マーセル・ラピエール
試飲日 2002年06月09日など
場 所    神奈川県某所
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC赤ワイン
生産者 Marcel Lapierre (Beaujolais)  
Vintage 2001
テーマ シャトー・カンボンの新しい展開
ワイン Beaujolais Villages
<ボジョレー ビラージュ 2001>
 冷やした後、抜栓後すぐINAOグラスへ。液温14℃。明るいルビー色は、桜色を含んでいて、ピノ・ノワールから造られたかと錯覚しがちな色合いだ。鼻を近づけなくとも甘い果実の香りが、もわもわしている。イチゴちゃんとも呼びたいくらいのフレーバーが心地よく鼻をくすぐってくれる。口に含めば、フレッシュな果実をそのままワインにしたような爽やかさ。引っかかるところがなくスイスイ飲みこめて、気持ち良く酔わせてくれる。ミルクっぽさもあり、思わず立ち上がって「おいしい」と拍手をしたくなるようなボジョレーだ。堅苦しいことなど考えず、素直においしいワインが飲みたくなったら、このワインを選びたい。うまみ成分も充実していて、余韻も意外に長い。おいしい。こういうワインを夏の暑い時期、きりりと冷やして飲んだら最高だろう。うまいぞ。

 このワインは2000年まではマーセル・ラピエールがプロデュースするシャトー・カンボンとしてリリースされていた。どういう経緯があったかは不明だが、この年からマーセル・ラピエールのブランドとして日本に届けられた。シャトーカンボンのあのかわいらしいエチケットがなくなるのは寂しいが、よりおいしくなった味わいに、思わずもう一本買いたくなるから不思議だ。得体の知れない1万円のワインを買うなら、このワインを数本買ったほうが数段お得だと思う。この飽きることがない爽やかなぶどう酒を大いに楽しみたい。

 ちなみにこのワインには14℃以下で保管してくれとの但し書きが裏面にある。高温で放置されると、高温劣化を伴う再発酵が始まってしまうからだ。ここが天然ワインの融通の利かないところ。購入には保冷剤を持参するか、保冷剤を入れてくれるお店で買わないと、お金をどぶに捨てることになる。日本の夏は暑い。不用意に持ち運べば、自宅に到着する頃には、すばらしくまずいワインに変貌するので本当に注意が必要だ。売り場でも暖かそうな場所に陳列されていたら、エチケットにあるシャトーカンボンの小さい文字を見つけた後に、静かにその場を立ち去ろう。おいしいワインをおいしく頂くためには、準備と心がけが必要なのだから。敢えてそういうお店でまずくなったワインを買うこともないだろう。


以上
 


目次へ    HOME

Copyright (C) 2002 Yuji Nishikata All Rights Reserved.