灯台下暗し 媽媽厨房 (2004/04/13)

 
 家の近所というか某警察署の隣に、媽媽厨房(マーマキッチン)という名の中国料理屋さんがある。ここは正宗中国家常菜(元祖中国家庭料理)の看板どおり、中国の家庭そのままに素朴な雰囲気のあるお店である。初めていつものメンバーの大森さん(仮名)と訪れた夜は、ちょうど近くの大手ホテルの宿泊客と思しき中国人グループにお店は占拠?されていて、すべての会話が中国語で展開されるというある意味カルチャーショック的な印象を持ちつつ、おいしいごはんを堪能した。(普段はほとんど日本語らしい・・・というか日本人客がほとんどみたい)。中国大陸は香港とマカオしか訪ねたことはないので詳細は不明だが、ここはまさしく中国の田舎のような感じがあり、古めかしい戸棚に懐かしさを覚えたり、割り箸ではない木のお箸に一瞬戸惑いつつも、素朴な家庭料理を楽しませてもらった。

 ここはよく言えば、家庭的だが、言葉を変えれば雑多な雰囲気を持っているので、料理もそれなりかなあと思っていると、すっとこどっこいのワールドが展開されていた。ショウロンポウにはうまみがたっぷり乗っていて、あぶら多めのチャーハンは、なぜかさらりとした食感が楽しめ、しつこくない。また坦坦麺のナッチーな味わいは、コクがあり大変おいしかったりする。別の日に頼んだ春巻きのパリパリ感もグッドなのだ。その夜は車だったために、隣が警察署なのでビールは頼めなかったが(近いので次からは歩いていこう)、中国茶のバリエーションも豊かで、お酒なしの夕飯もたいそう健康的なような気がしてくるからありがたい。

 家の近所に本場・中国があった。

 そして私はこの素朴な味わいに、どこかで食べたことがあるような親近感を覚えたのだった。あ。ロンフウホンの火だ、と思った。素材的にも盛り付け方にも白金の名店ロンフウホンとは大きく異なる料理ながら、火の通し方に共通項を見つけたりした。ここに森田さんがこだわる中国料理の火加減があるから、何とも面白い。ロンフウホンはそう度々行けないけれど、媽媽厨房はその気があれば毎日来られるのだ。日替わりランチは月間スケジュールが組まれていて、同じメニュがないところも凄いかも。

 中華といえば、横浜中華街にも新しい「みなとみらい線」に乗って訪問したいと思うものの、家の近所にこんなお店があった日にゃ、ますます「みなとみらい線」デビューは遅くなるのだった。やむをえん。灯台下暗し(注)というか、磯の灯台は足元をビンビンに照らしてくれている。ありがたい限りだ。

 ここは毎週木曜日に中国語会話の教室を開いているという。ここはひとつおいしい料理をもっと楽しむために、中国語の勉強をしようかなと思うこの頃なのである。(決して女性中国人スタッフとの親交が目的ではない・・・。動機は不純なほど長続きするんだよなあ・・・)


おしまい

注 灯台下暗し = 昔、その言葉の響きから、大正デモクラシーの違いに戸惑った日々もあったりした・・・。
             また、東京大学進学を目指しがり勉する人かとも思っていた。東大モトクラシー


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