甲府のとんかつ (2004/11/11)
 
 先日、いつものように勝沼-甲府ラインをパトロールしていたときのこと。普段はひとりで車を走らせているので、ごはんは適当に済ませていたが、今回はフランスで大変お世話になっている某女史とご一緒だったので、たまには甲府でおいしいものを、と思いつつ、今ひとつ思い当たる節もなかったので、甲府のエピスリーの名店「みゆきや」さんにお邪魔して、そこの某美人パティシエールにおすすめのレストランを訊ねてみた。

 彼女に紹介されたお店は、とんかつ屋さんだった。甲府駅の向こう側の北パイパス沿い(サントリーの登美の丘に続く道・・・)のデ○ーズの隣の隣にあるお店ということで、地図を描いてもらいつつ、電話で予約もしてもらった。ケーキ作りの忙しい時間を私のために割いていただき大感謝なのである。

 店の名を「青柳」という。予約時に時間がかかるという理由で、ヒレカツとロースを注文していたので、迷子になることもできず、しかし彼女の地図が正確だったので、バッチシ時間通りに到着することができた。L字型の6席ほどのカウンター席が中心で、奥の小あがりも和の雰囲気を醸しだしつつ、気取らない地元密着型のお店とお見受けしつつ、メニュを見ると定食が3500-4500円。普通のとんかつやサンの2倍くらいという感じで、ちょっとしたビックリ価格だった。コースにはワインか焼酎がついているというが、車だったので、お茶をお願いしつつ、しばし料理がでて来るまでの時間を、勝沼ワイナリーめぐりの感想で盛り上がりながら、カウンター横についているデカ目のテレビなどを見つつ、過ごしてみたりした。

 メインのヒレカツがくるまで、かなりの時間を要したが、その間にフレンチの三ツ星レストランのような間隔で、サラダやチーズ揚げなどのアミューズ?も登場。ここは、いうなれば、料理が出てくるまで地元のお酒などを飲みつつ、のんびり過ごすのが王道なのかと思ったりする。蕎麦屋で蕎麦が出てくるまでに鴨ネギで一杯やるとか、鰻屋でキモを肴にグビグビやるとか、そんな待ち時間が、楽しいのだろう。しかし、今宵は車ゆえ、なんとも微妙な時間を過ごしたりした・・・。

 ようやく登場したとんかつは、ご主人こだわりの逸品系で、ずんぐりむっくりな容姿に戸惑いつつも、マダムにソースの合わせ方などを拝聴しつつ、口に頬張ると、何ともジューシーで、何とも柔らかく、何とも美味しいとんかつだった。この味わいならば、3500円-4500円の価格設定にも十分納得しつつ、アラよという間にぺろりとやってしまった。田螺入りの蜆のお味噌汁は赤出汁で、とんかつとの相性もよく、少な目ながら硬めのごはんも美味である。地元の柿をデザートにもらいつつ、最後はハーゲンダッツ系のアイスクリームを頂戴したりした(カップからスプーンで掬いとる姿も、またおかしである・・・)。

 甲府に美味しい料理店発見である。

 これでまた、山梨に行く楽しみも増えたことだが、今度はここでジモティよろしく、たっぷりと甲州ワインを飲み明かしたいと思いつつ、車でないと行けそうにない場所柄と、一人で食べるには安くない価格設定と、我が家からは富士山が邪魔なほど遠いので、なんともかんともだったりする。ここのとんかつは、とんかつを語らせたら3時間はゆうにしゃべっていそうな某氏に紹介したいと思いながら、某女史を送るべく、甲州街道へとフェラーリ(号)を向かわせたのだった。


おしまい


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