サボテンの栽培について


 一般的にサボテンのイメージとはどんなものでしょうか?
おそらく「水をあげなくても良い」とか「砂漠の真中に生えてる」といった感じだと思います。
 でも、それは大きな誤解なんです。
一滴の水もなしに生きていける植物なんて存在しないのですから。
それに、草木一本生えない砂漠ではサボテンだって生えてません。
 ということで、まずサボテンがどんな植物かをご説明します。

1.サボテンの自生地は大きく分けて「北米」と「南米」に分かれています。
2.サボテンの自生地ではほとんど雨季と乾季があります。
3.サボテンは雨季に生長をはかります。
4.また、自生地では昼と夜の温度差がとても激しいのです。
5.刺は乾燥地帯における水分の蒸発を防ぐ為に葉が進化したものです。
刺は外敵から身を守るためと太陽光線から球体を守るためにはえています。
7.小さな子供のうちは親や潅木の半日影のところで成長します。

ざっとあげるとこんなところでしょうか。

まだまだ種類や自生地によってさまざまな違いがあるのですが、一般的な栽培の仕方としては


1.春と秋が成長期なので、その時に植替えをする。
2.夏は昼と夜の温度差が少ない為あまり成長しないので潅水は控えめにする。
3.冬は一日中温度が上がらない為ほとんど潅水をしない。
4.温室やフレームで栽培すると成績があがるのでなるべく努める。
5.室内で栽培する場合でも日のあたる窓辺にサボテンを置く。
6.強光線と低湿度が続くと球体が日焼けを起こすので遮光やシリンジなどで対処する。

簡単な栽培方法は以上の通りですが、その人によって環境が違うので、少しでも早く自分の環境にあった栽培方法を見つけることが一番大切です。

サボテンについて一通り説明したところで、次に用土と鉢についてお話します。

 用土は、欲を言えば自分の栽培環境や栽培している種類に適したものを自作するのが理想ですが、自信の無い方は園芸店などで市販されている「サボテン用の土」を使って下さい。
 自作する時は一種類の用土を単体で使わずに、いくつかの用土を混ぜて作ってください。
たとえば  硬質赤玉土4:軽石2:イソライト2:燻炭0.5:珪酸白土0.5:肥料1
といった感じです。
用土の荒さは慣れた人ならなるべく細かいものを使うことをお進めします。
なぜなら土中の湿度が保てる上に毛細根がより多く出るからです。
しかし、栽培にあまり慣れていない方や環境があまりよくない方は根腐れをおこすおそれがありますので少し荒めの用土を使用するほうが無難でしょう。
植替えをする時には鉢の底に荒めの土を入れて水はけをよくします。
それと、用土に砂を使用する方もいらっしゃるようですが私は使用してません。(サボテンの自生地は砂漠でなくて土漠だそうです)
参考までに、
サボテン栽培では根を暖めることが非常に大切です。
 
 次に栽培する鉢についてですが、元気よく成長させることを一番とするならば、黒い植木鉢を使用することをお進めします。
先ほども説明したとおり、根を暖めることに重点をおくならば黒色が一番です。
装飾のついた焼き鉢などは見た目がよろしいですが、冬場は夜間にかなり根が冷えると思われます。
それに、焼き鉢ですと植替えの時に根が鉢にこびりついて取れにくいという難点がありますので、私は黒いプラスチック製の鉢ばかり使用しています。
 大きさはさまざまですが、サボテンより一回り大き目のものを使うとよろしいでしょう。
例えば直径9cmのサボテンを4号鉢(12cm)〜5号鉢(15cm)に植えるとか。(鉢の寸法は外径です)
 形については浅いものや深いものなど色々ありますが、私はなるべくたくさん土が入るものを使用してます。
ラン鉢などは細長いため太陽光線があたる面積が大きく、根を深くまで張らすことができ、しかも土がたくさん入るためよろしいかと思います。
でも、環境によってはいつまでも土中の水分が乾かずに根腐れを起こすことがありますので、あくまでも自分の栽培環境に合わせてください。


次に潅水についてお話します。

 潅水(かんすい)とは水やりのことで、これが上手にできるようになったら、ほぼ一人前といえるでしょう。
まず季節を追ってご説明します。


 サボテンがもっとも生長する季節で、温室やフレームのある方は2月下旬から3月あ中旬がスタートといえるでしょう。
室内栽培の方は地方によっても違いますが、ここ関西を基準にするならば桜の季節頃になると思います。

わかりやすく言うと成長点(サボテンの上の中心部あたり)近くから透き通るような色の刺が出だした時です。
その頃から徐々に潅水を増やしていきます。
潅水のペースとしては表面の用土が乾燥したら鉢底から流れ出るまでたっぷりとあげます。
そうすると土中の空気も入れ替えができてよろしいでしょう。
(根は呼吸してます!)
とにかく
水を切らさないようにします。そうでないと、せっかく成長し出した毛細根が枯れてしまいます。
5日〜10日に一度くらいが目安です。


 サボテンがいわゆる「夏バテ」を起こす季節です。
しかし通風を良くしてやれば、それもわりと解消できます。
潅水の量は少し押さえ気味にします。
先ほどもお話したとおり、自生地では昼と夜の温度差が激しいため、日本の夏はサボテンにとってあまり良い環境とは言えないのです。
サボテンは温度差があるときに成長するので、それが鈍った時にはあまり水分を必要としないのです。
だからといって毛細根を枯らしてはいけません。
鉢の中をカラカラにしないていどに潅水をしてください。
10日〜20日に一度くらいが目安です。


 サボテンが夜間の暑さから開放されて動き出す季節です。
この頃になると、春と同様で昼と夜の温度差が出てくるので、少し潅水を増やします。
しかし、次に訪れる季節が冬なので、
いつまでも水をあげすぎないように注意してください。
7日〜12日に一度が目安です。



 サボテンの生長がもっとも鈍る季節です。
この季節になると昼間でもあまり温度が上がりませんから、サボテンはほとんど生長をしません。
ですから潅水は控えめに、
よく晴れた日中にするようにします。
欲を言うなら15〜20℃前後の水をあげてください。
しかし、ここでもやはり
毛細根を枯らさないようにしてください。
そうしないと、次にやってくる春の成長期の出だしに影響します。
20日〜30日に一度が目安です。

どうです、潅水って難しいでしょう?
季節によって水をあげすぎてはいけないけれども、毛細根を枯らしてもいけないなんて・・・。
ですから、この潅水が上手にできたらあなたも一人前です。
最終的にはサボテンの「喉乾いた〜、水くれ〜。」と言う声が聞こえてくるはず・・・・ほんまかいな!?
とにかく上記は
あくまでも目安ですから、自分が栽培している種類や環境を早く掴むことが大切です。

次に植替えについてお話します。

 植替えは
基本的に春に行います。
もっと細かく言うと「サボテンが生長しだす直前」が一番の適期です。
植替えとは
1.肥料分が抜けて古くなった用土を交換する。
2.根を切って新しい根を発根させる。
3.成長したサボテンを適した大きさの鉢に入れ替える。
以上の3点が大きな目的です。
 まず、軽く鉢を叩きながらサボテンを抜き上げます。
そして用土を手でほぐして根っこを良く調べます。(よく根が張っているか、病気や根腐れがないかなど)
次に、種類にもよりますが園芸店で売られている一般的なサボテンは、根を根元から2〜3cm残してバッサリ切ります。
ごぼう根をおいておいたほうが良い種類は、その周りに生えている細い根を手でむしるかハサミなどで切り落とします。
この時に直径4〜5o以上の根を切った場合は石灰などをつけて乾かしておきます。
問題ない苗は乾いた用土にすぐに植え付けても支障はありません。
ただし、
植替え後、第1回目の潅水は1週間〜2週間後に行います。
それまでは暖かいところで
球体に寒冷紗をかけて日焼けをふせぎます。
なぜ寒冷紗をかけて遮光するかというと、サボテンは根が順調に動いている時に日光をほしがるので、成長する為の根を切った直後に強光線にあてると、根が水分を吸い上げることができない状態なのに水分が蒸発してしまうからなのです。
 慣れない方は発根の兆しを確認することが難しいでしょうが、鉢に良く日光をあてておけば3〜7日で発根が始まるはずです。

 あと、秋の植替えですが、お盆を過ぎた頃から徐々に行うのがよろしいでしょう。
秋に植え替えるのは
1.春に植え替えをしそこなった時
2.実生の若い苗を早く順調に成長させるため(春と秋の2回植替え)
3.強刺類などで春一番に成長をさせたい時
などの理由があるものにしておきましょう。

ついでに接木物(柱サボテンなどの上に違うサボテンを接いで乗せてあるもの)の植え替えですが、台木の根っこは強いので肥料だけ追肥して2〜3年に一度でもよいでしょう。
その他普通のサボテンは、若苗なら1年に一度、老球や根作りに力を入れている最中のものなどは2〜3年に一度の割合で植替えをするとよいでしょう。

 植替え後の第1回目の潅水の時に、根を切断したことによる感染病が気になる人は薬品を水に混ぜてあげるとよいでしょう。
例えば   アクテリック、スプラサイド、ベンレートの3種類をそれぞれ1500倍に薄めた薬液
(水3リットルに対してそれぞれの薬品を2g又は2ccづつ混ぜ合わせる)
これは私がたまにやる手です。
しかし、病気や害虫の被害が無ければ薬をあげる必要はありません。予防にはなりますが・・・。

 言い忘れましたが土を鉢に入れる時は、入れ終わったあとに鉢を軽く手で叩き用土を良くなじませましょう。
そして、表面は肥料っけのない土をいれます。そうすると肥料の無駄が防げるとともに、コケなどの発生を防ぐことができるでしょう。
その表土は中の土と同じ荒さの赤玉土を使うと、乾き具合が良くわかって便利でしょう。
あと、潅水時に水がこぼれないように、ウォータースペースを鉢の高さの1割ほどとるのを忘れないようにしましょう。


最後に環境についてお話します。

 サボテンの栽培環境にもっとも適しているのは温室やフレームです。
温室はスペースや予算の問題が色々と出てくることが多いようですが、フレームならなんとか一人でもそれなりのものは作れると思います。

 先ずは温度について。
 春と秋に昼と夜の
温度差をつけるには何か透明の囲いが必要です。
囲いの中では、日中は太陽光線によって外気温よりもかなり温度が上がります。そして、夕方になると気温が下がり、夜にはすっかり涼しくなっているはずです。囲いが無ければせいぜい最高気温が20〜25℃、最低気温が10〜15℃だと思います。
これが温室やフレームの中だと最高気温が30〜40℃にもなるのです。この
15℃〜40℃くらいの温度差にサボテンは刺激されて活動を開始するのです。
ですから、何か透明の囲いがなくてはこれらの温度差を実現させにくくなってくるのです。
しかし、40℃を超えるとサボテンが日焼けを起こすので、温度管理が必要になってきます。
外気温が夏に近づくにしたがって上昇していくので、それにあわせて通風をはかっていかなければなりません。
そして夏になると全面開放して雨だけがあたらないようにします。
なぜかというと、潅水の時期を自分で調整するためです。
逆に冬場は外気の最低気温よりも中の温度を少しでも上げるために密封状態にします。
このようにして
人工的にサボテンが過ごしやすい温度を作っていくのが囲いの役目なのです。

 次に湿度について。
 北米のサボテンはだいたいが低湿度の環境で育っています。ですから北米のサボテンを育てるには、極力湿度を抑えていきます。
しかし、日本の環境で育てていくにはある程度の湿度は必要になってきます。低湿度と強光線が重なると日焼けを起こすからです。
 次に、南米のサボテンはだいたいが高湿度の環境で育っています。そのためシリンジなどを行ったりして湿度を保ちます。
種類によっては70〜90%の湿度で機嫌よく育ちます。まるでお風呂の中のようですが、原産地はそのような環境なのです。

 次に太陽光線について。
 ほとんどのサボテンは太陽光線が大好きです。
少しでも長い日照時間があれば、それだけ成績が上がることでしょう。
しかし、強光線過ぎてはいけないものもあります。
光線量の調整には二通りあると私は思っております。
 まず、一般的なのが「遮光」です。遮光とは寒冷紗などで日光を全体的に薄くさえぎることです。
方法としては直接サボテンに寒冷紗を掛けるのと、温室やフレームの屋根面に貼り付けるのとがあります。
 もうひとつは、屋根面との距離で調整する方法です。これは私がギムノカリキウムを育てるのに用いている方法で、強光線が必要な種類は屋根面により近くします。そして、あまり光線が強いと日焼けをするものはその距離を遠くします。
こうすることによって寒冷紗無しでも作ることができます。(通風と湿度の調整も関係しますが・・・。)
 
 光線量は屋根面との距離によって決まるのです。それに屋根面に近いほうが自然と高い位置になるので気温も高温になります。ということは、屋根面に近い位置にサボテンをおくと、根を暖めることができるということなんです。
光線量は直接寒冷紗を球体に掛けることによって調整できますから、問題ないでしょう。
温室ならば吊鉢がもっとも好成績をあげることができるということです。

最後に一言。
サボテンは生き物です。
本来ならば自生地の環境で育つものを日本で育てるのですから、少しでも現地の環境を理解して、それに少しでも近づけるように努力をしてあげてください。
そうすれば、おのずとサボテン達は答えてくれるはずです。

とにかく愛情をそそいでやって下さい。

TO サボテンを愛する人たちへ・・・。
FROM ギムノ命