理想的なオフィス (2006/01/16)

 
 先日、食品を扱う某輸入商社の新年会にご招待いただき、楽しいひと時を過ごさせていただいた。

 東京のど真ん中にオフィスを構えるその会社は、業界屈指の高品質で知られ、私自身もここが扱う商品に間違いはないと思っているが、今回オフィスにお邪魔して、その理由がわかってしまった。美しいオフィスは、美しいものは美しいものからしか生まれないという理屈に合致し、とても機能的で整理整頓されていて、そしてそこで働く人々の笑顔が心に残りつつ、とても居心地がよかったのだ。そして、なにより、ここの会社は、すごいものを持っているのである。

 台所である。

 敷地の半分を占めるかという大きなキッチンは、ここが食を扱う会社であることを強く意識させ、そしてその食に対しての真剣さをダイレクトに感じさせてくれる。新年会ということで、テーブルには、フランスやイタリアのお料理が並びつつ、お雑煮や黒豆などもあり、お宝系シャンパーニュや熟成したダニエル・バローのプイイ・フュイッセなどを手に取りつつ、素敵な時を過ごさせていただいた。そしてワインはもちろんながら、出された手作りのお料理が、すべてうまかった。とくに白味噌のお雑煮には、ちょっとやられた感があり、一人ほくそえんでしまっていた。

 そして、思う。

 この会社は、うまいものを知っていて、そしてそのうまいものを作ることができる会社だったのだ。だから扱う商品が、とても高品質なのだ。高品質は、食に対する熱い思いに比例して、なんだか、すべてが合点がいくところがすばらしい。「おいしい」には理由があり、そこに熱い思いを感じるとき、そのおいしさを共有させていただくことに、素直に感謝したいと思うのだった。

 おおきなキッチンのあるオフィス。

 ここから世界のとっておきの情報と商品が発信されていることに、素直に納得し、こいつぁは春から縁起がいい、と思うのだった。そして私はこの会社と、ここで働く人たちを強く信じるこの頃だったりする。


 おしまい


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