に取り込む機構の家になっているので快適に過ごせます。最近の家は、断熱
性能が高く、金属膜を張ったペアガラスで赤外・紫外線をカットしているので夏の日ざしによる室内の
温度上昇も押さえられているようです。OMソーラーのフォルクスハウスという木造打ちっぱなしの家
ですが、冬の暖房費はもちろん夏の冷房費も不要で、夏はソーラー熱による給湯でガス代も相当節約
できそうです(晴れた日には、約60度のお湯がバスタブ2杯分くらい取れます)。
7月28日
シリウスの回折像を描いてみました。回折像と伴星の位置関係は、10cmの望遠鏡のケースです。
伴星の光度は8.7等なので、図から回折リングのほうが明るいことがわかります。最大離角時でも
10cmでは無理ではないかと思います。1996年2月に25cm反射で見えたというのが雑誌にのって
いましたから、数年以内に、優秀な20cmクラスの望遠鏡なら最良のシーイング時に見えてくるので
はないかと思います。特に不等光二重星を見る場合、優秀なという意味は、ストレール強度(レシオ)
だと思います。これは、エアリ−ディスクに集まる光の強度と、無収差の光学系のエアリ−ディスク
に集まる光の強度との比のことで、ストレール強度が100%ならば完璧な光学系です。ストレール
強度が低いということは、本来エアリ−ディスクに集まるべき光がエアリ−ディスクの周辺に拡散
されることです。これは、伴星を見えにくくすることになります。光学精度の目安になっている
波面収差λ/4は、ストレール強度では約80%相当です。つまり、20%の光がエアリ−ディスク
の周辺に拡散していることになります。この意味から、ストレール強度は出来るだけ100%に近い
のが望ましいと云えます。
7月27日
APQのレンズ検査証明書をよく見ると、P-V波面収差が98.8nm(±49.4nm)であることがわかりました。
この値は、λ=632.8nmとして、98.8/632.8=λ/6.4となります。rms=18nm(λ/35)から近似式で求めた
値では、P-V波面収差はλ/10に相当ですからやや開きがあります。rms波面収差は、標準偏差なのでP-V
波面収差よりは、レンズの精度をよく表しているのではないかと思います。
レンズ検査証明書の上の図は、波面分析図でrmsの値の分布がよくわかります。下の図は、ストレール強度
分布(光学系の最も重要な性能指針)です。ストレール強度が80%に達すると、その光学系は回折のみの
制限、いわゆるディフラクション・リミテッドに達すると云われています。
7月26日
最近、夕方以降の天気があまり良くありません。星が見えないので有名な2重星が発見された
頃について少し調べてみました。
(1)シリウス
1862年にAlvan Clarkが、46cm屈折レンズのテスト時にその伴星(8.7等)を発見したこと
で有名です。このときの離角は、10秒だったということです。その後、離角が減少し1889年
に5秒、1896年に3.7秒になったのをリック天文台の90cm屈折が確認した記録があるそうです。
1970年〜80年代前半頃は10〜11秒の離角があり、15cmクラスの望遠鏡で見えたそうです。
最近は、4.5秒位ですから小口径の対象外です。シリウス主星の光度から回折リングの明るさを
試算してみると、第10リングでも伴星より明るいのではないかと思います。これから2025年
頃に向けて離角はしだいに大きくなっていきます。月刊天文1996年7月号には、25cm
ニュートン式反射300倍でスケッチしたシリウスBがのっていました。1996年だと離角は
4秒程度だと思いますが、このころ25cmでシリウス伴星を見た人がいるというのは驚きです。
(2)ケンタウルス座ベータ星(固有名:Hadar)
0.7等星と4.0等星の二重星。1935年にJ.C.VouteがLembang天文台のツアイス60cm屈折
により分離。当時の離角は、1.12秒。1991年時点で0.87秒。最近ではもっと接近している
とのこと。
(3)アンタレス
「アンタレスを見る」というレポートにも書きましたが、アンタレスの伴星は、星食観測の
とき月の暗い縁からアンタレスが出る直前になって伴星がさきに飛び出して来たことにより
発見されたそうです。(1819年)
7月16日
(1)今日は皆既月食の日ですが、月食前に久しぶりにアンタレスを見ました。薄雲がかかった
天気ですが、青い伴星がよく見えました。最高倍率で見るピッタリ寄り添った伴星の青と主星
の紅の色の対比の美しさを味わうことが出来ました。今までの経験からしてもこういう薄雲が
かかった日のほうがアンタレスの伴星は見やすいようです。
また、エアリ−ディスクの大きさが光の波長により変わるのを確認するため、青いセロファン
をアイピースの上にのせてアンタレスを見ました。青いアンタレスのエアリ−ディスクは確かに
小さくなっているようでした。
余談ですが、主星が赤い星で、伴星が白、青等赤い星でないような2重星の場合、適度な透過度
の青色のフィルターがあれば、主星と伴星の光度差を縮める、主星のエアリ−ディスクが小さく
なるの2点から分離が楽になると思います。
(2)不等光2重星の分離限界
ドーズのリミットは等光2重星についての話しですが、2重星は不等光のものが圧倒的に多い。
そこで不等光2重星についてドーズのリミットのような関係式が成立しないかグラフを作成
してみました。下の散布図は、X軸に重星の光度差(2.512^(m2-m1))をとり、y軸に重星の
離角(秒)をとったものです。対象の2重星は、下の表の1から8です。
散布図上の直線は、光度差0での口径10cmのドーズリミットとアンタレスの値を結んだ
ものです。アンタレスを10cmでの不等光重星の分離限界に近いと看做しています。
d=0.025*(2.512^(m2-m1)+1.075・・・・(1)
m2:伴星の光度、m1:主星の光度 ^ は、exponentialを表します。
この式でm1=m2(つまり、等光2重星)とすると、d=1.1となりドーズリミットに一致します。
この直線より上は10cmの分離可能領域と考えます。
この式を10cm以外でも適用できるよに(1)式を改良して
d=(0.025*(2.512^(m2-m1)+1.075)*100/D
D:望遠鏡の口径(mm)
と単純に拡張できるかどうか検討要です。
また、(1)式は、伴星がディフラクション・リングの近くではうまくいきそうですが、リゲル
のように離角が大きくなると成立しません。伴星が或程度離れたところで(1)式の傾きを緩やか
にする必要がありそうです。伴星がディフラクション・リングの明るさから解放されるのでこれ
を(1)式に考慮する必要があると思います。
7月15日
最近、天気が悪い日が続いているのでしばらく星は見ていません。
天文ガイドの8月号のシュミットカセグレンのテストレポートに2重星の見え方のシミュレーションがあり
参考になりました。この中で、シュミットカセグレンの波面収差がλ/4ぎりぎりに収まっているとあり、
シュミカセの光学精度を初めて知りました。波面収差がλ/4ならば、光学精度の許容限度(一応、回折のみ
の像質、いわゆるディフラクション・リミテッドに達している)にあると云えます。
波面収差を公表している所が少ないのでテストレポートで測定結果を載せると非常に参考になります。
私が今まで知っている範囲では、各望遠鏡(鏡)の精度は下記です(参考までに);
これを見ると写真をメインとした望遠鏡は精度より平坦性が重要ということでしょうか、波面収差の精度はかなり
低いようです。また、Nikon10cmEDは、この情報が正しいなら凄い精度だと思います。
波面収差の定義にPーVとRMSがありますが、単に波面収差という場合は、P-V波面収差を指します。波面収差は、
P-V波面収差、RMS波面収差いずれも光学精度の必要条件ではあっても十分条件ではないので、あまり絶対化せず
にひとつの目安と考えたほうがよいと思います。良く見える望遠鏡かどうかは、実際に星を見て確認するのがベスト
だと思います。
望遠鏡 | 使用レンズ叉は鏡の精度 | 備考 |
Starsplitter | λ/10(製造基準) | 波面収差を指していると思われます。 |
Questar(マクストフ・カセグレン) | 波面収差λ/10叉はこれ以上 | |
Zeiss | (1)マクストフ・カセグレンの品質基準 →RMS波面収差=λ/20以上⇒P-V波面収差では、λ/6以上に相当(注1) (2)APQレンズ(フローライトトリプレット)の品質基準 →RMS波面収差=λ/28以上⇒P-V波面収差では、λ/8以上に相当(注1) ちなみに、私の10cmは、λ=632.8nmで測定して(注2)RMS波面収差 =λ/35、P-V波面収差では、λ/10に相当です。 |
品質基準はカタログより |
国産フローライトトリプレット 10cm |
λ=633nmで測定して(注2)、 RMS波面収差=λ/21⇒P-V波面収差では、λ/6に相当(注1) |
或月刊雑誌のテストレポート(1994年5月号)より |
写真兼用のアポ 10cm屈折 (国産) |
λ=633nmで測定して(注2)、 (事例1)RMS波面収差=λ/9⇒P-V波面収差では、λ/3に相当(注1) (事例2)RMS波面収差=λ/8⇒P-V波面収差では、λ/2に相当(注1) |
同上 |
スターマスター | P-V波面収差=λ/30,RMS波面収差=λ/74 | telescope−reviewサイトより |
Nikon10cmED | RMS波面収差=λ/70⇒P-V波面収差では、λ/20に相当(注1) | APM Markus Ludesの中古望遠鏡情報より |
7月8日
今日は、回折現象など3件の説明図を書いてみました。
(1)回折現象
光の回折現象でよく使われる説明図はFig.1です。望遠鏡による星の回折現象もこれと同じ原理です。
レンズの端で光が回り込むことにより回折現象が起きます。レンズの縁がFig.1のスリットと同様な役割
となっています。
Fig.3は、光を粒子(Photon)と考えて回折現象を説明した図です。レンズにより焦点の方向に加わる
モーメントΔPyと焦点からのY方向の位置Δyの積はプランク定数となるのでレンズが大きくなるとΔPy
が増加し、逆にΔyは小さくなります。Δyの軌跡がエアリ−ディスクなので、このことから、レンズが
大きくなるとエアリ−ディスクが小さくなることが分かります。
(2)球状星団
球状星団の見え方と光の光度分布についてイメージ図を書いてみました。
下の図の中央の光度分布は、球状星団を構成する星の光度分布とします。球状星団が小口径の望遠鏡
で星雲状なのは、集光力は小さく球状星団を構成する星の光度分布のピークが低いため。
一方、口径が大きくなると、球状星団を構成する星の光度分布のピークが上昇し眼に見えるようになる。
こう考えると、球状星団を星に分解するのは主に集光力が増加したため暗い星が見えるようになったと
いうことだと思います。
(3)筒内気流
筒内気流が反射系によく発生しますが、筒内気流のイメージは下記です。
暖かい空気は上に上昇する傾向があり、望遠鏡は、一般的に鏡筒を上の方向に向けますので
筒内気流は鏡筒の下部に鏡がある反射系によく発生します。(屈折でも4群4枚のぺッツバール
系では多少発生するのではないかと思います。)鏡筒内部の上側を通過する光はheated air
の影響を受けるので、回折像の下方向に柱状のものが見えます。
Open-Truss構造だとheated airが抜けるので筒内気流の影響が少ないのは自明ですが、
Open-Truss構造のCatadioptric望遠鏡を見たことがありません。(製作されない理由は
光軸修正の問題?)
7月7日
(1)エアリ−ディスクのエアリ−を海外のサイトで検索してみました。
英国の科学者で天文学者であるSir George Biddell Airyに由来するそうです。
内容については、下記のWEBを参照下さい。
http://britannica.com/bcom/eb/article/9/0,5716,5279+1,00.html
(2)雑誌Astronomyの1990年6月号に、Our Optics Rating Systemというレンズのランク基準例がのって
いました。ランクを次のようにA(ベスト)からE(ワースト)に分けています。10年前の話しですが、
最近の望遠鏡のレベルは向上しているでしょうか。
・ランクA:ほぼ完璧なエアリ−ディスクが見える。
・ランクA−(Aマイナス):ディフラクション・リミテッドには達しているが、よく見るとわずかな欠点がある。
・ランクB:エアリ−ディスクが面積で約2倍くらい(直径で1.4倍)に肥大して見える。
・ランクC:星がぼやけた円となりエアリ−ディスクが直径で約2倍に肥大して見える。ランクCが望遠鏡として
受け入れられる最低レベル。
(ランクD以下は省略)
なお、このAstronomyの1990年6月号には、4つの4インチクラス望遠鏡のテストレポートがのっていました。
4つの望遠鏡とは、Astro-Physics 4-inch StarFire 102 , Celestron SP-C102F
, TeleVue Genesis ,
VERNONscope 94mm f/7 Brandonです。VERNONscopeの赤道儀は、aus Jena のTelementor
Equatorial
という東独ツアイス製で、私の赤道儀と同じものでした。VERNONscopeという望遠鏡は、聞いたことがありま
せんでしたが、BrandonというQuestar望遠鏡用のアイピースを供給していることで有名だそうです。
7月4日
最近、2重星の観察で回折像をよく見ますが、この現象は、量子力学でいうところの不確定性原理(注)にもとずく
ものだそうです。(回折環の説明では、光の干渉が一般的ですが、光は所謂wave/particle dualityという波と粒子の
2面性がありますので、ここでは、粒子として見た場合の回折環の話しです。)
量子力学では、光はphotonからなりますが、レンズを通ったphotonの到達位置は焦点の周りに分散し、これがエアリ−
ディスクや回折リングを形成するということです。レンズで一点に収束させているはずなのにphotonが一点に収束しない
こと、言い換えるとphotonの位置が確率的にしか捕らえることが出来ないということこそ不確定性原理によるものです。
エアリ−ディスクや回折リングはphotonが存在するエリアになりますが、そのサイズは不確定の程度を示すプランク定数
から求めることが出来ます。望遠鏡で2重星を見るということは、回折像を通して不確定性原理という現代物理学の基本
原理を体験しているとも言えます。
(詳細は、Star Testing Astronomical Telescopeの59〜61ページを参照して下さい。)
(注)ハイゼンベルグの不確定性原理(The uncertainty principle)のことです。これの説明は、S.W.Hawkingの
「A Brief History of Time」という本が分りやすいと思います。量子の世界では、物体の位置を測定
しようとして光を当てるとそのエネルギーで物体に位置が移動し正確な位置を測定することが出来ません。
より正確に位置を測定しよとして波長に短い光を当てると、波長の短い光はより大きなエネルギーを持って
いるのでますます対象の物体を撹乱します。結局、「物体の位置の不確実さ」と「物体の動き(速度)の不確実さ」
と「物体の質量」を掛けた値はある定数以下にはならないというのがハイゼンベルグの不確定性原理です。
この定数はプランク定数と云われます。
6月29日
ここのところ天気が悪い日が続いて星見は休止中です。2重星の分離のドーズリミットのDawesをインターネット
の海外のサイトで検索してみました。Family of William DawesホームページのFamous Dawes relativesに
ドーズ・リミットのドーズの父と本人が出て来ました;
(1)Lt.William Dawes
Born:England(1762-1836) Astronomer and Surveyor.
Dawes, an officer of the marines, came to Australia with the
First Freet in 1788 and establi-
shed an observatory st Sydney on behalf of the British Board
of Longitude.
ウイリアム・ドーズ(ドーズ・リミットのドーズの父)は、海軍士官で最初の艦隊に乗り1788年にオースト
ラリアへ行き、英国緯度観測局のためにシドニー天文台を創設した。
(2)William Rutter Dawes(1799-1868),son of Lt.William Dawes.
Well known British Astronomer as Dawes Limit. Daws had studied
medicine as a young man
and later became a clergyman with a small independent congregation
at Ormskirk,north of
Liverpool. After failing health forced him to give up his congregation,he
devoted himself
entirely to astronomy. In the 1840s he was an assistant at
private observatory of a wealthy
businessman,George Bishop,at St.John's Wood,London. After his
second marriage Daws acqui-
red the financial independence he needed to set up his own
private observatories. He was an
exceptional observer noted for the keenness of his sight. But
eagle-eyed as he was at the
telescope,he was terribly nearsighted.
ウイリアム・ルッタ−・ドーズは、ドーズ・リミットとして有名な英国の天文家。若い頃は、医学を学び
のちにリバプール北のOrmskirkで小さな独立会派の聖職者になったが、健康を害して聖職者の道を諦め
天文学に専念することとなった。1840年代にはロンドンのSt.John's Woodで裕福なビジネスマンである
ジョージ・ビショップの個人天文台の助手になった。その後、2回目の結婚ののち自分の天文台設立に必要
な経済的独立を獲得した。ドーズはするどい眼の持ち主でイーグルアイと言われていたがそれは望遠鏡で
覗く時の話で、実はそうとうな近眼だった。
6月15日
今夜は、久しぶりの快晴(梅雨の中休み)。アンタレスの近くに月が輝いている。今日は気流が良いため2階の
ベランダに望遠鏡を出してアンタレスを見ると伴星がはっきり見える。望遠鏡を出すなりいきなり見えました。
少しグリーンに近い色。接眼レンズを変えて見ましたが下記のどのケースでも良く見えました。
(ケース1)2倍バローの上に5倍バローを重ねてA-25mm→250倍
(ケース2)2倍バローの上に5倍バローを重ねてパンオプ19mm→340倍
(ケース3)2倍バローにA-4mm→320倍
今日は、月を320倍で見ても揺らぎは少ないようです。やはり気流がよければ常時見えるということがわかり
ました。
これまで観察した結果としては、小口径望遠鏡でアンタレス伴星が見える条件は、非常に安定した気流が必要と
いうことだと思います。
<アンタレス伴星についてのコメント紹介>
さそり座が天頂に見える南半球の天文雑誌/本のコメントです。
(1)オーストラリアの天文雑誌SKY&SPACE(JUN/JUL2000)より
・Antares is a tricky double;
"Antares itelf is a celebrated double star,although it
is a very difficult one.
The companion is of magnitude 5 and is only three arcseconds
away. It's not
a beginner's object. you'll need a moderate aperture and a
very steady night."
"Antares is fine double star but is only to be attempted
if the seeing is exce-
llent. Australian amateur,E.J.Harung resolved the companion
through only
7.5cm aperture,but I have not seen it through a 'scope smaller
than 12cm."
(2)The Australian guide to STARGAZING,GREGG D.THOMPSON著 Lansdowneより
"A good,high-powered telescope on a steady night will show
its intensely blue
companion, almost lost in its glare. An occulting bar placed
over the field stop
of a high magnification eyepiece can be used to hide Antares
to make the com-
panion easier to see."