@4stマシン基礎知識編

A.複雑な構造を理解する。

 2stエンジンと比較し、動弁系メカニズムを持つ、メカニカルな4stエンジン。OSさんのサイトからエンジンの分解図をDLし、詳細を見れば分かる様に、OHV形式の単気筒エンジンで、実車のエンジンと比べるまでもなく、古くさい形式のエンジンですが、スパークプラグなどが無いだけで、歴とした4stエンジン。アルミと鉄、銅合金などから構成された複雑なメカニズムを持ちます。
 FS26エンジンでは、弁開閉用のカムは、クランクシャフトと直交する軸と一体で構成され、吸気カムと排気カムの間にあるヘリカルギアを、クランクシャフトのヘリカルギアで駆動しています。カムと接するのはカムフォロワ、その上には細いプッシュロッドがあり、その上端にロッカーアームがあります。ロッカーアームとプッシュロッドの接点にはタペット調整ネジが付き、タペットクリアランスが調整可能。ロッカーアームの他方はバルブ先端に接し、バルブ開閉を行います。バルブにはコイルスプリングとリテーナ、Cリングがあり、ロッカーアームが上がった時には、自立してバルブを閉めるテンションを与えます。バルブは、アルミ製ヘッドに鋳込まれた銅合金製のバルブガイドを通して支持され、バルブ先端は、実車同様の形状を持ち、燃焼室を形成しています。ピストンは、2stエンジンには無いピストンリングを持ち、リングによって燃焼室の気密を保っています。
 2stの2倍は複雑な構成、かつ、
異種の金属部品が相対的に動くことによって4stエンジンは動作します。その排気温度は200度を超え、排気の熱によって各部が非常に熱くなりやすいのも4stエンジンの特徴です。また、複雑さ故に回転数は2stに比べ低く(といっても2万回転を優に越えますが)、振動が大きい事も念頭に置くべきでしょう。


B.ネジ緩み

 排気温度が200度を超える高温に晒される排気系、さらにその熱がエンジン全体に伝わる事と、大きい振動のお陰で、4stエンジン搭載マシンは、ネジ緩みに注意する必要があります。樹脂部品にタッピングネジをねじ込む所は除外しても、エンジン本体及び付近のネジを締め付ける際は、ネジロック剤の併用が必須です。2stエンジン搭載マシンと同じ感覚で組立すると、予想外の部品が脱落することもあります。くれぐれもご注意を。

C.慣らし

 まず最初に迷うのはエンジンの慣らしかもしれません。まずは、取扱説明書通りにやってみましょう。FS26S-C Ver.2の場合、ニードルの位置が全閉より2回転開いた位置からスタートすることになりますが、2stの様に思いっきりニードルを緩めて燃料垂れ流しの慣らしは厳禁。2回転では回転も上がりませんが、のんびりランニングブレークインを行って下さい。手慣れた方なら、走らせず、ベンチでブレークインすることもあります。共通するのは、エンジンの温度を徐々に上げながら慣らしをすること。前述の通り、複雑なメカニズムで、異なる金属同士が擦れ合って機能するエンジンなので、慣らしで重要なのは、動作温度で各部品同士の当たりを取ることです。ヘッド温度を測りながら、1〜2タンク毎にニードルを絞り、徐々に温度を上げ、ヘッドカバーで90度近くになれば、そこそこ燃調が取れてくる頃です。

D.ニードル調整

 次はニードル調整。2stと異なり、ニードルがメインニードルのみと、4st用のキャブレターはシンプルですが、油断は禁物。4stのニードル調整は繊細なのです。数分絞っただけでエンジンが絶好調になったりする一方、長丁場のレースではオーバーヒートを引き起こすことも。エンジン温度に気を付けながら、徐々に絞っていきましょう。ピックアップも良くなり、エンジンが元気付いてくるはずですが、時には、絞った割にエンジンの調子が変わらないくせに、温度だけが上がる場合も。4stは複雑な構造故に、ニードルを絞ればピークが出るとは限りません。期待通りの反応が無い場合は、それ以上ニードルを絞らず、他の要素を疑うことも必要です。ヘッド温度が150度を越える様な状態での使用は、少なからずエンジンにダメージを蓄積させます。くれぐれも無闇にニードルは絞らない様に。
最終的なニードル調整は、数分単位で行い、出来るだけ、1タンク通してエンジンのレスポンスと伸びを確認して、注意深く最適な位置を探す様にしましょう。また、2stエンジンのターボヘッドに似て、気候に敏感な面があり、日によって最適ニードルが変わりやすい事も覚えておきましょう。

E.メンテナンス

 
4stエンジンのメンテナンスは、特に動弁系が重要。最低限、
走行前後にヘッドカバーを外して注油しましょう。オイルは、自動車又はバイクのエンジンオイルでOK。エンジンに慣れてきたら、是非、タペット調整を。最低限必要なのは、OS製のタペット調整キット。タペットクリアランスを調整するだけで、エンジンの調子が激変することもあります。エンジンやキャブレター等、いろんな条件により、最適なタペットクリアランスは異なりますので、是非シックネスゲージを購入し、微妙な調整にトライしてみましょう。
 また、何をやってもエンジンの調子が悪く、どうにもならないときや、明らかに圧縮が落ちてきたときは、思い切って
OSさんにお送りしてOHして貰うのがおすすめ。見違える様に復活して戻ってくるときもあります。良心的なOH料金(有る意味バーゲン?!)も、おすすめする理由の一つです。

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