ロベール・グロフィエ
試飲日 2001年12月2日
場 所    都内某所
写真はレザムルーズ
照 明 白熱灯
種 類 フランス ブルゴーニュ産AOC赤ワイン
生産者 Domaine Robert GROFFIER (Morey-Saint-Donis)
Vintage 1998
テーマ 1年半振りの再会
ワイン Chambolle-Musigny 1er Cru Les Hauts-Doix

<始めに>
 今回のワインは実に1年半ぶりの再会である。某氏宅にて某氏らと共に楽しい食事の終りに、モードを変えて団欒の中で抜栓された。夕暮れ時の東京で、某空間デザイナー演出の照明はなんだか、とってもおしゃれであった。グラスはロブマイヤーのミュジニーグラスを使用した。
 セラーから会場までの移動時間が少しかかり、小春日和の東京は温暖で、そのためボトルが温まってしまっていたので、抜栓までの30分ほど冷蔵庫の野菜室にて温度調整した。


<味わい>
 黒系の深いルビー色。深みのある色合いは優雅であり、白熱灯によって狙い落とされた明るいルビー色の足跡が白に映え、小さくゆらゆら揺れている。口に含めば凝縮したゆとりとでも言いたくなる満足感。黒系果実味。丸いグラスのためか角が無く、落ち着いたバランスの上にしっかりとした時が流れている。歯茎をまろやかに刺激し、鼻から抜くときの心地よさは絶品である。時間の経過と共にコーヒー香が豊かに彩られ、さらにはミルク香も加わって至福の味わいである。このワインもうまい。この豊かな果実味が、熟成するときどんな味わいに変化するのだろう。1年半前もうまかったが、今はもっとうまい。そして5年後の姿を想像するとき、頬が緩みっぱなしであったりする。グロフィエ節炸裂の極上のシャンボール・ミュジニである。
 
 ボルドー用グラスにも注いでみたが、こちらもまた絶品の域に達している。ただし、惜しむらくは相当酔いが廻っていたので、微妙な味わいを認識こそすれ、どう表現したらいいかがドリンキングレポート最大の弱点であったりする。ただ塩味最高の某店のバケットと共に頂くと一層おいしさが引き立っていた。

 今回のワインはホスト役としてサービスさせていただいたが、この味がうまく伝わっただろうか。ついつい多く語りがちなこの凝縮された味わいと、口のあたりに漂う余韻感が艶やかな話題に華を添えられていたら幸いである。豚しゃぶに合わせたジャンリケールのマコン・フュイッセ2000の温度が十分冷えきっていなかったことをお詫びつつ、ジョセフ・ロティのACブルゴーニュ1998が自然光に照らされてあんなに鮮やかなルビー色だったことに驚きを隠せなかったりする。

 またフランス語某講師によれぱ、Les Hauts-Doixはリエゾンさせない有声のHではないかとの指摘があり、今後はレ・オー・ドアと読むことにする。またこの場を借りて素敵な夜と素敵な夜に集った某氏と某氏、そして何よりお招き頂いた某氏と某女史に感謝である。ちなみに1年半前のグロフィエの水平テイスティングは、ドリンキングレポート第一回目連載の記念すべきドメーヌである。すべてはグロフィエ1998とドニモルテの1996から始まった。1年半の歳月を思うとき、なんか妙にセンチメンタルである。


<参考>
 1年半前の水平テイスティング


以上


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