職務質問 (2003/11/04)

 
 某日、大森さん(仮名)宅で、部活のメンバーと日本酒の最高傑作のひとつと勝手に思い込んでいる「別誂 純米大吟醸 醸し人九平次 山田錦35」(萬乗醸造)を感動と共に飲み干して、すっかりいい気持ちで自転車をこいで、自宅へ向かっていると、道を遮るように止まったパトカーから降りてきたお巡りさん2名に声をかけられた・・・。

 「信号無視されましたよね・・・」
 「え?!」

 やばい。深夜の国道134号線は、車通りも少なく、歩道を千鳥足ならぬ千鳥車輪?でいい気持ちで自転車を運転していたのだが、そういえば、信号はふたつほど無視していたような気がしないでもなかったりした。私の脳裏に「飲酒運転」の四文字が浮かび、罰金かなあ、免停かなあ、などと回らぬ頭で考えていると、若いお巡りさんが無線だか電話で本部とやり取りをしている。ちょっとまずいかも。一瞬にして酔いもさめて、職務質問に応じざるを得なくなったりした。

 本部との交信を終えた若い方のお巡りさんが、私の名前を呼んでいる。

 「ん。」何で私の名前を知っているんだろう。

 どきどきしながら事情を確認すると、お巡りさんは自転車の登録関係について交信していたようで、私の自転車が盗難自転車かどうかの確認だったようだ。そういえば酔っ払いが他人の自転車で帰ってしまうような事件は頻繁に起こっているような気がしないでもない。

 「少し飲まれているみたいなので、気をつけて帰ってくださいね」年配のお巡りさんの優しい一言を最後に私は解放された。深夜のお巡りさんとの遭遇は、ちょっとびっくりだが、この国の治安維持のために深夜勤務をされるお巡りさんに、改めて敬意を評すると共に、酔払い運転は自転車にも適用されることがあるようなので、飲んだら自転車は押して帰るようにしようと思ったりした。

 それにしても日本酒は結構酔うなあ。歳かなあ。しかし、別誂は、うまいなあ。




おしまい


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