アルマン・ルソー
試飲日 2003年11月25日
場 所    浜松 一味真さん     
照 明 お洒落な間接照明
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC赤ワイン
生産者 Armand ROUSSEAU (Gevrey-Chambertin)
Vintage 2000
テーマ ル・シャンベルタン
ワイン CHAMBERTIN Grand cru

<特級シャンベルタン>
 
抜栓後すぐINAOグラスへ。美しいルビー色が間接照明の穏やかな光を受けている。赤系果実が勢いよく香り、バニリンオークのニュアンスも強く感じられる。口に含めば、エレガント系のシャンベルタンで、ピノ・ノワールの品に優しさを加えたようなフィネスを感じ、優しく包み込む味わいだ。しかし男性的なシャンベルタンを意識するとやや違和感を覚える。この味わいはつくづく繊細で女性的な印象があり、デカンタはせずそのまま大振りのグラスにて、味わうことにした。酒質は高く、渋みを感じさせないタンニンと、心地よい酸味のバランスもエレガントチックに振られていて、ボディ感もしっかりとあり、まさに今が飲み頃を思わせる逸品。余韻は当然のごとく長く、うまみ成分たっぷりの味わいは、一味真さんの料理ともバッチシで、至福のひと時が展開されているから、うれしい限りだ。

 このワインは、アルマン・ルソーというこの村を代表する重鎮がシャンベルタンという特級畑で2000年に造ったワインである。造り手と畑とビンテージの相関関係の中で、一歩抜きん出た個性を発揮するのは2000年というビンテージだろう。ルソーを意識しすぎると、軽やかなテーストに違和感を覚えるし、シャンベルタンを意識しすぎると、この女性的なタッチに喜びも半歩遅れがちになりそうだ。しかし2000年というビンテージを全面に意識すると、これほど旨いワインはない。赤系果実味がエレガントに味わい深く、まさに果実の恵みを享受できるからだ。時間と共に、複雑味が増してきて、紅茶や焦がしたニュアンスも登場し、最終的な味わいには、当然のことながらシャンベルタンの奇跡に通じ、当主シャルル・ルソーの優しい笑みに重なったりもする。

 2000年のブルゴーニュの赤ワインを知るなら、このルソーのシャンベルタンが心強い指標になるかもしれない。ブルゴーニュのトップワインを飲むことで、2000年の個性も肌で感じられ、自然の恵みのありがたみを感じるこの頃だったりもする。


以上
 


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