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  相続人がいないとき                                               神戸の行政書士 すがぬま法務事務所 

          
  死亡した人に相続人のあることが明らかでないと
 きがあります。こうした状態を「相続人の不存在」の
 場合
といいます。

  相続人のあることが明らかでないときとは、相続
 人となるべき者が戸籍上見当たらないときのほか、
 相続人全員が相続の放棄をし、あるいは相続欠格や
 推定相続人の廃除によって相続資格を失っている場
 合も含みます。

        ※戸籍上相続人はいるが、その相続人が行方不明や生死不明である場合には、相続人の
          不存在には該当しません。この場合の財産管理は、不在者の財産管理又や失踪宣告の規
          定により処理されることとなります。

              相続人の1人が行方不明のとき 失踪宣告
         
 また、相続人はいないが、全財産が遺贈(包括遺贈)されている場合も相続人の不存在にあ
          たらないとされています。
  遺贈・死因贈与と相続

        
【判例紹介】
          
最高裁 平成9年9月12日判決
           
遺言者に相続人は存在しないが相続財産全部の包括受遺者が存在する場合は、民法
           951条条にいう「相続人のあることが明かでないとき」には当たらないものと解するのが
           相当である。

 法定相続人や代襲者相続人がいるかどうかは、戸籍謄本によって一応知ることはできますが、
戸籍は一応の証拠にすぎません。たとえば被相続人の実子でありながら
「わらの上からの養子」
といって他人の実子として届けられている場合のように、戸籍に記載されていないからといって、
相続人がいないとは断定できません。

 そこで、こうした場合に相続人捜索などの一定の手続を経ることにし、それでも相続人が現れな
いときは、相続人なしと確定されます。
そして、その場合にかぎり、家庭裁判所は特別縁故者
らの申立てに基づいて相続財産の全部又は一部を与えることができます。
 それでもなお残余財産があるときは、相続財産は
国庫 に帰属することになります。ただし、そ
の財産が他の者との共有財産の持分であるときには、その持分は他の共有者に帰属します。

 なお、相続人捜索の手続のなかで相続人がいることが判明した場合(ただし、その相続人が相
続を承認すること)には、これらの手続きは直ちに中断され、通常の相続の手続きに移行します。
その場合、相続財産管理人それまでになした清算行為の効力は失われません。

相続人の不存在の確定手続き
相続財産管理人の選任
 利害関係人(債権者、受遺者、特別縁故者など)からの請求により、家庭裁判所が相続財産
    の管理人を選任します。利害関係人からの請求がない場合は、検察官がこの請求をします。

             
相続財産管理人選任の申立書の記載例  
相続財産管理人の選任の公告
(1回目の相続人捜索の公告)
相続財産管理人を選任した旨の家庭裁判所の広告
この公告期間は
2か月
※公告は官報に掲載してなされる。
     2か月以内に相続人が現れない場合 
債権者・受遺者に対する債権申
し出の公告
(2回目の相続人捜索の公告)
相続財産管理人の選任の公告があったあと
2か月以内 に相続人が現れない場合、管理人は
遅滞なく債権者や受遺者に対して 2か月以上
の期間をさだめて債権の申し出るよう公告する。

 
なお、知れたる債権者には各別に債権申出の
催告をします。
         ※債権の申し出期間が経過したら債権者・受遺者への清算に移ります。
         
弁済の順位  @優先権を有する債権者 A一般債権者 B受遺者
            配当弁済   債権の申出額が相続財産を上回る場合は、配当弁済することになります。

 2か月以上の債権申し出期間内に、なお相続人が現れない場合   
相続人捜索の公告
(3回目の相続人捜索の公告)
債権申し出期間が満了後、なお相続人が現れない
ときは、清算と並行して、管理人の請求によって、
家庭裁判所は 6か月以上 の期間を定めて「
相続権
主張の催告
」をする。
           ※ この公告は、管理人又は検察官の請求により家庭裁判所が行なうものです。
                この公告をなすべき時に、相続財産が全部清算されて残余財産がない場合に
                は、この公告をする必要はないとされています。
               なお、前記の清算後なお残余財産があるときは、その後に現れた債権者・受
                遺者は、この期間内であれば弁済を受けられます
 6か月以上の公告期間が経過したとき  
相続人不存在の確定
 3か月以内に特別縁故者の申立てにもとづき、相続財産の全部または一部が分与される。
残余財産の国庫帰属

特別縁故者への財産分与
 
    この制度は、相続人不存在の場合に、相続財産を国庫に帰属させるより、相続権はないが、
   被相続人と特別な縁故関係にあった者に与えた方が、当事者はもとより、国民感情に合致し、
   被相続人の遺志にもかなうとして、昭和37年の民法の一部改正によって新設されました。

 
特別縁故者と認められるのは、
  
@被相続人と生計を同じくしていた者
  A被相続人の療養看護に努めた者
  Bその他被相続人と特別の縁故があった者

  とされています。

 
内縁の妻事実上の養子が代表的な例です。ほかには被相続人の療養看護に努めた親戚・知人・
看護婦などがあげられます。また、特別縁故者は個人だけでなく、法人でもよいとされています。
 家庭裁判所が相続財産の分与をするためには、特別縁故者からの申立てがなければなりません。
特別の縁故関係があって被相続人のために貢献したとしても、申立てがないと、相続財産の分与は
されません。
 分与するかしないか、また、一部分与か全部分与かについては家庭裁判所の裁量によります。
 この申立ては、最後の相続人捜索の公告期間の満了後
3カ月内 にかぎられます。

 なお、特別縁故者が相続財産の分与を受けた場合、その時の時価が基礎控除額の5,000万円
を超えたときは、超えた額について相続税が課せられます。

                                  
                         
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