食のクレーム (2007/01/25)

 
 私も会員になっている日本ブドウ・ワイン学会から、学会誌の17号が送られてきた。普段は醸造・醗酵についての専門的な論文が掲載されていて、読むうちにすぐ眠くなってしまうのでが、今回の「最近の消費者クレームからみたワインの安全・安心 角野久史」を拝読しつつ、笑えない笑いを覚えてしまった。

 たとえば異物混入の項では、白身魚フライに、骨が入っていたとか、チキンピラフに鶏の骨が入っていて、どういう過程で混入したのか、を問う申し出を紹介していた。日本人は異物混入に寛大ではなく、こんな白身魚や鳥の骨までもが異物混入としてクレームがついてしまうところに、なんとも解せない不思議さを感じてしまう。魚だから骨がある・・・。それは原料の一部であって異物ではないのだけれど・・・。

 またベトナム産ブラックタイガーにおいて、40年前の枯葉剤の影響についての質問も紹介されている。この質問に対する回答は紹介されていないが、どこかでベトナム戦争の映像を見て、食べようとしたエビがベトナム産とあれば、なるほどそんな質問もしたくなるのは人情かもしれないが、どうも過剰な反応のような気がしてならない。

 食の安全・安心とは何か。ISO22000を今度ゆっくり読んでみようかと思いつつ、その対応が難しいこのごろだったりする。数寄屋橋の交差点から眺める某社の看板を眺めながら・・・。


つづく


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