フィリップ・パカレ
試飲日 2003年04月30日
場 所    フランス ボーヌ近郊 某レストラン
照 明 自然光
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC赤ワイン
生産者 Philippe PACALET (Gevrey-Chambertin)
Vintage 2001
テーマ 本人と
ワイン Pommard

<ポマール>
 
抜栓後すぐ大き目のワイングラスへ(仕様等不明)。薄く、桜色と表現したくなるほどの色合いはパカレ色と命名したくなる。赤系果実が気持ち土壌香に混ざり合い、品よく香っている。口に含めば、薄い味わい。一瞬エキス分をまったく感じず、色のついた水を飲むが如しの錯覚に陥るが、そんな心配をよそに、ワンテンポ遅れてじわりとうまみ成分が浮き上がってくる。どこかへ行ってしまっていたかのように果実味も現れ、滑らかなタンニンが下支えする上品な味わい。赤系ベースながらポマールらしい男性的で筋肉質な趣もしっかり存在し、ただ優しいだけのワインに終わらないところが凄い。余韻もしっかり存在し、赤身肉の肉汁を優しく包み込むバランス感覚は見事。従来のポマールのイメージで飲むとやや見当違いな印象も受けるかもしれないが、パカレ流のテロワールの表現を意識すると、俄然ポマールらしさが見えてくるから不思議だ。

 口に含んだ瞬間の、この一瞬の間が心地よい。え? なのである。昨年パリ某所で試飲したときのこの間が長らく私を混乱させたが、この間を素直に受け入れられるとき、じわりと滴るうまみ成分に、ピノノワールの新しい息吹を感じるところが面白い。

 今回のワインは、フィリップ・パカレ本人とレストランで食事をした際にご馳走になったもので、冷静な判断などできようもないが、しかしそれでもこのおいしさは伝えねばならないと思ったりした。日本での再会が叶うなら、今一度飲みたい逸品である。 


以上
 


目次へ    HOME

Copyright (C) 2003 Yuji Nishikata All Rights Reserved.