相続となる人、ならない人 ![]()
神戸の行政書士 すがぬま法務事務所
相続人となる人、ならない人
● 胎児
胎児は相続については既に生れたものとみなされ、相続権があります。ただし、死産の場合
は相続人になりません。
「既に生れたものとみなす」とは、胎児が生きて生まれたときに、相続開始時にさかのぼって
相続したものと認めるという意味です。したがって、胎児のまま相続人となるわけではありませ
んから、たとえば胎児の母が胎児の法定代理人として遺産分割協議に参加することはできま
せん。
● 嫡出子・非嫡出子
婚姻の届出をした夫婦の間の子を 嫡出子、婚姻関係のない男女の間の子を 非嫡出子
といいます。
母親と非嫡出子は分娩の事実によって親子関係は証明されますが、父親との親子関係は父
親が認知して初めて生じます。したがって認知された非嫡出子だけが相続人となります。
なお、非嫡出子の相続分は嫡出子の半分です。認知と遺産分割
● 実子・養子
養子(普通養子)は、親子の血縁のない者どうしが、養子縁組の届出を出すことによって、
本来の血縁のある親子と同じ関係になります。相続においても養子は実子と全く同じに扱われ
ます。また、養子に行ったからといって実父母との親子関係がなくなるわけではありません。
つまり、養子は実父母と養父母の両方から相続できることになります。
特別養子 特別養子とは、実父母およびその血族との親族関係を終了させて、完全に養方
の嫡出子として扱うもので、昭和62年に創設された制度です。特別養子縁組によって実方の
親族との間で、相互に扶養義務や相続権を有しないことになります。
特別養子になる者の要件
@年齢要件・・・・・・・特別養子は、縁組の請求の時に6歳未満でなければなりません。
しかし、例外的に8歳未満でも特別養子になれる場合があります。
A要保護要件・・・・・実父母による監護が著しく困難または不適当であること、その他
特別の事情があり、子の利益のために必要なときにかぎり認めら
れます。
養親となるための要件
@夫婦共同縁組・・・養親となる者は、配偶者がいなければなりませんし、しかも夫婦
は共同で養親とならなければなりません。
A養親の年齢・・・・・養親となる者は、25歳以上であること。ただし、夫婦の一方が25
歳以上の場合は、他方は20歳以上であればよいことになっています。
実父母の同意
特別養子の成立には、原則として実父母の同意がなければなりません。
● わらの上からの養子
古くから、他人の子をもらい受けて自分たち夫婦の産んだ子として戸籍上届けることが行なわ
れてきました。生れてすぐもらうことから、「わらの上からの養子」(「わら」とはお産をする寝床
に敷くわらのこと)と呼ばれます。
このような虚偽の届出は、戸籍上実子として記載されていても、実子としてはもちろんのこと、
養子としての効力も認められません。したがって相続人とはなりません。
風早八十二解題〔全国民事慣例類集〕P28以下<日本評論社、1944年>
わが国には生後間もない他人の子を貰って夫婦間の実子として届け出て養育するという
習慣が、民法施行前から存するとされる。かかる虚偽の出生届を防止するため、戦後の戸
籍法の改正によって、出生届には医師・助産婦等の出生に立ち会った者の出生証明書の添
付が要求されることとなったが(戸籍法49条3項)、今日でも虚偽の出生届が皆無であることは
いい難いようである。
● 内縁の妻または夫
相続人となる配偶者は、婚姻届をだしている正式な配偶者で、内縁の配偶者は含まれません。
社会的に夫婦同然の生活を送っていたとしても、婚姻届を出していなければ、法律上の夫婦とは
みなされませんので、相続人になれません。ただし、相続人が誰もいない場合には被相続人の
財産を取得する場合があります。相続人の不存在
● 再婚した配偶者の連れ子
被相続人と再婚した配偶者は、戸籍上の配偶者ですから当然相続人となります。しかし、その
連れ子は、被相続人と養子縁組をしていないかぎり、相続人にはなれません。
● 離婚した元配偶者
離婚した元配偶者は、上記とは逆に当然相続権はありません。しかし、子どもは親が離婚した
からといって親子関係がなくなるわけではありませんので、嫡出子として相続することになります。
● 事実上、離婚状態の配偶者
配偶者に相続権があるかどうかは、原則として相続開始時(被相続人が死亡したとき)の戸籍に
よって決ります。たとえ何十年も別居し音信不通であったとしても、正式に離婚するまでは相続権
があります。
● 法律上当然に相続人資格を失う者 〜相続欠格〜
親の財産めあてに親を殺してしまった場合のように、相続に関して不正な利益を得ようとして不正
な行為をし、またはしようとした場合は、法律上当然に相続人の資格を失います。
相続欠格、推定相続人の廃除
● 被相続人の意思で相続権を失う者 〜相続人の廃除〜
被相続人に対し虐待・重大な侮辱、その他の著しい非行を行ったときに、被相続人は、家庭裁判
所に申し立てて相続人の資格を失なわせることができます。
また、被相続人は遺言で廃除の意思を表示することもできます。
相続欠格、推定相続人の廃除
<参考資料>
昭和55年 平成7年 平成13年 人口
117,060,396
125,570,246
127,291,000
出生(人)
1,576,889
1,187,064
1,170,662
非嫡出子(人)
12,548
14,718
20,369
死亡 (人)
722,801
922,139
970,331
婚姻 (組)
774,702
791,888
799,999
婚姻年齢 (夫)
(妻)
27.8
28.5
29.0
25.2
26.3
27.2
第1子誕生時の
母の年齢26.4
27.5
28.2
離婚(件)
141,689
199,016
285,911
内未成年子
のある場合95,755
122,067
171,802
核家族世帯数
21,318,000
23,997,000
26,096,000
※ 数字は,厚生労働省厚生統計要覧の資料による。
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