ドーブネ
試飲日 2001年12月29日
場 所    神奈川県某所j       
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ産AOCワイン
生産者 Domaine d'Auvenay ( Meursalt ) 
Vintage 1996
テーマ ドーブネ節
ワイン MEURSALT Les Narvaux
 
<味わい>
 ワインクーラーに氷をたっぷり入れて、かなり冷やし目にてサービスされる。抜栓後すぐINAOグラスへ。ムートンの90よりも長いあのドーブネのコルクにして、コルクが完全に染み入っている上に目減りも大きいことから抜栓前に怪しげな雰囲気に包まれた逸品である。そんな心配をよそに、開けてびっくりドーブネ節炸裂である。

 ふくよかで複雑なアロマがすいっと立ちこめている。よく肥えた麦藁と燻したナッツ、上品なバター香、微かに、しかししっかりあるハニー香など、これぞドーブネのムルソーである。色合いは深く、しっとり輝く黄金色。まさに色と香りに一体感があり、十分なとろみも備えている。口に含めば、ひんやり冷たい。しっかりした酸味が長熟タイプを予感させもする。熟成の達成感を持たせつつ、まだまだ将来も楽しみである。
 
 口の中で温度を上げてやると、もわんもわんと口一杯に広がるうまみ成分が心地よい。構造的で、質感を伴ううまさである。ドーブネ節たるワインの重量感を、かなり冷やすことで和らげているような感じである。このドーブネにしてはかなり冷やし目の温度でも、しっかりとした味わいが満たされ、冷たいがゆえに料理との相性も抜群である。これが18℃前後のいつものテースティング温度ではワインの本領が発揮されすぎ、決して料理に合うことはないだろう。ドーブネの個性を知り尽くした某氏の成せる技である。

 ドーブネはいつ飲んでもうまい。ドーブネをムルソーの基準にしてしまうと、ムルソーの相対的な立場を押し上げるものの、他のムルソーが影を潜めてしまうので、この典型的なムルソーは例外として扱ったほうがよいと思われる。完璧な例外である。そしてマダム・ルロワの哲学に感銘すると共に、ご提供頂いた某氏に感謝である。

 No.0189 / 1450 裏面の表記は日本語バージョン。


以上


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