「生協の白石さん」 (2005/11/17)

 
 「生協の白石さん」 白石昌則 他 講談社

 気がつけば、ベストセラーというこの本。奥田さん(仮名)の薦めもあって、早速読みました。

 うーん。これは面白いですね。冷静さを保ちつつ読み進めるものの、ふとしたことがきっかけとなり、思わず笑い転げてしまいました(夜寝ながら読んでいたからかも・・・)。まさに、壺に嵌りました。いやいや、面白い。どのくらい面白いかというと、本を持つ手の握力が、全くなくなるくらいのおかしさです。このおかしさが、地球の歴史からすると、どのくらいのレベルにあるかはわかりませんが、バックの中にいつも忍ばせて、電車を待つ時間にそっと取り出したくなったりします。

 二度目、三度目と読み返すと、そんなおかしさは、影を潜め、握力も回復してきますが、国立大学法人の東京農工大学生の、「おまいらホントに大学生か」と突っ込みを入れたくなるほどのおバカぶりと、自らの学生時代に戻ったような親近感と、そしてなにより白石さんの「ほっこり」とした回答に、幸せを感じたりします。

 そして、プロ野球ポテトチップスのカードが気になって仕方なくなります。

 この本の登場人物は、まさにドラクエ世代なひとたち。ホイミや、はがねの剣といった単語を共有するものにとって、そしてペプシマンシリーズや某海洋堂のフィギアに情熱を傾けるものにとって、この本の奥深さと同時代性は、まさに「ほっこり」なのです。

 どんな本かは、実際に手にとってみてください。
 (本屋での立ち読みは、ちょっと覚悟がいるかも → 笑いすぎ注意につき)

 「四国はどこまで入れ換え可能か」に続いて、ハッピーな本との出会いに感謝です。


 おしまい


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