2006.11.3   第三回TOSS愛媛対TOSS広島模擬授業対決

C表ライセンス検定 指導案    

より自分らしく生きるために

「笑いの効果」   

福山聖志サークル  杉原浩子  21級

 
    

    

 

 

 

 

 

 単元を構成するにあたって

 日本は現在ストレス社会である。様々なストレスの中で生活しなければならない中で苦しんでいる人も多く、鬱になってしまう人が年々増えてきているのが現状である。子供達も同様で、不登校になったり、引きこもりになったりしてしまう子が増えてきている。

また すぐキレたり,暴言・暴力で反応してしまう子が年々多くなってきている。 

 私のクラスでも,ちょっとしたことにもすぐ腹をたてる子・すぐ人の悪口を言ってしまう子・暴力をふるってしまう子・何にでも反抗してしまう子が多く、トラブルが絶えないのが実態である。この子たちの実態を変えるためにも,言葉の大切さ、笑いの大切さ・夢の大切さを伝え、自分の生活を振り返ってみるきっかけにして欲しいと願いこの単元を設定した。

 身につけてこなかったものは、今から練習して身につけることができる、またスキルは低学年のうちから徐々に身につけていくことが必要である。感情対処、コミュニケーション,自己決定,目標設定,問題解決,セルフケアのスキルを磨いていくことで、苦しい生き方を楽にすることができる。そして「より自分らしく生きる」事が可能になる。人間関係がうまくいかなかったり、同じ失敗を繰り返してしまうのは、性格や能力の問題ではなく,「別のやり方を知らないこと」が結構あるように思える。困難にぶつかったときに,落ち込んでどうにもならないで行き詰まったりせずに自分で自分の気持ちを切り替えられるように,明るくそして豊かな生活を送るための指針として欲しい。

 

1 単元のねらい

   健康で楽しい生活を送ろうとする態度を育てる。

   

2 単元の構成

     月に1度学活の時間で行う。

       4月 笑顔の効果

5月 挨拶の効果

6月 言葉の効果

7月 コミュニケーションスキル1

9月 プラス思考

10月 ストレスマネジメント

11月 自尊感情を高める

12月 コミュニケーションスキル2

       1月 意志決定スキル

2月 夢・目標の効果

3月 コミュニケーションスキル3

     

本時の授業の意図

1,現代科学で証明される「笑いの効用」

   @「笑う」という行為により脳が刺激され,それが神経へと伝わり神経ペプチドという免疫機能活性ホルモンが分泌され,白血球の一つであるリンパ球のガン細胞や細菌に感染した細胞を死滅させ,ナチュラルキラー細胞が活性される。並びに、モルヒネの数倍もの鎮痛作用と快感作用のあるベータエンドルフィンというホルモンも大量分泌される。身体が活性化され,免疫力がアップする。

    その他にも,血糖値の上昇抑制や・動脈硬化や老化防止・痴呆を予防するなど様々な効果が実証されている。

    また,おもしろくなくても作り笑いをして微笑むだけの場合,NK活性がどうなるかの実験から,免疫力を強くしたいと思う人は,おもしろいことを考えて多いに笑ったり,おもしろいことがなくても,とりあえず表情だけでも笑顔を続ければ効果があるという結果が得られている。

  A笑いとストレスの関係

    落語鑑賞の前後でストレスを感じると分泌されるホルモンであるコルチゾールとクロモグラニンAの唾液中の値を調べると、コルチゾールは半数以上の人が減少しクロモグラニンAは4分の3近くの人で減少しており、落語を鑑賞した多くのひとのストレスが和らいでいるという結果が出ている。コルチゾールの値は、男女別でみると女性の方が、また普段からよく落語を聞いている人や

いつも声を出してよく笑っている人の方が下がっていた。暮らしの中でよく笑う人ほど、笑いの効果は大きいようだ。

B笑いとアレルギー反応

コメディ映画を観たグループは、天気予報を観たグループよりアレルギー反応が減少し,かゆみも減少した。ただし笑いによるアレルギー反応の軽減の効果は一時的(3〜4時間程度)である。また母親がダニアレルギーのある乳児に母乳ではなくミルクを笑いながら与えた場合と笑わずに与えた場合の比較をすると母親に笑いながらミルクを与えられた乳児は,授乳後にアレルギー反応が減少した。この結果から,笑いにはアレルギー反応を抑制する働きがあり、かゆみが減るにつれ生活の質も向上していくと考えられている。

C脳が活性化する

笑うことにより脳の血流量が増える。また落語を聞いて笑った脳疾患の患者は、α波とβ波の両方が増え,δ波とθ波が減少することが分かった。このことから笑うことによって脳が「リラックス」するとともに、脳の働きがよくなることにより「緊張」し「機能低下から回服」する状態となり、脳が活性化する。

D脳内リセット

笑うこと・涙して泣く・深い眠りといった生理現象が起きたとき一時的に思考が「空っぽ」の状態になり、3つの系(神経系・内分泌系・免疫系)のバランスの乱れを正常に戻すように働く、脳内リセットされた状態になるのではないかと考えられている。

E笑いで遺伝子スイッチオン

「プラス思考」という気持ちのありようは「精神的な要因」の一つで遺伝子のスイッチ「オン」「オフ」に大きな影響を与えていて何事にも前向き楽観的に、良い方向になるように考えたり笑ったりすると、眠っていた「良い遺伝子」が起き出してくる。笑いが体の新陳代謝を活発にしている。

 

2,笑いを取り入れた具体的な取り組み

笑いを取り入れた体操教室(大阪)

高齢者に楽しく笑ってもらいながら運動してもらう。

通院日8%減少,医療費23%減少

病院寄席  脳卒中など脳の病気の後遺症に悩む患者さんのトレーニングになる

笑い療法士 健康な人の発病予防をサポートする

「ケアリングクラウン」  笑わせたりして楽しい時間を過ごすことにより幸福感や心身の健康を高める活動

マジック療法士     笑いをとどけ患者さんに元気になってもらうと共に,マジックを臨床で活用する。

 

3,子供たちに笑いの大切さを伝える

われわれは日常、知らず知らずの内に身構え、緊張している。何かとストレスのたまる今日ではなおさらのことである。ずっと緊張していれば身体機能が低下してくる。笑いはそうした身体の緊張を解くほぐし、身体機能の低下を防いでくれる。

子供達に笑いの効用を知らせ、笑いは自分の生活を健康で豊かにすること、そして周りの人たちに対しても良い影響力を与えることについて知らせたい。困難にぶつかったときに,落ち込んでどうにもならないで行き詰まったりせずに自分で自分の気持ちを前向きに切り替えられるように、子どもたちが自分の生活を見直すきっかけとして欲しい。

 

参考文献

「笑いの治癒力」 アレン・クライン     「笑いの治癒力U」 アレン・クライン   

「免疫と自然治癒力のしくみ」 生田 哲   「免疫力は笑顔で上がる」 高戸 ベラ

「笑う!遺伝子」   村上 和雄      「生命のバカ力」  村上 和雄

「笑い学のすすめ」  井上 宏       「笑いの健康学」  伊丹 仁朗

「笑顔のつくり方」  野坂 礼子      「笑いの処方箋」  中島 英雄      

「笑いと免疫力」   吉野槇一

「大阪発 笑いの ススメ」  大阪府    「笑いに賭けろ!」 中邨 秀雄

「笑いの研究」 麻生磯次          「笑いの教科書」  福田純子

「笑いのちから」筒井康隆 養老猛司 河合隼雄