オロロン鳥 2001/09/03〜05
![]() オロロン鳥の卵になった気分 |
皆さんは「オロロン鳥」という鳥をご存知ですか? この仕事をするまで、僕は「名前は聞いたことがある」程度でした。 今回の仕事は岸壁に「オロロン鳥のデコイ」を取り付ける仕事です。 もともとオロロン鳥とは和名「ウミガラス」という海鳥だそうです。 ペンギンに似た海鳥で天売島のある羽幌町のシンボル的存在です。 鳴声が「オロロロ・・・」と聞こえることから、その呼び名になったそうです。 そもそも海鳥は繁殖期以外は海上で生活しており、調査が困難で 解明されていないことも多いそうです。 現在、日本でオロロン鳥の営巣が確認されているのは天売島だけ だそうです。(かつては松前小島などでも確認されていたそうです) 「海鳥の楽園」と呼ばれ、500人の島民と100万羽の海鳥が共生する、 ここ天売島にも以前は4万羽とも5万羽とも言われるくらい生息していた そうですが、近年は20羽前後しか確認されていません。 デコイはオロロン鳥に仲間がいることを教え、その場所に営巣させる 目的で設置します。 この時季、オロロン鳥は既に島を離れて海上生活に入っていました。 |
| 今回、デコイを設置したのは天売島南端にある名所「赤岩」の対岸の 岸壁です。(右の写真中央の横長の岩棚で、海面から高さ約30メートル) この場所はかつてはオロロン鳥が沢山繁殖していたそうですが、 現在は1羽もいません。数年前からデコイが取り付けられていますが 今年の営巣はなかったそうです。 この場所へは漁船で移動し上陸しました。 作業はまず作業員(僕と親友Kの2名)が岩棚に登ることから始まりました。 予想どうりのボロボロの岩でした。 砂を固めたようなこの壁のほとんどのホールドは欠落します。 ヤバイところではなるべく1箇所に体重をかけないようにして、 腐ったリングボルト2箇所に「気休め」支点をとってリードしました。 (新しいボルトを打ち込んでも岩自体の強度が足りませんので・・・) 冷汗をかいて岩棚に到着した僕を待っていたものは 岩棚を真白に染めた海鳥たちの糞の強烈な臭いでした。 (慣れるまでに30分くらいかかりました) |
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![]() 作業前の岩棚 |
岩棚から滑車を使って、デコイ、電気ドリル、コード、ボルトなどを 荷揚げして作業開始です。 事前に「北海道海鳥センター」の小野さんからアメリカにおける デコイの成功例のビデオなどでレクチャーを受けていましたので 古いデコイを撤去し、岩の硬い部分を選んでドリルで穴をあけ、 ボルトを打ち込んではデコイを取り付けます。 今回のポイントは (1)なるべく壁際に (2)壁の方を向ける (3)コロニーを形成させる を重点に僕とKの感性?でデコイを取りつけました。 (とはいえ、硬い岩を探すのが容易ではありませんでした) |
ポイント(1)(2)(3)はオロロン鳥の営巣の様子から得たヒントです。 上の写真にあるように海の方向を向いたものは「警戒」の ポーズということらしいので、全て壁方向に向けて設置しました。 寄り添うようなポーズを演出しながら・・・ 来年、オロロン鳥が来てくれるようにとの願いを込めながら、 狭い岩棚の中で腰を曲げての作業となりました。 |
![]() 作業中の風景 |
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天売島には8種類の海鳥たちが繁殖しているそうですが、オロロン鳥をはじめ、 3種類の海鳥が絶滅の危機にあるそうです。 その原因はゴミや油による汚染、釣り人の残していった釣り針、等があるそうですが、 もっとも大きなものは刺し網による混獲だそうです。 (海鳥たちは海に潜って魚をとるので、魚網にかかってしまうそうです) こうした問題を解決しない限りは本当の自然保護にはならないのでしょう。 小野さんは 「特定の種類の鳥が絶滅することはセーターにできた虫食いの穴みたいなもの かもしれない。しかし、それが地球の生態系全体にどんな影響をあたえるかは 計り知れないものがある。」 と説明してくれました。 10月13日〜14日は羽幌町にある北海道海鳥センターで 日米海鳥シンポが開催されるそうです。興味のある方は是非参加してみてください。 (同時通訳付き。入場無料。要申し込み) 海鳥についてもっと知りたい方はこちら→北海道海鳥センター 日米海鳥シンポについてはこちら→シンポジウムホームページ お知らせ 残念ながら米国でおきた同時テロ事件により、今回のシンポジウムは中止されました。 しかしながら、米国政府は海鳥シンポを重視しており、日を改めて開催を検討したいと のことです。 また、この事件で被害を受けた方々に心からお悔やみ申し上げます。(9/20追記) |
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