おいしいピッツァ (2003/12/19)

 
 某日。ていうか今日。横浜駅西口から歩いて数分、はまボウル(ボウリング場)を超えて、しばらく歩いたところにあるイタリアンの名店「オ・プレチェネッラ 'O Pulecenella」でおいしい食事を堪能した。ここは大森さん(仮名)も大絶賛のイタリアンであるが、なぜだかめぐり合わせが悪く、今日まで行けずじまいだった。しかし、念じればなんとやらで、ついに憧れの料理に舌鼓を打つことが出来たのである。

 オ・プレチェネッラは、おいしいイタリアンの評判どおりのお店だったが、ブルゴーニュ魂に歓喜をもたらしたのは、なんと言ってもナポリピザだった。このピッツァをして、食通で知られる大森さん(仮名)に、「サクサクしているのに、モチモチしている ! この矛盾したハーモニー」と言わしめ、同席していただいた女性には「チヂミみたいな食感がおいしいね」と表現され、ブルゴーニュ魂的には、「こんがりといい具合に焼きあがった破裂直前のお餅みたい」な、最高レベルのピッツァだった。

 このピッツァは、なんと言っても出来たてがおいしい。テーブルに置かれた瞬間に、よく見れば六等分にされたピッツァは、するりと胃袋におさめなければならない。この風味、歯ごたえ、温度等々、このおいしい瞬間を逃してなるものかと思うくらいにかぶりつき、その後で少し遅れて歓喜の声と共に笑いが溢れてくるのだ。1997年のちょうど今頃、「ヨーロッパてぶら旅」でナポリを訪ね、歩き回ったあげくにようやくたどり着いた一軒のピザ屋さんでマルゲリータを食べて感動した思い出が、キーンと音を立てて蘇る。これぞ本場ナポリの味。うまい、のである。

 今日、日本最高のピッツァに出会ってしまった(自分調べ)。これはある意味、不幸なことかもしれない。なぜならば、もう他のピッツァがおいしく感じられないことは明白で、おいしいピッツァを食べるには、ここに来るしかなくなってしまったからである。ここで10種類くらいのピッツァをすべて食べつくしたい欲望と共に、[ピッツァ = オ・プレチェネッラ]の方程式の成立を確認するのだった。今度、気の合う仲間と席を陣取り、ピッツァ完全制覇の会も開催したく、また毎日のように通って一枚ずつ食べつくしたい欲望もチラホラよぎる。

 そういえばその昔、学生だった頃は、横浜駅には毎日通ったものだが、最近はトンとご無沙汰してしまっていた。しかし、ピッツァを食べるためだけに再び横浜駅西口に通うことになるとは、このときは誰も予想しなかったのであると、ナレーションちっくに口ずさみつつ、ピッツァの味を思い出し笑いする自分に気がついたりする。

 おいしいピッツァに感激である。


おしまい


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