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水きり遊びは、練習すればするほど難しくなります。
最適な石の比重と形の組み合わせなど、疑問は尽きません。
川の流れと風の関係や投げかたなどをさらに考えてみましょう

石を効率的にさがす
平たい石の集まる場所があります。
急な流れが少し緩んだ場所、叉は
急流の前を見て下さい。これは場
所によっても微妙に違いますので
断定できませんが、流れが早いと
平たい石も流されます。少し緩い
と平たい石は川底に沈み、水の抵
抗が弱まります。丸みを帯びた石
はさらに下流に流され、一定の場
所に平たい石が残るのではないか
と推測できます。川の水量が多い
ときの流れや水の作用を考え、効
率的に水きりに適した石を見つけ
ましょう。また、平たい石は下流
から見た方が厚さがわかりやすい
角度で落ちている事が多いです。

石の形と比重について
水きり遊び虎の巻き序で示したこ
とはあくまで基本で、石の形と比
重については謎だらけです。
ただ、実感で言える事は、比重は、
重い方が良いように思われます。
素焼きの陶器のように軽い石では
水と空気の抵抗に負けてしまうか
らです。そして、重い石ほど平た
い方が良いように感じます。
また、石を投げる力の弱い子ども
たちには、比重の軽い平たい石が
お薦めです。波紋の間隔が詰まり、
ジャンプしやすくなります。
しかし、あまり平たくて軽い石で
は水の表面張力の影響が大きくな
りすぎ、石が水に張り付くような
現象や、空気にあおられ目的の位
置に投げにくくなるという事もあ
ります。最適な石の形はその比重
と投げる人の肩の強弱で微妙に変
わります。ここが最も難しいとこ
ろです。さらに、水面に触れる下
部が凹んだもの、あるいは小さな
凹凸のある石が異常に多くジャン
プすることがあります。水面と石
の間に空気が入り、気泡が水の粘
着性や石の水離れに影響したり、
水との小さな摩擦がクッションに
なり、石の姿勢を安定させるとい
う作用も考えられます。その形状
と深さについては謎です。また、
水は比重が重いほど良く、気圧は
低い方が良くジャンプするものと
思われますが、その限界も謎です。
水きりは、投げる石のスピードを
上げれば単純にジャンプの数が増
えるというものではありません。
たとえ、石のスピードを上げても、
空気の抵抗、引力、水の表面張力
や摩擦などが複雑に関係し、どこ
かに水きりジャンプの限界がある
ような気がします。むしろ、石の
スピ−ドが早いほど水切りは失敗
が多くなり、難しくなるものです。
地球上の水や空気、引力、などは
ほとんど一定です。ジャンプの限
界を伸ばす可能性が最もあるのが
石の形と比重ではないかと思いま
す。これを科学的に解明するのは
かなり難しそうです。石を投げる
スピード、角度、回転、水面の状
態などを完全にコントロールでき
る水切り装置が必要です。最も難
しいのは、石を投げる強さにより、
最適な石の形と比重が変わるとい
うことです。ある程度は想像でき
るのですが、再現する装置の作製
が困難です。

石の回転について
回転は重要です。水面と石の角度
をジャイロ効果で安定させことが
できるからです。回転が少ないと
石は僅かな波や小さな石の凹凸で
水面に触れる度に揺れてしまいま
す。そのために、石は無駄にエネ
ルギーを失い、勢いがなくなって
しまいます。手首をきかせて回転
の強い石を投げましょう。また、
石は、投げた時は水面に平行でも
高く跳ねたり遠くに投げると空気
の抵抗と石の回転で斜になろうと
する力が働きます。右投げの石は
右回転で石は左に傾き、左投げは
その逆です。この現象は薄い石の
場合、特に顕著です。回転する石
には不思議な性質があります。
石の回転にはジャイロ効果だけで
なく、角運動という原理も働いて
います。また、石を入水させる位
置については、一口では言えませ
んが、肩が強く石を離す位置が高
いほど遠くへ、逆の人は近くへ投
げると良いでしょう。距離は1m
から6mの間です。

風と水の流れについて
綺麗な波紋を見るには無風状態が
良いのですが、沢山のジャンプを
させるだけならさらに良い状態が
あります。風と水が同じ方向に同
じ早さでゆったりと流れていると
きです。向い風は水きりを難しく
します。さらに小粒の雨がふって
いるとベストです。雨の小さな波
紋は、風で波が大きく育つのを押
えます。また、小さな波が、石と
水のクッションになることも考え
られます。また、上流の方が下流
より水面が高い事も有利です。そ
の状態で、川上から石を投げると
驚く程遠くまで飛びます。それを
利用してジャンプの回数を増やす
には、いつもより平たい石を使い、
入水角度を浅くし、ジャンプの間
隔が長くならない工夫が必要です。
また、波がある場合、波の山に対
し、横から石をジャンプさせる方
が良いでしょう。いずれにしても
自然を味方にしなければ、綺麗な
波紋を見る事はできません。

美しい水きりとは
最適な位置に最適な角度で投げら
れた石は、少しの水しぶきしか上
がりません。初めは波紋の間隔は
短くありませんが、ジャンプの回
数が増えるにつれ規則的に短くな
ります。石は、その回転に従って
美しいカーブを描き、最も安定し
てジャンプする角度を選びます。
やがて、石のスピードが落ちると
ジャンプする事ができず、水面を
滑るようにして、揺れながら沈ん
でゆきます。
これが通常の水きりジャンプで、
規則的で、最も美しい水きりです。
ただ、肩の強い人がジャンプの数
を増やすにはこの原則を意識的に
崩さないと奇跡的な数にはなりま
せん。これはとても難しく再現性
に問題があるので、確かな事は言
えませんが、石の左右の傾きと表
面張力を利用します。石の入水角
度も石の形や比重により、微妙に
変えなければなりません。もちろ
ん石の選択が最も重要です。

流れと利き腕
川に向かって立ち、水が右から左
に流れている場合、右手から投げ
出された石はシュート回転しなが
ら水面を跳ねてゆきます。流れが
なければ、右利きの人が投げると
必ず右方向にシュートして飛んで
ゆきます。石がシュート回転して
いるからそうなるのです。
左で投げると回転は逆になります。
これを利用した技が、エビという
横に跳ねるジャンプです、もちろ
ん右利きの人は、対岸から投げた
方が効果的です。
エビは、重めで、下が平らなやや
角のある石が適しています。回転
を強く、ジャンプの間隔が小さく
なるように入水角度を強めにし、
曲がる方向に傾けて投げると石は
エビのように横に跳ねます。流れ
のない場所で投げ、10回以上ジャ
ンプしても石が曲がらないのは、
石の回転が足りない証拠でもあり
ます。

新しい技のいろいろ
水きり遊びには、どうやら昔から
いくつかの技があるようです。た
とえば、ムカデ、八艘飛び、海老
などです。
ムカデは、石を真直ぐにジャンプ
させる事で、海老は、カーブさせ
て横にジャンプさせる事、八艘飛
びは、ジャンプさせた石を対岸ま
で飛ばす事です。名前からもわか
るように、かなり昔からある技の
ようです。
これらに加えて新しい技を開発し
てみましょう。両手で投げたり、
股の間から後ろに投げたり、寝転
んで投げることもできます。高い
ジャンプをさせたり、小さな石を
連続して投げたり、数個の石を一
度に投げてジャンプさせることも
できます。利き腕ではない方で投
げるのは難しいですが、練習する
とできるようになるから不思議で
す。技には楽しい名前をつけまし
ょう、仲良しアヒル、追いかけっ
こ、ハイジャンプ、後ろなげ、両
手投げ、忍者投げ、逆さ投げ等が
あります。また、ジャンプさせた
石を的に当てるのもゲームとして
は楽しいでしょう。他に石が水を
切る音を楽しむ方法もあります。
昔遊びの多くは、こうして楽しみ
を発見し、工夫することで、さら
に楽しいものになります。
水きり遊びは、石を自由に選べま
す。他の球技にはない特徴です。
そのため、体力の弱いお子さんで
も大人に負けないジャンプが可能
です。そして、偶然性と技術の間
に遊びとしての楽しさがあり、自
然とふれあいながら、自然への感
性を育てるものが含まれています。
この複雑な現象は、科学的知識だ
けでは理解できないでしょう。
これを解明できるのは、誰もが持っ
ている感性です。感性を育てる上
で大切なものが、昔遊びにはたく
さんありました。

水きりのチーム演技
様々な技を組み合わせて、数人で
チームを組み、楽しい演技がした
いと思います。これが熊谷水きり
倶楽部の技術的な最終目的です。
何人もの人が一点をめがけていっ
せいに投げると綺麗な波紋が一点
に集まります。またウエーブの様
にかわるがわる連続して投げるの
も素敵です。何人かで行うことに
より、水
きり遊びはさらに楽しい
ものになるでしょう。
チームでの水切りは、全身で感じ
た自然の不思議を仲間と分かち合
う素朴な経験です。

下に水きりのムービーがあります。
コマ送りで数えて見て下さい。
いくつまで数えられるでしょうか。
この数は誰でも出せる可能性があ
ります。実は、出せるというより
も、条件が揃うと出ちゃうことが
あるのです。会員の何人かが経験
しています。