関西巡り 秋の陣にふれて (2007/11/10)

 

 去る11/2から11/5まで、某女史のご尽力をいただきながら、関西各地でワインセミナー パート2を開催させて頂きました。この場も借りて、関係各位に大感謝とともに、その時の感想などを・・・。

 二回目となる今回は、奈良県香芝市、大阪市、神戸市などのレストラン、ワインバー、個人宅を順繰りに訪問させて頂き、ロブマイヤーで楽しむブルゴーニュとシャンパーニュ、唐津焼で楽しむ日本ワインなどをご紹介させていたたきました。各地での模様はご参加いただいた方々のブログなどを拝見させて頂きつつ、ここでは違った角度から関西を見つめたいと思います。

 一言で関西といっても、それは広ろうござんす。関西の関は、箱根の関所が基準になっていて、そこより西はみな関西だという話を聞いたことがありますが、本当のところはどうなんでしょう。神奈川に住む私のイメージとしては、京都・大阪・兵庫・奈良・滋賀・和歌山のいわゆる二府四県のことを指しているように思えますが、それぞれは関西とひとくくりに表現するには、あまりに多様で、街の個性ひとつをとっても、そのバリエーションは、かなり楽しかったりします。

 特に、大阪、京都、神戸、奈良の違いは、面白いですね。(滋賀と和歌山は割愛させて・・・というか和歌山には行ったことがありません・・・滋賀は滋賀で話も長くなるので・・・すみません) それぞれに個性があり、それぞれにプライドがあり、それは優劣という低い次元で語るにはあまりにも奥深く、箱根の関所の東側に住むものにとっても、とてもインテリジェンスな地域かと思います。誤解を恐れつつ、関東の街に例えるならば、京都はスケールの大きい鎌倉に似て、神戸は横浜の山の手からみなとみらいのラインに似ています。大阪は、あまり思い当たる節はなく、大阪は大阪なんだと実感し、奈良も奈良かと思います。(全然例えてないじゃん) このあたりを無防備につっこむと、大変なことになりそうなので、この辺でむにゃむにゃむにゃと・・・。

 神戸の三宮駅から港へと続くメインストリートは、震災前に相当通いつめた私をして、その思いも鮮やかに、何かとても意味深で、しかし高層マンションの19階から眺める港の風景は、神戸の強いアイデンティティを感じさせ、時折響く汽笛の音に、なんだか軽く、町自体に「勝ち組」を連想させてくれたりします。神戸に較べ、大阪の下町の風景は、とても庶民的で、地面に「生きてる」という思いを新たにさせてくれました。大阪ドームあたりで、道に迷って、ここがどこだか分からなくなりつつも、どこにでもいてくれるおっちゃん、おばちゃんの笑顔に、親しみやすい大阪を感じたりしました。今回は車での移動がほとんどだったので、商店街などはほとんど歩いていないので、次回はどしどし歩いてみたいと思います。天六・天五あたりを中心に・・・大阪・・・いいなあ。

 京都の独特の世界観は、強烈な憧れを持ってはいますが、まだ足を踏み入れることは出来ませんです。今回は時間がなく、全く寄れずに残念でした。そして奈良。今回、奈良へは東名阪・名阪国道・西名阪を走りつつ、そのタイミングはまさに夕暮れ時でした。法隆寺の横を通りつつ、茜色の空に向って走る様は、古の風景を連想させ、大化の改新がまるで昨日のことのように思われたりします。ほんとかな。奈良の斜面に沈む夕暮れ。斜面をこよなく愛するものにとって、奈良の斜面もまた、いい感じで感傷に浸れたりするものですね。ピノノワールの薄い赤がよく似合いそうな、古都の風景ですね。奈良恐るべしです。お寺の鐘がゴーンと鳴ったら、それは回転寿司でのセミナー終了時に似て、かるく泣けてくるから不思議です(笑)

 ところで、名阪国道を走っていたとき、湘南ナンバーを背負うわがフェラーリ(号)は、相模ナンバーの車に抜かれました。神奈川からは意外と遠いこのあたりで、地元ナンバーを見かけると、なんだか同胞を見つけたようでうれしくなったりしますが、その実、神奈川に戻ってくれば、相模ナンバーと湘南ナンバーは違うんだよねと、いくぶん上から目線になってしまう自分を嫌ったりしました(爆)

 関西秋の陣ということで、今回縁あって各地を廻らせていただき、(かつ各地でグラスも洗わせていただき)、関西にますます興味をいだくこの秋となりました。この場も借りて大いに御礼申し上げます。と、なんだか取り留めのない文章を書きつつ・・冬の陣も大いに盛り上げたいと思う秋の夜でした。



おしまい

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